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2004新春 四国・松山湯治の旅(その1)

最終更新日 2004.5.21

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気温21℃!
(JR松山駅前)
2月22日(日)
14:00 松山空港ロビーから一歩外に出ると、真冬の2月とはとても思えない生暖かな風が体を包んだ。
なんだか、冬の石垣空港に着いたみたいだなぁ・・・。

松山を訪れるのは、1990年の「四国一周ソロツーリング」以来、実に14年振り。
今回はバイクではなく飛行機に乗ってやってきた。

実は、2月に北海道へスキーに行く計画を立てていた。
しかし、1月にスキーで足の骨にヒビが入る怪我をしてしまったため断念。
怪我のほうは、ほぼ治ってはいたが、まだ走ったりするのには不安があった。
そこで、温泉でも浸かりながら、ゆっくり保養をしようと、今回の旅が決定した。
メインの温泉は、夏目漱石も入ったという「道後温泉」だ。
出発前、バックに小説「坊っちゃん」の文庫本を忍ばせた。

JR松山駅のじゃこてんうどん
(じゃこてんうどん)
14:10 空港から路線バスに乗り、松山市内へと向かった。

14:30 JR松山駅で下車。
駅前ビルの広告塔に表示されていた気温計は”21℃”となっていた。
春本番の気温だ・・・。

駅前ロータリーの前には、伊予鉄道(通称=いよてつ)の路面電車が走っているのが見えた。
懐かしい〜!とうとう松山にやってきたんだなぁ、と実感した。

昼食はまだだったので、駅構内のそば屋で「じゃこてんうどん」(¥390)を食べた。
”じゃこてん”とは、魚のすり身を揚げた”はんぺん”のようなもので、四国ではポピュラーな食べ物らしい。

「大街道」停車場にて
(いよてつの路面電車)
お腹も膨れたので、とりあえず今夜の宿「松山東急イン」へ向かおう。

14:50 「JR松山駅前」停車場から、いよてつの路面電車に乗った。
一乗車、どこまで乗っても¥150(大人)だった。

路面電車に乗るのは、昨年の夏の広島以来だ。
車両はかなり年期が入っていて、レトロな感じが漂う。
前の席に座れば、運転手さんの運転操作が間近で見れておもしろい。

15:00 「大街道」下車。
松山一の繁華街”大街道(おおかいどう)”の目の前にホテルはあった。

部屋は10階の1003号室。
窓から外を見下ろせば、大街道入口の大看板、「大街道」停車場、三越、ラフォーレが見えた。

しばらくして、大粒の雨が窓のガラスにポツポツとぶつかってきた。
ラッキーだったなぁ。雨に濡れずに済んだ・・・。

大正時代に作られた万翠荘(ばんすいそう)
(萬翠荘)
16:00 小説「坊っちゃん」を読みながらひと息ついたところで、散歩に出掛けた。

ホテルから徒歩5分、裁判所の裏手に萬翠荘(ばんすいそう)という大正時代に作られた洋館があるので行ってみた。
大通りから少し入っただけなのに、そこは木々に囲まれたとても静かな場所だった。

ここは、夏目漱石が明治28年、松山中学の教師として赴任してきた際、下宿していた「愛松亭(あいしょうてい)」があったところでもある。

萬翠荘は、今は県立美術館の分館として使われていた。
ものすごく立派な洋館で、ただため息が出るばかり・・・。

一階の見学は無料。2階の展示室見学は¥100(大人)だった。

萬翠荘のさらに裏手には、夏目漱石が正岡子規と約50日間、共同生活をしていたという「愚陀仏庵(ぐだぶつあん)」という2階建ての和風建築の家が復元されていた。(見学無料)

雨降る中、軒下から庭を眺めながら、当時、漱石と子規が語り合っている姿を想像してみた。

城戸屋旅館(現在はフランス料理店「ビストロきどや」)
(旧「城戸屋旅館」)
16:30 再び大街道に戻る。

松山一の大街道商店街はアーケードになっていて、とても綺麗な商店街だ。
大街道商店街の後は、銀天街(ぎんてんがい)というアーケードが続き、いよてつ松山市駅まで続いている。

大街道と銀天街の真ん中辺り、三番町に「ビストロきどや」というフランス料理店がある。

実は、この建物は元々「城戸屋」という旅館だったそうで、小説「坊っちゃん」に登場する「山城屋」のモデルになったと言われている。
実際、漱石が中学教師として松山に来て初日に泊まったのが、この城戸屋旅館だったそうだ。

ビルの谷間に「きどや」はあった。
当時の部屋の様子は「坊っちゃん」の中に書かれている。
できることなら、泊まってみたかったなぁ。

いよてつ「道後温泉」駅
(道後温泉駅)
しばらく商店街をブラブラしていたら、いよてつ松山市駅にたどり着いた。

松山市内には「JR松山駅」と、「いよてつ松山市駅」がある。
両駅は、距離にして1km弱離れているので、初めての旅行者は注意が必要かも。
自分も最初は、隣同士くっついている駅だと思っていた。
両駅のアクセスは、バスか路面電車が便利。
まあ、徒歩でも15分くらいだが・・・。

そろそろ、一日の汗を流しに道後温泉に行こう。
松山市駅から路面電車で道後温泉に向かった。

18:00 道後温泉駅、到着。
この駅舎も、レトロな雰囲気たっぷりだ。
駅舎の横には昨年復活した「坊っちゃん列車」が・・・。

道後温泉本館
(夜の「道後温泉本館」)
道後温泉商店街のアーケードを抜けると、目の前に懐かしい道後温泉本館が目に飛び込んできた。

3階建ての立派な和風建築で、私の知る限りでは日本一立派な銭湯だと思う。

ここの料金システムがまた、おもしろい。
1階の「神の湯」と2階の「霊(たま)の湯」の2種類の浴室を選んで、それに2、3階にある休憩室とを組み合わせて料金が決まるシステムとなっている。
最低料金の「神の湯」入浴のみなら¥300だ。

今日は「神の湯」入浴のみにしておこう。

築100年の歴史を感じさせる廊下に脱衣場。
脱衣場からさらに”東”と”西”の2つの浴室に分かれていて、どちらに入ってもOK!

湯船の真ん中に”湯釜”という石でできた大きな筒状の湯口がある。
お湯は透明で、肌がつるつるする。

19:00 旅の疲れもすっきりと洗い流したところで、ちょっと一杯、ビールでも飲みたくなった。

ちょうど、道後温泉本館の横に「道後ビール」の店を見つけ、フラッと入った。

20:30 ほろ酔い気分で、ホテルに戻った。
ベッドで文庫本の「坊っちゃん」を読んでいるうちに、眠ってしまった。

(その2)へ続く
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