都会の恐ろしさを思い知るには、1日で充分であったが、私には1週間分の宿泊費を払ったバッパーがあり、 日ごとに、都会の渦に飲み込まれて行く。 きらびやかに商品が飾り立てられたお店が立ち並ぶ都会では、 汗水たらして得たお金も、簡単に消えていくのである。「ターゲット」という安く服が買える店を、ふと覗いてみれば、Tシャツが安く売られている。 短パンみたいなものも、あったら便利そう。そして、何かに囚われたように、手はTシャツを2枚と、短パンを掴み、 レジへと向かうのであった。そして、ショッピングセンターをウロついていると、店先に半額になったカバンがあるではないか。 「半額やで!お得!この赤土色の取れないカバンは嫌やし、買っちゃえば!?」という悪魔の声に、「お金の無駄よ」と闘う声は 一切湧き上がらず、カバンは自らの手によってレジに運ばれたのである。 そして、それらが原色ばかりであることや、短パンは水着の上に着る用であることなどは、 お構いなしに、今後の旅に活用されるのであるから、あっという間に流出した、130ドルのお金も無駄ではなかったということに しておこう。
チルダーズでピッキングをしている時から、コンタクトレンズに異物感があり、左のレンズは痛くてはめていられないぐらいであった。 それもそのはず、何やら突起物があり、これはヤバイというわけで、眼科へ。その左レンズを見て、眼科医は言い放った。 「rubbish!!」と。私は、長らく左目にゴミをはめていたらしい。それは痛いはずだ。コンタクトを新しく作りなおし、 これによって285ドルのお金が流出。
ケアンズから、先へ旅していくための足である、バスのチケットは、結局はじめに相談しに行ったマップツアーで買うことにした。 ケアンズ〜アリススプリングス〜ダーウィン〜ブルームまでは、距離で買う、「キロパス」と呼ばれるバスチケットを使い、 ブルーム〜パースまでは、「Pearl Diver」というシャレた名前のついた区間パスを使えば、一番お得と聞き、それに従った。 6000キロのキロパスが、550ドル、Pearl Diverは、307ドルであり、合計857ドルのお金が流出。 これによって、パースまでの足は確保できた。そして、マップツアーでスカイダイビングの申し込みもした。 これは、シドニーにいる時からやりたかったことであり、ピッキングを2ヵ月半頑張った自分へのご褒美であるから、 260ドルものお金が流出しようが、痛くも痒くもない。
凝りもせずに、海沿いにあるショッピングセンターを物色していると、時計が売っているではないか。 新しい時計が欲しいなーと見入ってみたが、チルダーズにいるアキからの「誘惑に負けず、チルダーズ魂を貫け」という メールを思い出し、我慢した。既に誘惑に負けまくってきたが、もう負けるまい。
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ケアンズの海 |
ショッピングセンターを出て歩いていると、海沿いの道をみつけたので、そこで持参のお昼ご飯を食べる。 タバコを吸おうとしたが、風が強く、火がつかず、むかつく。海の水は濁っていた。綺麗な海は、ケアンズから船に乗って出かけなければ 見られないようだ。
このように、2日間ケアンズをブラブラする中で、多額の現金がフトコロから流出したわけであり、 銀行残高が、ケアンズに着いた頃は4000ドルぐらいあった気がするが、気付けば2500ドルぐらいになっていることは、 都会の忙しさの中で気付かないことにしておく。都会に居るとはいえ、ブラブラするだけの身で、忙しくないんじゃ・・・?!という意見は却下。