このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
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エル・エスコリアル〜〜佐渡金山トロッコ跡
■島は遠い彼方に
日本そのものが島嶼の国だというのに、国内の「島」に渡る機会はなぜか滅多にない。筆者においては礼文島・江ノ島・淡路島・沖縄本島・琵琶島(野尻湖)くらいであり、他の島の陸地を踏んだ記憶は残っていない。
※台場などは埋立地のため除外。
佐渡島に渡るジェットフォイル(平成21(2009)年撮影)
だから、出張で佐渡島に行く機会を得た時には、驚きが先に立った。そして、その道筋の遠さを思っただけで、気が遠くなったことも白状しなければなるまい。なにしろ、乗りこむだけで一日が終わってしまうのだ。翌朝に所用をすませても、帰ってくるまでがまた遠い。それゆえ、事前段階では行程表を見てうんざり、というのが本音だった。
■意図せず出会った遺跡
上越新幹線からフェリーに乗り継ぎ、さらにバスで峠を越え、宿泊先に着いたのはもう夜半であった。夜の闇は深く、周囲の様子がわからない。時間が遅かったがゆえに、入浴してすぐ就寝した。結果としてそれが幸いした。
深く錆びつつあるトロッコ(平成21(2009)年撮影)
酒など呑まずに寝たせいで、翌朝早い時刻にすっきりと目が覚めた。朝食までまだまだ時間がかかる。ぼんやり待っていてもしかたないので、近所に散歩に出てみる。
トロッコと小さなトラス橋(平成21(2009)年撮影)
予習しなかったのは不勉強の極みながら、宿泊先は良い場所に立地していた。佐渡金山から金を選別したのち、船に積み込むための港が近所にあったのだ。予備知識がまったくなくとも、トロッコと埠頭跡(橋脚)の造作から想像はついた。しばし歩いているうち、説明看板があり、情報が補強できた。
トロッコと小トラス橋の背後に埠頭跡の橋脚(平成21(2009)年撮影)
こんな小さなトロッコが、輝く黄金を乗せて駆け回っていた姿を想像するだけで、妙に楽しくなってきた。まるで映画「天空の城ラピュタ」そのものの世界ではないか。
埠頭跡の橋脚を別角度で(平成21(2009)年撮影)
♪ルルルールルールールーー♪ルルルールルルルルールルー♪ルールールールールーー♪
♪ルールーールーールルルーールルールルールールーー♪ルールーールーールルルーールルールルールールーー♪
「君をのせて」のメロディーをつい口ずさんでしまう。ごく短い時間の散歩で終わってしまったが、後味の良い楽しいひとときだった。楽しい場所であるとよくわかったので、今度はじっくり時間をかけて再訪したいものだ。
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執筆備忘録
訪問:平成21(2009)年秋
執筆:平成23(2011)年春
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