このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
>>現地見学メモ(仙台・新潟地区)<<
以下の文章は、私(当ページ管理人)が2005年11月に現地を見て気がついたこと・感じたことなどをまとめたものです。
☆ATS-PSとは?
ATS-PSとは、ATS-S等(JRの旧型自動列車停止装置;以下"ATS-SX"とする)を、JR東日本が改良したものです。
具体的な機能については、
こちらの資料
を参照願います。
(簡単に言うと、「ATS-SXに、ATS-P(新型自動列車停止装置)に準じた機能(パターン機能)を追加したもの」です。地上子の外形もATS-SXと同じです)
ATS-PSはATS-SXと互換性があり(ATS-Pとは互換性がありませんが…)、また、ATS-Pに近い安全性を持ちつつ、ATS-Pよりも比較的低コストで導入できます。
(ちなみに"PS"とは恐らく、「パターン機能を付加したATS-S」程度の意味ではないかと思われます)
(←ATS-PS速度モニタ)
なお、ATS-PS車上装置を設置した車両には、運転台に速度モニタが設置してあり、いま実際に出ている速度(緑)と、ATSにより計算された制限速度(黄)が、棒状のLED群により同時表示されています。
制限速度を超過すると非常ブレーキが自動的にかかって列車は停止してしまうため、運転士は停止信号手前で速度モニタをチラリチラリと見ながらブレーキをかけていました。
ちなみに、ATS-PSの地上子が設置されていない(従来のATS-SXの地上子しかない)区間では、当該車両の最高許容速度(多くは100〜120km/h)が制限速度として表示されています。
☆導入区間
ATS-PSは前述の通り、ATS-Pよりも低コストで導入できるため、首都圏以外の地域(運転本数の比較的多い区間や、線形の複雑な駅)で導入が進められています。
現在は仙台・新潟地区のみに導入されていますが、今後は東北・信越地区の主な駅構内にも導入される予定です。
☆ATS-PSの設置形態
ATS-PSは現在のところ、絶対信号(ポイントのある駅構内の信号。場内信号・出発信号など)のみに対して設置されており、閉塞信号(ポイントのない区間の信号)に対しては設置されていません。
閉塞信号に対しては、ATS-SXのロング地上子(停止信号の警報を発する地上子)のみが設置されています。(国鉄時代と変化なし)
仙台・新潟地区は首都圏に比べて列車密度が低く(最高でも約5分間隔)、追突事故のリスクも低いため、このような設置形態となっているものと思われます。
私も、基本的には上記の設置形態で大きな問題はないものと考えていますが、やや問題ありと考える区間が1つあります。
それは、仙石線あおば通〜苦竹です。(同区間は地下になっており、しかも見通しの悪い急カーブがいくつかあります)
地下区間というと、総武・横須賀線の地下区間(錦糸町〜品川)では国鉄時代から、閉塞信号を含めてATC(自動列車制御装置)を設置し、前後の地上区間(ATS-S;当時は絶対信号を含めてロング地上子のみ)よりも高度な安全性を確保していたという経緯があります。(ちなみに現在では、同区間付近は地下・地上とも、閉塞信号を含めて全面的にATS-Pが設置されています)
総武・横須賀線の事例を勘案すると、同じく都市部の地下区間である仙石線あおば通〜苦竹には、閉塞信号を含めて全面的にATS-PSを設置した方が良いのではないか?…と、私は考えます。
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