このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

空からゴミが降ってくる

  北京の辺りの春は風が強いので、突然大風が吹くことがある。そしてビニールの切れ端が5階の窓の前を舞い上がり、また空から落ちてくる。しかし風がなくてもゴミが空から降ってくことがある。風も無いのに上からゴミが落ちてくるのは、6階の住人が捨てているに違いない。ゴミをある程度は気ままに捨ててもいいようで、汽車の窓からは弁当の発泡スチロール容器を捨てているし、チャーターしたタクシーの運転手もミカンを包んであったビニールを窓から捨てていた。ペットボトルはもっと公然と捨ててもいいらしい。何故かと言うと拾って回収する人がいるからである。落ちているペットボトルを拾って、どこかへ持っていくと、幾ばくかのお金になるらしい。だから気軽にバスの窓からポイと捨てる。ペットボトルは拾われるのでそこいらに転がっていない。私も見習って、五階の窓からペットボトルを放り投げておいたら、確かに翌日にはなくなっていた。ビールの空き瓶も外に置いておいたら、無くなっていた。勿論ビールビンは窓から投げはしなかった。

  この様にペットボトルに付いては、自然発生的な回収システムが出来ていて、環境汚染にならないから良いが、ビニールのひらひらなどは誰も拾はない。鉄道沿線には中国語で「白色汚染」と言われるゴミが捨てられている。遠くにはビニールが枯れ枝にに引っ掛かってヒラヒラしているのが見えた。

  道路にも気軽にゴミを捨てる人がいる。けれど勝手気ままに捨てているわけでもなさそうである。掃除をしてくれる人がいる所に捨てるような気がする。窓の下の広い歩道がある大通りを見ていると、掃除する場所と掃除をしないところがあるようである。ゴミを捨てるところはチャンと掃除をしてくれる所であるらしい。中国の大通りには掃除人が多い。それだからよけいに捨てることになるのかもしれない。私捨てる人、貴方掃除する人と言う訳である。汽車の中でもゴミを盛大に捨てる。それを掃除するのは車掌の役目である。

  しかし今回の旅行では、グリーン車クラスの汽車に乗ったところ、食べ粕のゴミを、車両の両端に在るゴミ箱まで捨てに行く人が多かった。確かに日本より勝手気ままにゴミを捨てる人は多いけれど、次第に中国でもゴミの捨て方も変わっていくのかもしれない。バスの横を通るとき、捨てられるゴミや痰に注意する様に教えてくれる人がいたが、今回の旅行でではその被害に遭ったことはなかった。
でも痰を吐く音はしょっちゅう聞こえてくる。

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