このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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8.帰還


この坂道を登るのか・・・・
ベンチで休憩し、体力を回復させて宝永火口から、富士宮口へと続く道を登りはじめる。 急な坂道。カップルは歩くのが早い。「私はなかなか体力があるではないか!」と 昨日の登りで感じていた事は大きな勘違いである事に、この時やっと気付く。カップル、体力ありすぎ。 「先行って下さいー」と言い、先に行ってもらう。下山なのに、また登るとは思いも寄らなかった。 もうクタクタだ。標高もかなり低くなっているため高山病からすっかり回復したカヨさんは なかなか元気だ。私は、もうクタクタのボロボロの愚痴まみれである。

これを登り切れば、もうすぐそこに 富士宮口の6合目があると思いきや、6合目の山小屋は遥か彼方に見える・・・。 登りの道ではなく、ただ平坦な道を歩くだけの6合目への道のりさえ、苦しいものであった。

6合目の山小屋のベンチで少し休憩し、5合目へ下りはじめようとする。先に到着していた カップルは、まだ休憩中だ。さっきまでカヨさんはゴーグルとマスク、私は似合わないサングラスとマスクという怪しい犯罪者スタイルでカップルに接していた 私たちは、マスクやゴーグルを外し、カップルに挨拶をした。カップルは「あー、この2人、こんな顔してたんだー。犯罪者じゃなかったんだー。」とか思ってるんちゃう?と カヨさんと想像して笑った。そして写真を撮ったり、のんびり下山していると、休憩を長くとっていたはずのカップルに 追いつかれる。「本当にお疲れ様でしたー」と最後に言葉を交わす。

いくら何でも19時10分のバスには余裕で間に合うと思っていたが、5合目に到着したのは19時すぎ。 ギリギリであった。下山にかかった時間は約5時間。フラフラになりながら見た夕空は、とても綺麗だった。

5合目まで来ると、なんか皆綺麗な格好をしている。これから登山するという元気な人達の姿も見える。 やっと下界へと下りて来れた事を実感し、ホッとする。

今夜もカヨさんの家に泊まらせてもらう事にして、富士宮駅までのバスに乗り込む。ギリギリであったが、座席を確保できて ホッとする。富士宮駅にはカヨさんのお父さんが車で迎えに来てくれていた。カヨさんの家に到着し、荷物を置き、 カヨさんの運転で銭湯へ行く頃には既に21時になっていた。何から何まで揃っていて、 1500円だけあるわという健康ランド的な銭湯。そこで夕飯(野菜カレー)も食べ、 お風呂に入り、死海の成分の湯で体を浮かして楽しみ、サウナも色々入り、風呂上りに マッサージチェアで天国を味わい、閉店ギリギリの12時前まで銭湯を満喫。 疲れ切って眠いくせに、帰りにコンビニでダイエットビールとイカのツマミを買ってカヨさん家に帰宅。 そしてカンパイ!登山話をして笑う。カヨさんはチューハイで酔う。私はビールとチューハイを飲んで幸せ。2時就寝。

翌日、19日9時半頃に起床。腕、背中、お尻、足、全身筋肉痛で「アイタタタタタタタ!!!」と言わずには動けない。 11時頃、「ブランチだ!」と言ってファミレスへ。カヨさんのお母さんが見えなくなるまで手を振ってくださる。ドリンクバーで飲み物をつぎに行くたびに「アイタタタタタタタ!」と 言いながら不自然な歩き方をする。美味しくご飯を食べて、色々話をして、デジカメの写真を見返したりし、カヨさんの車でそのまま新富士駅へ。 14時8分の新幹線に乗ることにして、それまでの間お土産を買ったり写真を撮る。改札でカヨさんの見送りを受け、「また秋には滋賀に泊まりに来てやー!」と言ってサヨナラ! 大変お世話になりました。ありがとうございました。

新幹線から富士山を見ながら、物思いにふけりながら、滋賀県に帰った。17時前に地元の駅に到着。 筋肉痛で一歩ずつしか階段を降りれない私を見て、駅まで迎えに来てくれた父親は笑った。

筋肉痛は、この次の日が最もひどく、会社を休みたいぐらいだった。歩くだけで泣きたくなる。 富士山は下りてからも精神修行が続くようだ。 足全体に怪我をしたかのような痛さ。痛すぎて本当に泣いた。富士山、2度と登るものかと泣いた。 そして下山した5日後に、やっと「普通の筋肉痛」程度の痛みになった。

「富士山、1度も登らぬ馬鹿、2度登る馬鹿」という言葉があるらしい。 今のところ、私はやっと馬鹿ではなくなったようだ。

今回、アジアの旅に行っているため不参加だったマユミから「富士登山成功おめでとう! 来年は私も登るから、一緒に登ろうね!」というメールが来た。 ご来光も見てないし、お鉢巡りもしてないし、富士宮口コースは嫌やけど他のコースからなら 登ってもいいなーと思っている私は、来年にはまた馬鹿になる可能性大だ。

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