（ルートＭＡＰ） ＊拡大図はＭＡＰをクリック！	■序章　２００４年９月７日（火） 昼休み、会社の食堂にてテレビの台風情報を食い入るように観ていた。 なぜなら、明日から遅い夏休みを利用して北海道に行くからだ。 しかも今回は、１０年前に買ったＭＴＢ（マウンテンバイク）で走るつもりでいる。 現在来ている大型台風１８号は、沖縄を直撃したあと、九州を自転車並みのゆっくりとしたスピードで北上中。 日本列島をすっぽり包んでしまうくらいの大型で、猛烈な吹き返しの風が特徴とのこと。 沖縄、九州、四国、中国地方と各地で大きな被害をもたらしている。 予報によると、明日の午前中には北海道に上陸するらしい。 ヤバイなぁ・・・。 ちょうど飛行機が旭川空港に到着する時刻と重なっている。 この感じだと飛行機も欠航しそうだなぁ・・・。 （ＭＴＢは輪行して、羽田から旭川まで飛行機でひとっ飛びの計画） 明日の北海道の天気予報は、暴風雨のち曇り！ 仕方がない。出発を一日延期することにした。（こんなことは、初めて！） 夜、ＪＡＬに電話して８日の便をキャンセル。（今回は、台風という事情で全額払い戻しできた） ９日のＪＡＬ便は満席だったため、インターネットでＡＩＲ・ＤＯの羽田〜旭川午前便をなんとか確保した。
（ＪＲ富士駅にて）	■２００４年９月９日（木） 深夜１：００、うっすらとした月明かりの中、ＭＴＢに跨り自宅を出発した。 これから始まる冒険の旅に、胸がワクワクドキドキする。 旅の始まりはいつもそうだ。この感じがたまらない。 １：２０、ＪＲ富士駅到着。 さっそく輪行袋（mont-belｌ製）を広げ、ＭＴＢを分解。 ちなみに”輪行（りんこう）”とは、自転車を袋に入れて、ＪＲや飛行機に持ち込む手段。（と、筆者は理解している） 前輪、後輪、リアキャリア、フロントバック、ライト、サイクルメーターを外し、フレームとタイヤをテンションバンドで固定。輪行袋のチャックを閉めて、約２０分で輪行セット完了！ なかなかのタイムである。 家で練習した成果が出たようだ。満足！ 駅の階段をＭＴＢを肩に背負って上る。けっこう大変だ〜！！ 早くも汗がにじむ。旅は始まったばかりだが大丈夫かぁ。 ２：３５、大垣発東京行き、夜行快速「ムーンライトながら」号に乗り込む。 平日だがほぼ満席。 デッキには席に座れなかったと思われる先客がいた。 大きな体格の外人男性が２人。 ”ムーンライトながら”は熱海駅までは全席指定なので、本当は指定券がないと乗れないのだが、平日はＪＲも大目にみてくれるらしい。 自転車を置くスペースに困っていたら、外人さんがスペースを空けてくれた。サンキュ〜！ 今回、私の指定席は”セミコンパートメント”という机を挟んで２人ずつ向かい合って座る、例えるなら４人グループがトランプゲームをするのにちょうど良いシートだ。 といっても今夜の４人はどうやら他人同士らしい。 お隣は、京都の旅からの帰りだというご婦人。途中まで眠っていたが小田原駅付近で目が覚め、「小田原はもう過ぎましたか？」と声を掛けられた。 それから一緒に下車した品川駅まで、旅の話で盛り上がった。
（ＡＩＲ・ＤＯ３１便）	４：３５、品川駅下車。 お互いに「さようなら。良い旅を！」と言ってご婦人と別れた。 未明の品川駅は人もまばら。 階段で酔っ払いのサラリーマンが寝ているいつもの（？）風景。 品川からは京浜急行の始発に乗り換え、京急蒲田駅経由で羽田空港に。 ５：３０、羽田空港到着。 早朝にも関わらず出発ロビーは意外に混んでいた。 きっと昨日の台風１８号で欠航が出た影響だろう。 出発の時間までは、まだ５時間近くある。 自転車とザックが重いので、さっさと手荷物検査、搭乗手続きを済ませ、チェックイン。 搭乗カウンターの椅子に座ってテレビのニュースを見ていた。 昨日、北海道に再上陸した台風１８号はオホーツク海に抜け、やっと熱帯低気圧になったようだ。 気になる北海道は・・・。 最大瞬間風速５０メートルを記録した札幌では、トラックが横転し、ＪＲも国道も一時マヒ。 北大の有名なポプラ並木も倒れてしまったと伝えていた。（ショック！！） 過去に例のない、もの凄い台風だったようだ。 １０：３０、出発予定時刻より２０分遅れで、ＡＩＲ・ＤＯ３１便は”北の大地”へ向け、飛び立った。 （その２）へ続く