どこもかしこも日本人だらけの大都会、ケアンズ。
シドニーで半年暮らした後の、2週間のラウンドは、どこへ行っても「小さい街やー」と 思うだけだったが、今は違う。 「ケアンズは田舎だ」とは、よく耳にしたことであるが、チルダーズというド田舎で2ヵ月半暮らした私には、 コールスがあり、ウールワースもあり、なんか綺麗なショッピングセンターもあり、ちょっとした繁華街まであるケアンズは、 大都会にしか見えない。至る所に掲げられる日本語の看板。 どこへ行っても日本人ワーホリと見られる店員たちがいる、サーファーズと似通った街。 少し違うところは、ワーホリの人々と同じぐらいに、新婚旅行カップルが目に付くところだ。 ケアンズに住むワーホリの人々も、新婚旅行カップルも、みんな化粧して、オシャレであり、赤土色の取れないカバンと靴を 身につけ、Tシャツとジーパンで歩く私は、ダサすぎた。 それでも、「ケアンズに新婚旅行なんて、絶対嫌や。日本やん!」と、一人ブツブツと、強がりとしか思えないセリフを吐きながら 歩く私であった。
とりあえず、ケアンズから先のバスチケットを入手するため、マップツアーへ行き、久々の日本語情報を得ることにした。 シドニーでは、よくマップツアーへ行っていたが、久々に行ってみると日本人だらけで驚く。 日本語情報センターの雰囲気は、懐かしいけど、落ち着かない。どのバスチケットを買ったらお得かという事と、 ずっとやりたかったスカイダイビングのことを聞くだけ聞いて、マップツアーを後にした。
ブリスベンの10ドルバッパーで出会い、チルダーズに1日だけピッキングをしに来たミキは、今、ケアンズでツアーガイドをしている。 街中のベンチでタバコを吸いながら電話をしてみるが、仕事中なのか繋がらず。 すると、目の前をシドニーで出会った人が通りかかり、約3ヶ月ぶりの再会に驚き、少し話して別れた。 そしてまた歩き出すと、ブリスベンの10ドルバッパーで出会った、「こわい人」と恐れていたカヨさんを発見! 「あー!ブリスベンで会いましたよねー!」としゃべりかけるが、カヨさんは私のことを覚えていないようだった。 カヨさんは、この後マウントアイザ、テナントクリークへ行くらしく、旅の情報を得るために、今から旅行会社へ行くというので、 旅のルートが同じと分かった私も一緒に行くことにした。旅行会社で、パンフレットを見たりしていると、ミキから電話があり、 近くまで来ているというので、カヨさんとは、「また会いましょう」と別れた。
エスプラネードの芝生で、ほっと一息ついていると、自転車に乗ったミキが登場。約2ヶ月ぶりの再会。 お互い、少し大きくなっていることに笑い、私の無残に短くなった髪型に笑い、しばらく芝生でくつろいだ。 そろそろ夜ご飯の時間になり、フードコートへ行き、7ドル90セントもする、取り放題のベトナム料理を 食べることにする。「肉や、肉ー!!」と、肉を、これでもかと言うほど取る。チルダーズの生活では考えられない出費。 久々の外食。都会にいると、お金が瞬く間に消えていく。
夕食を食べ終え、ベンチで一服し、ケーキをおごってくれるというミキの素晴らしい提案により、カフェへ行く。 カプチーノとキャラメルケーキをご馳走になり、ハッピー!ミキの、「常識のないアホな人が多い」という仕事話を聞いたり、 私のチルダーズ話をしながらケーキを食べ、お腹いっぱい。満腹感を沈めるため、ナイトマーケットを見ることにした。 客も、店員も日本人だらけ。ミキがズボンを試着している間にTシャツを見ていると、店員さんが来たので、しゃべってみると、 私と同じ頃にオーストラリアに来たワーホリの人で、ずっとケアンズに居るらしく、「もういやだぁ〜」と言ってて、笑った。
ナイトマーケットを満喫し、 私のバッパーの所まで一緒に帰り、「日曜、仕事が休めれば一緒にスカイダイビングをしよう」と言って、ミキは自転車で去って行った。
今日1日都会にいて、時間に追われ、過ぎて行った。色々な人に会い、流されそうになりながら、過ぎて行った。 チルダーズの時間の流れは緩やかだったと、今頃気付く。こうして街へ出て、色々な人に会うごとに、時間が過ぎるごとに、 チルダーズでの日々や、みんなのこと少しずつ忘れていきそうな気がした。そして、みんなもチルダーズを出たら、 都会に流され、忘れていくのではないか。オーストラリアでさえ、こんな気持ちになるのに、日本に帰ったら一体どうなるのだろう。 みんな変わってしまうのだろうか。チルダーズにいた頃のような関係でいられるのだろうか。あー、都会って恐ろしい。 時間の流れって恐ろしい。
そんなことを考えていると、今日チルダーズを出て、ブリスベンへ到着したアヤカちゃんから 「ブリスベン都会すぎておちつかんー!」とメールが来た。違う場所に居ながら、二人してチルダーズシック。