このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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韓国 12 


ホテルに帰り、ロビーでガイドさんを待つ。帰りのガイドさんは李さんではない。 キムさんというガイドさんが登場。普通の人である。李さんがいかにテンションの高すぎる人であったかを知ることになる。

ミニバスに乗って空港へ向かう。バスの中では李さんのように「男は、こうなのよ〜!」とか 「私は一人で死んで行くのかしら〜」とか「若いうちだけよ〜!」とかそんな事は言うはずもなく、 同じバスに乗っている日本人夫婦からの質問に、ガイドさんらしく答えるだけで余計な事はしゃべらない。 李さんに比べると静かすぎて、「もしかして怒ってるのかな?キムさん・・」と、ちょっと心配してしまうぐらいだった。 しかし、それぐらいが普通なのであって、キムさんは怒ってもいないし、すごく静かな人というわけでもない。 李さんのイメージが強すぎて、私たちの感覚がおかしくなっているだけだ。

ソウルと言えば、キムチよりもカルビよりも足つぼマッサージよりも優しい人々よりも何よりも一番に浮かんでくるのは、李さん。李さんの笑顔。 李さんの口調。李さんのすべて・・・。ソウルで一番に出会うガイドさんの印象がソウルを印象付けると李さんは確かにおっしゃいました。 李さんの言うことは正しかったようです。

空港
そういうわけで、多くの思い出を胸に(ほぼ李さんについて)、空港に到着。やはり空港は綺麗で広い。 カプチーノを飲みながら優雅に出発の時間を待つ。
飛行機は行きよりも広くて、快適。快適な空の旅。ナカちゃんは、飛行機が苦手。私は飛行機を怖いと思わない人。びびるナカちゃんを横目に「えー大丈夫やってー」を連発。 冷たい私。親身になることを学ぶべきかと思われる。私はやはり嫌な奴。そして飛行機は無事関空に到着。

地元の近江八幡駅に到着したのは夜の9時。親が車で迎えに来てくれ、今日(9月17日)、首相が北朝鮮へ行き、拉致問題を認め、生死が判明したというニュースを 聞き、歴史が動いた事に驚く。「えらい時に韓国行ってたなー」と親は言った。本当だ。李さんに翻弄されている間に、ソウルの北で歴史が動いていたのか。

ソウルは、本当に暖かい人たちが多かった。外国へ行ってこんなに嫌な思いをしなかった事は無い。 今まで行った国では、優しい人達にも会えたけど、どこかで必ず冷たさや、よそよそしさを感じた。 嫌な思いをすることも必ずあった。ソウルで出会った人たちは、おせっかいすぎる親切さを持っていた。日本では、ソウルのように困っている外人に対して、親切に 声をかけることは有り得ない。道行く人はみんな無関心な、日本。親切にされて嬉しくない人なんて いないはずなのだから、もっと人に親切にしていこうと思う。でも、もしかして、おせっかい?迷惑?出過ぎた真似?などと考えると なかなか出来ない。ただの言い訳にしか過ぎないけど。

ワールドカップの像?
韓国といえば、歴史上、日本人を嫌っているというイメージしかなかった。韓国へ行ったら卵を投げられると思っていた。しかしワーキングホリデーでオーストラリアに行った時に、 一番日本人である私に対してフレンドリーだったのは韓国の友達だった。イメージとはかけ離れた親しみのこもった態度に驚いた。 英語が必要とされる環境の中で、「似通った文法を持つ韓国人と日本人にとって、英語の文法は全く逆さまだから難しいよねー!」なんて、英語ができない者の言い訳を、よくした。 同じアジア人としての親しみも沸いた。

歴史は昔のこと。今を生きる若者の私たちには関係ない。こうして、仲良くできるのだから。そういうふうに思うこともあった。 しかし、違う。歴史は、私が思うよりも深く、韓国の人にとって、それは昔のこととは言えない出来事で、日本のしてきた事は、私と同じ世代の若者にも 生々しく教育されているという事を知った。ぬるま湯につかったような日本にいたら知り得ることの無い感情。日本への憎しみを持った人々。 それでも、韓国の人は日本人である私たちに優しい。暖かい。

こういうふうに、私が韓国について思う事とか、きっとこういう国で、こういう人達だろうとか、ワールドカップはどうだとか、 そんな事を勝手に偉そうに言ったところで、分かったつもりでいたところで、何にもならない。分かったつもりになって偉そうにしたり、その国の事を知った気になったり、 強気で強がって、こうじゃないといけない!と思ったり、いろんな事を決め付けたり、自分はこうだ!!と決め付けて人と比べて自分を責めたり甘やかしたり、 人を批判したり。そういう事はしないで、まだまだ見ていくものは、学ぶ事は、知る事は、数え切れず有る。 今まで自分の見てきた事、学んだと思った事、知ったと思った事で満足していい気になってはいけないなー。なんて、なんで話がこういう方向にいってるのか分かりませんが。

このソウルへの旅をしたのは、 ワーキングホリデーの充実した1年が終わり、日本でOLとして働きはじめて、半年の頃。 繰り返される日常に、同じ仕事の繰り返しに、派遣社員という立場に、これでいいのかー?と常に思っていた。 また外国へ行こうか?と考えたりした。 「これやから日本社会は嫌やねん」とか「オーストラリアには日本社会にはない大切なものがあった」なんて偉そうに思うこともあった。 オーストラリアにいるときは、日本に帰ってからそういう考え方になることは絶対嫌だと思っていたのにも関わらず。 そういう考え方は、私にとって逃げでしかないから。

日本社会で働き続ける人に「何が楽しいの?」と心で見下すこともありました。 何様?って感じですね。ちょっと、日本を出て、他の暮らし方を、他の生き方を見てきたからと言って偉そうに考えていた。 自分自身は、まだまだしょぼい存在。仕事でミスをしたら、どうやってフォローしたらいいのかも分からない。 上司が仕事で大きなミスをして、テンヤワンヤでも、何がどうなってるか分からず、私には何にもできない。 友達が悩んでいても、気のきいた相談相手にもなれない。意地を張って気持ちもすれ違い。相手が傷つく冷たい言葉も吐く。人の欠点ばかりに目がいく。

私がこれから学んでいくべき事は、吸収すべき事は、広い世界のどこかではなくて、自分の日常の中にいっぱいあるんだと 思った。偉そうな考え方になっている自分に気付いて、「何様やねん!」と自分で自分を突っ込める余裕を持てるようにいたい。 今ある場所で、今の自分の力を成長させていくことが必要。ソウルにいる時にはイマイチ気付かなかったけど、 ソウルで暖かい人達に会って、少し自分の中にも暖かいパワーを得た気がした。ソウルは、ホット!(意味不明なまとめ方!)

THE END



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