このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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Cairns -5-14-20,Aug
Shenannigans $100/pw

日曜日、待ちに待ったスカイダイビングの日。結局ミキは仕事で来れず、ひとりで飛ぶことになった。 シドニーにいた頃から、「お金が貯まったら、スカイダイビングやってやる」と夢見ていたことが、ついに実現する。 なぜまた、スカイダイビングなのかと言うと、そういえば、「みんなスキューバダイビングやってるけど、私は泳げへんし、 魚嫌いやし、海が無理なら、空や!スカイダイビングや!」という、わけのわからない理由からであった。 そして、たっかいたっかい空の上から飛び降りるのだから、「きっと人生観が変わるはず!」という、 わけのわからない期待を本気で抱きながら、バッパーまで迎えに来てくれたピックアップバスに乗り込んだ。

ショップは、バスに乗るまでもなく、バッパーのすぐ近くにあった。書類にサインとかしたりしている時に、近くに日本人の女の人がいたので、 緊張と興奮を分かち合おうとしゃべりかけたら、日本人ではなく、日本語もペラペラな、ルビーさんというオージーだった。 これから、飛ぶまでには、待ち時間があるので、時間を潰すため、ルビーさんとフードコートへ行くことにした。 これから、飛ぶというのに、ルビーさんはチップスとかを食べはじめた。飛んでいる時に、胃で消化される前のチップスが 逆流しないのだろうか。私は、恐ろしいのでコーヒーだけを飲む。

適当に時間も過ぎたので、再びショップへ戻る。タバコを吸いながら、ライセンスを取るために通っているという 日本人2人組と話した。不安と期待と興奮と緊張と共に、飛ぶってどんな感じなのかと聞いたりすると、 「パラシュートが開くときに、オエッとなる」ということであった。スカイダイビング体験談を色々聞かせてもらったので、 私はピッキング体験談を色々話しておいた。

インストラクターの兄さんと
2時すぎ、いよいよバスが来た。名前を呼ばれ、服や器具を装着し、片言の日本語をしゃべる兄さんに、飛んでいる時の「エビゾリ」姿勢などの 講義を受け、バスへと連行される。もう1人、外人の女の人も一緒に。 緊張に身をこわばらせながら、10分程でケアンズ空港に到着。ヘリコプターに乗り込み、離陸! 上空から眺めるケアンズの街は小さく、碁盤の目のように整い、周りには、山と綺麗な海が広がる。 そんな風に、ケアンズの景観を眺めることによって、恐怖におののいた心を静めようとしてみたが、静まるわけもなく、 高く高く、上へ上へと飛ぶヘリコプターの中で、マネキンのように固まるばかりであり、後ろにくっついたインストラクターの兄さんに 「ダイジョーブ?」と何度も聞かれる始末であり、ダイジョーブなわけがなかった。

8000フィートで、一緒に乗ってきた外人の女の人が飛ぶ時がきたようだ。ヘリのドアが開く。私は10000フィート(約3000m)なので、 まだだ。よかった。っていうか、ここより高い地点から飛ぶってことは、よくない気もする。 叫ぶ女の人の声も虚しく、インストラクターの合図で飛び降りて行った・・・・。真下を見ると、小さい家々が・・・。どんだけ高いねん、ここ! まじで飛ぶんですか?帰りたいんですけど・・・。下ろしてください。もう嫌やーーー!!と思っているうちに、10000フィートの 地点へ来たらしく、再びヘリのドアが開く・・・。

え!そんなとこに足をかけるんですか!?危ない、危ない、落ちるやん! めっちゃ高いやん!危ないやん!もう、やめようよ!「いややーーーーー!!!!!」と絶叫する、私の美しい声も聞かず、 インストラクターの兄さんは「イキマスヨー!!」と元気に言っている。「ギャーーーーーー!!わーーーー!!いややーーー!!」 と叫び、ドアから手を離したがらない私のことなど、おかまいなしに、インストラクターの兄さんは飛び立った。前にくっついている 私も同時に。

凄い風!!!苦しい!!!早い!顔痛い!!胸の前で腕を組み、インストラクターの合図でバンザイの姿勢へ。 インストラクターの兄さんは、たっのしーぜーとでも言わんばかりに「イェーイ」って親指立ててますけど、こっちは、それどころじゃないねん!!! 景色は、とても綺麗みたいやけど、それどころじゃない!!怖すぎて、意識とは関係なしに涙が頬を伝う。史上最強の恐ろしさ。 遊園地の絶叫マシーンなんて、屁や、屁。ヘリを飛び降りてから、パラシュートが開くまでの間の、この恐ろしいスピードで 落下する時間、およそたったの30秒。一瞬である。パラシュートが開く時、聞いていたように、少しオエッとなる。 油断してはいけない、さらなる恐ろしさは、ここからであった。

今までの高速落下では思考回路も働かず、景色もほぼ見えなかったが、ユラユラと降りていくパラシュートは、何もかもが見えてしまう。 めっちゃ高い位置にいますけど!!!こんなビニールひとつで飛んでるって、アリですか!?!?「ギャーーーー!!!!!ギャーーーー!」 と叫んでいると、インストラクターの兄さんがパラシュートを操作して右へ旋回したりして、体が斜めになってますけど!!!! 殺す気かーーー!!!「もうええっちゅーねん!!!早く下ろせーーーーーーーーー!!!PLEASE DOWN!!(意味不明英語) スケアリーーーー!!!!」と叫びまくり、ヨダレたらしまくり、涙も流しまくり。叫びすぎな私に、インストラクターの兄さんは 「You're crazy!!!キチガイー!!!」と何度も言っている。だまれ!!

叫び続けながら、地面は近付いてくる。先に飛んだ女の人や、インストラクターが下で待っているのが見えるが、 まだまだ小さくしか見えない。容赦なく叫び続け、最後まで叫び続け、なんとか無事に、地面に着陸!!!死なずに済んだ。 助かった。下で待っていたインストラクターが「君は凄い声や。オペラ歌手になれるよ!!」と言って笑った。先に飛んだ 女の人も笑っている。 笑い事じゃないで、あんたら!!!というわけで、インストラクターの兄さんと握手して、無事を喜び、終了。喉痛い。

そういうわけで、人生観が変わることもなく、「もう絶対スカイダイビングなんかやらへんわ!!!」と強く心に誓った。 「空は、眺めるものであって、飛ぶものではない。」という結論を、身を持って導き出した所存です。

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