このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
>> JRのATSについて
Last update 27 / Jan / '06
JRのATSのうち、現在使われているものは、「S形」と「P形」の2種類に大別できます。
(過去にはこれ以外の形式もありました。詳しくは
国鉄・JRのATSの歴史
を参照下さい。)
☆ S形
(詳しい資料はこちらをクリック)
マスコミ報道などで「旧型ATS」と呼ばれているタイプです。
停止信号が近づくと運転台上で警報を発する(確認しないと非常ブレーキをかける)「警報機能」、停止信号直下で非常ブレーキをかける「即時停止機能」、速度超過時に非常ブレーキをかける「速度照査機能」などがあります。
(速度照査機能を一歩進めた「パターン機能」を持つものもあり、これは「PS形」と呼ばれています。)
必要となる信号情報は、線路上(進行方向左寄)に設置された地上子から、アナログ信号の形で送信されます。
S形は国鉄時代から使用されていましたが、当時は警報機能しかなく、警報確認後にブレーキ操作を誤って事故に至るケースがしばしばありました。
そこでJR移行後、各社ごとに改良を重ねて即時停止機能や速度照査機能を追加し、現在に至っています。
(改良形は会社・区間ごとに仕様がやや異なり、それぞれ別の形式名がついていますが、概ね互換性があります。また、これらを総称して「SX形」と呼ぶこともあります。)
比較的安価に設置できるため、現在でもJRの大多数の区間で使用されています。
S形の機能をフル活用すると比較的高度な安全性を確保できますが、効率性の面で問題が生じるためか、機能をフル活用している区間は極めて少ないのが現状です。
(地上子の設置イメージ図はこちらをクリック)
☆ P形
(詳しい資料はこちらをクリック)
マスコミ報道などで「新型ATS」と呼ばれているタイプです。
停止信号までに安全に停止できる速度を計算する(現在速度と比較し、速度超過の場合はブレーキをかける)「パターン機能」の他、列車運行効率を向上させるための付属機能があります。
必要となる信号情報は、線路上(中央)に設置された地上子から、デジタル信号の形で送受信されます。
P形は国鉄時代末期に開発され、JR移行後に本格的に実用化されました。現在は東日本・西日本・貨物で導入されています。
(会社・区間ごとに仕様がやや異なり、それぞれ別の形式名がついていますが、概ね互換性があります。通常はこれらを総称して「P形」と呼びます。)
設置費用は比較的割高ですが、安全性と効率性の両立が比較的容易なため、首都圏・近畿圏を中心に導入されています。
ちなみに近畿圏では、「拠点P」(主な信号にのみP形を設置し、全ての信号に設置してあるS形と組み合わせて使用する方式)を導入している区間があります。
また首都圏・近畿圏とも、全ての信号にP形を設置している区間であっても、殆どの区間にはS形が併設されています。(S形のみを搭載している列車に対応する必要があるため。)
(↑)
ATSの地上子(P形とS形の違い)
(↑)
ATS車上装置の搭載種類表示
(車両外壁の運転台付近に表示)
(↑)
S形地上子の新旧タイプ(製造時期の古い順に左から右へ)
>>資料等<<
☆ 国鉄・JRのATSの歴史
☆ ATS-Sについて
☆ ATS-Pについて
☆ ATS-SX 地上子設置イメージ図
☆ 現地見学メモ(中京・近畿地区) (→主に、ATS-SXや拠点Pについて)
☆ 現地見学メモ(仙台・新潟地区) (→主に、ATS-PSについて)
☆ ATS関連記事一覧 (当ページ付属ブログの記事)
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