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飛び地の運営実態
 
 
アメリカ統治期の琉球列島
(〜72年)
イギリス統治期の香港
(〜97年)
ポルトガル統治期のマカオ
(〜99年)
香港政庁接収前の九龍城砦
(〜87年)
面積2388平方km1095平方km17平方km0・03平方km
地理沖縄本島ほかたくさんの離島中国大陸の一部(九龍、新界)と香港島、およびたくさんの離島中国大陸の一部(マカオ半島)と2つの島中国大陸の一部でイギリス領内(香港)の一角
人口94万5000人(70年)
他に米軍とその家族が約6万人
630万人(97年)41万人(94年)3万5000人(87年)
70年代の最盛期には5万人
住民大部分が琉球人(沖縄に本籍を持ち常住する日本国籍の者)。他に日本本土籍者(大部分が奄美諸島出身)が約3万人、台湾人やフィリピン人が数千人95%以上が中国人。他にフィリピン人が2%、イギリス人、インドネシア人、タイ人が各0・4%、日本人とインド人が各0・3%95%以上が中国人。ポルトガル人は1000人、他にポルトガル、インド、マレー、中国と戦国時代の日本人キリシタンの混血「マカニーズ」が約1万人ほぼすべてが中国人
言語公用語は英語と日本語。住民の大部分は日本語の琉球方言と標準語を話す公用語は英語と中国語。住民の大部分は中国語の方言を話し、広東語は95・2%、標準語(北京語)は25・3%、潮州語は5・0%、客家語は4・9%が話す。英語を話せるのは38・1%公用語はポルトガル語。中国人とマカニーズの大部分は広東語を話し、広東語を第一言語とする住民が88・4%、福建語が4・1%、ポルトガル語は1・88%公用語はない。住民の大部分は中国語の方言を話す。広東語、潮州語、福建語や標準語(北京語)など
呼称アメリカ本国は「アメリカ」「米国」「合衆国」、日本本土は「ヤマト」「本土」「内地」だが政治的ニュアンスを含んで「祖国」とも。「国語」「共通語」は日本語の標準語、「国産」は日本製品で、地元製品は「島産」イギリス本国は「英国」、中国本土は「大陸」「国内」「内地」だが政治的ニュアンスを含んで「祖国」「中共」とも。「国語」は北京語、「国産」は中国製品だが、「国軍」は台湾jの軍隊。中国の軍隊は「解放軍」ポルトガル本国は「葡萄牙」、中国本土は「大陸」「国内」「内地」だが政治的ニュアンスを含んで「祖国」「中共」とも。「国語」は北京語、「国産」は中国製品だが、「国軍」は台湾jの軍隊。中国の軍隊は「解放軍」香港は「香港」「本地」、中国本土は「大陸」「国内」「内地」だが政治的ニュアンスを含んで「祖国」「中共」とも。「国語」は北京語、「国産」は中国製品だが、「国軍」は台湾jの軍隊。中国の軍隊は「解放軍」
政府アメリカによる米国民政府と琉球人による琉球政府の2本立て。トップはアメリカから派遣された軍人の高等弁務官。琉球政府の下に地方自治体として市町村香港政庁。トップはイギリスから派遣された総督。地方自治体は存在しないマカオ政庁。トップはポルトガルから派遣された総督。地方自治体として2つの市政庁がある存在しない。街坊福利会(町内会)は存在。実質的な社会サービスは香港政庁が提供し、住民も香港政庁へ納税
議会琉球政府立法院と市町村議会立法評議会と市政評議会、区議会立法会(76年設置)と市政議会存在しない
参政権琉球−あり
米国−なし
日本−なし
香港−80年代以降あり
英国−なし
中国−なし
マカオ−葡国籍にはあり。中国籍は80年代以降
ポルトガル−葡国籍の住民にはあり
中国−なし
九龍城砦−存在せず
中国−なし
香港−80年代以降あり
法律戦前の日本の法律が基本だが、アメリカ大統領や米国民政府の布告や琉球政府立法院による民立法が優先。日本法と英米法を折衷した集成刑法も存在英国の法律が基本だが、香港の立法評議会で制定した条例が優先。それらが規定していないものは清朝時代の中国の法律を適用。ほかに英米法各国の判例も有効19世紀に制定されたポルトガル五大法典と、マカオ立法会が制定した法令中国の法律が適用されるはずだが執行できず
裁判アメリカ本国の司法制度とは独立。最終審はアメリカ人裁判官による米国民政府高等裁判所と、琉球人裁判官による琉球高等裁判所の2本立てイギリス本国の司法制度と一体。最終審はロンドンの英国枢密院。イギリス人や英連邦出身の外国人裁判官も多いポルトガル本国の司法制度と一体。マカオには1審しかなく、上訴審や最終審はポルトガル本国へ。法律はポルトガル語だけなので裁判官は全員がポルトガル人かマカニーズ裁判所は存在しない。民事訴訟などでは香港の裁判所を利用
弁護士琉球政府の司法試験に合格すること。もしくは「実務経験2年以上」でも開業可なので、アメリカや日本の弁護士も2年以上経験があれば開業できる英米法を施行している国の司法試験に合格すること。中国の弁護士資格は無効ポルトガルの司法試験に合格すること。中国の弁護士資格は無効。マカオ大学に法学部が設置されたのは88年から香港の弁護士を利用
軍隊米軍が駐屯英軍が駐屯。イギリス人部隊のほか、香港住民の義勇軍や、ネパール人のグルカ兵、インド人のシーク教徒兵などの傭兵もポルトガル軍は70年代に撤退存在しない
警察琉球政府の一機関である琉球警察。ほかに米軍の犯罪調査科(CID)香港政庁の一機関である香港警察マカオ政庁管轄下の治安警察と司法警察存在しない。住民による自警団あり
住民登録琉球政府管轄下の市町村役所で行う香港政庁の人民入境事務処で行うマカオ政庁で行う街坊福利会の参加は任意。住民は「自主的に」香港政庁へ登録を行う
国籍日本の潜在主権の下で日本国籍。アメリカ国籍は持てない香港で生まれた住民は英国(海外)籍。それ以外は中国籍(事実上は無国籍)マカオで生まれた住民は葡国籍。それ以外は中国籍(事実上は無国籍)香港で生まれ香港政庁に登録した住民は英国(海外)籍。それ以外は中国籍(事実上は無国籍)
旅券正式なパスポートは取得できず、かわりに米国民政府発行の渡航証明証(CI)英国(海外)籍の住民は英国(海外)パスポート。中国籍の住民は正式なパスポートは取得できず、香港政庁発行の渡航証明証(CI)葡国籍の住民はポルトガルのパスポート。中国籍の住民は正式なパスポートは取得できず、マカオ政庁発行の渡航証明証(CI)英国(海外)籍の住民は英国(海外)パスポート。中国籍の住民は正式なパスポートは取得できず、香港政庁発行の渡航証明証(CI)
国境管理離島なので地上の国境線はない。琉球警察の沿岸警備隊が巡回軍と警察が警備。国境線から香港側1kmは立入禁止区域だが、中国本土からの密入境者も多い。密入境者への居住権付与は80年から停止警察が警備しているが、マカオの中心街と珠海(中国本土)の中心街が隣接しているため、密入境者がとても多い。数年ごとに「特赦」を行い、密入境者にも居住権を与える行っていない
税関港と空港のみ港、空港のほか、中国本土との間に鉄道用1ヵ所、自動車用3ヵ所。うち1ヵ所は貨物のみ24時間開放港、空港のほか、中国本土との間に道路1ヵ所香港との間は24時間どこからでも通行可
出入境琉球住民の日本本土への渡航:年間のべ9万3000人
日本国民の琉球への渡航:年間のべ6万6000人
(66年)
香港住民の中国本土への渡航:年間のべ6500万人
中国国民の香港への渡航:年間のべ230万人
(96年)
マカオ住民の中国本土への渡航:年間のべ400万人
中国国民のマカオへの渡航:年間のべ60万人
(96年)
統計なし。九龍城砦のほぼ全ての住民が通勤・通学・買い物などで毎日香港との間を何回も往復する
渡航手続琉球→日本は渡航証明書と米国民政府の許可が必要。日本→琉球はパスポートと米国民政府の許可が必要。琉球→米国は渡航証明書とアメリカ移民局のビザが必要、米国→琉球はパスポートが必要香港→中国は香港政庁発行の身分証(IDカード)と中国政府系旅行社発行の回郷証、中国→香港は中国政府発行の通行証が必要。香港→英国と英国→香港はパスポートが必要マカオ→中国はマカオ政庁発行の身分証(IDカード)と中国政府系旅行社発行の回郷証、中国→マカオは中国政府発行の通行証が必要。マカオ→ポルトガルとポルトガル→マカオはパスポートが必要手続き等は一切不要。ただし香港で外出する際には香港政庁発行のIDカードが必要(これは香港住民も同じ)
移住琉球→日本は自由、日本→琉球は高等弁務官の許可が必要。琉球→米国はアメリカ移民局の許可が必要、米国→琉球は自由香港→中国は自由、中国→香港は中国政府の許可が必要。香港→英国は英国政府の許可が必要、英国→香港は自由マカオ→中国は自由、中国→マカオは中国政府の許可が必要。マカオ→ポルトガルは葡国籍の住民は自由、ポルトガル→マカオは自由香港との間の移住は完全に自由。香港の警官など公務員も少なからず城砦内部に居住
貿易輸出:米国は6%、日本が85%
輸入:米国は9%、日本が75%
(70年)
輸出:英国が5・0%、中国は29・0%
輸入:英国が2・2%、中国は37・1%
(96年)
輸出先のうち葡国が0・5%、中国は6・7%
輸入元のうち葡国が0・9%、中国は21・3%
(85年)
統計なし。ただし水以外はほとんど全てを香港に依存
財政琉球政府の財政は米国政府から独立。ただし一般歳入のうち、20%は日本政府からの援助、15%は米国政府からの援助で、自主財源は65%(70年)香港政庁の財政は英国政府から独立。歳入はすべて自主財源で賄うマカオ政庁の財政はポルトガル政府から独立。歳入のうち約50%はカジノ税で、すべて自主財源で賄う存在しない
中央銀行米軍が設立した琉球銀行が中央銀行に準じた存在英国資本の香港上海銀行が中央銀行に準じた存在ポルトガル国有の大西洋銀行が中央銀行に準じた存在存在しない
通貨58年までは米軍の軍票(B円)を使用。58年以降は米ドルを使用し、為替管理は撤廃香港ドル。紙幣は香港上海銀行とチャーダード銀行(英国資本)が発行し、硬貨は香港政庁が発行。為替管理なし。マカオ・パタカ。紙幣は大西洋銀行が発行し、硬貨はマカオ政庁が発行。しかし市中では香港ドルが流通し、預金は香港ドル建てが主流。為替管理なし法定通貨は存在しない。香港ドルが流通。為替管理なし
証券証券取引所はない。株式は店頭売買証券取引所が存在する証券取引所は存在しない。主要企業は香港で上場証券取引所は存在しない
デパート那覇にリウボウ、山形屋、大越。コザにいくつかの米系デパート大丸、松坂屋、伊勢丹、三越、東急、そごう、ジャスコ、ユニー、ヤオハン、西武など日系のほか、地元系、中国系、英系デパートが多数ヤオハン存在しない
空港主な島に空港あり。軍用も多数啓徳空港のほか、軍用の石崗空港95年にマカオ空港が開港目の前に啓徳空港があるが、城砦内には存在しない
航空琉球→アメリカ本国へは週数便。国際線は日米や外国の航空会社が運航。島内線は琉球航空(地元資本)が運航していたが、64年からエア・アメリカ(米国資本)香港→英国は毎日数便。地元航空会社として英国資本のキャセイ航空があるマカオ→ポルトガルは週1便。地元航空会社として中国とポルトガル合弁のマカオ航空がある存在しない
海運地元資本の海運会社が那覇〜日本本土、台湾、フィリピンなどに就航地元資本や中国資本のフェリー会社が香港〜中国本土、マカオなどに就航。世界各国の客船も寄港中国資本のフェリー会社がマカオ〜中国本土に、地元資本の海運会社がマカオ〜台湾間に就航。香港へのフェリーは24時間運航。ポルトガルへの客船は60年代以降中断存在しない
鉄道南大東島にサトウキビ運搬用の鉄道があるだけ地下鉄と九広鉄道(九龍〜国境)、軽便(LRT)は公営。路面電車とケーブルカーは民営。九広鉄道は中国本土との直通列車も運行存在しない存在しない
バス地元資本のバス会社が多数地元資本のバス会社が4社、うち2社は中国本土でも運行。香港〜中国本土の直通バスは約20社が運行し、中国の公営バスも運行地元資本のバス会社が2社、うち1社は中国本土でも運行。中国資本のバス会社がマカオ〜中国本土の直通バスを運行存在しない
車両アメリカ本国と同じ右側通行イギリス本国と同じ左側通行。香港の右ハンドル車は中国本土でも登録すれば運転できるが、中国本土の左ハンドル車は香港に乗り入れできない香港と同じ左側通行。二重登録を行えば中国本土の車もマカオで運転可自動車が通行できる道はない
電気公営の琉球電力公社が発電し、民営の配電会社(7社)が供給地元資本の香港電灯と英国資本の中華電力が供給84年に民営化し、半官半民のマカオ電力が供給香港の中華電力が供給
ガス地元資本の沖縄瓦斯が供給地元資本の中華ガスが供給都市ガスは存在しない。プロパンガスを使用都市ガスは存在しない。プロパンガスを使用
水道琉球水道公社と市町村が供給香港政庁が供給。水道水の80%以上は中国本土から輸入85年に外国資本を導入し、香港とフランス資本の合弁会社が供給。水道水の80%以上は中国本土から輸入個人経営の水道屋が地下水を汲み上げて供給
下水道市町村が運営香港政庁が運営存在しない。汚水は排水溝を通って海へ放流存在しない。汚水は排水溝を通って香港の下水道に流入
電話公営の琉球電電公社が運営英国資本の香港テレコムが運営81年に民営化し、英国資本のマカオテレコムが運営英国資本の香港テレコムが運営
郵便琉球政府の郵政庁が運営。万国郵便連合に加盟し、琉球切手を発行香港政庁の郵政署が運営。万国郵便連合に加盟し、香港切手を発行マカオ政庁の郵政署が運営。万国郵便連合に加盟し、マカオ切手を発行城砦内に郵便局は存在しない。配達は香港の郵政署が行う
テレビ民放の琉球放送(TBS系)とテレビ沖縄(フジテレビ系)、公営のOHK(沖縄放送協会−NHKの専門局)の日本語チャンネル。本土製作番組の比率は95・1%。他に米軍空軍放送の英語チャンネル民放のATVとTVBがあり、それぞれ広東語と英語の2チャンネルずつを放送。90年代に入って衛星放送やケーブルTVが開局。中国本土のテレビ放送は方式が異なり受信できないが、ケーブルTVで中継半官半民のマカオテレビが84年に開局し、広東語とポルトガル語の2チャンネルを放h送しているが、住民の85%は香港のテレビ放送を視聴。中国本土のテレビ放送は方式が異なり受信できないが、ケーブルTVで中継テレビ局は存在しない。住民は香港のテレビ放送を視聴
ラジオ民放の琉球放送(日本語1波、英語1波)とラジオ沖縄(日本語1波)、公営のOHK(日本語2波)のほか宗教放送の極東放送(日本語1波、英語1波、中国語1波)、米軍空軍放送(英語3波)。アメリカの国策宣伝放送のVOA(各国語11波)や謀略放送局もあり公営のRTHK(広東語4波、英語2波、混合1波)と民放の商業電台(広東語2波、英語1波)、新城電台(広東語2波、英語1波)、英軍放送(英語1波、ネパール語1波)。中国本土の放送は中心部では受信困難半官半民のマカオラジオ(広東語とポルトガル語の2波)と地元資本の緑邨電台(広東語)があるが、聴取率では約50%が香港のラジオ放送。中国本土の放送も受信可ラジオ局は存在しない。住民は香港のラジオ放送を聴取。中国本土の放送は受信困難
新聞日本語紙は地元資本の琉球新報と沖縄タイムス。英字紙は米国資本のモーニング・スター。日本本土の新聞も購読可地元資本や中国資本の中国語紙や英字紙が多数。中国本土の新聞は『人民日報海外版』を除いて中国政府が輸出を禁止主要な中国語紙は中国資本と地元資本が各1紙。他に地元資本のポルトガル紙が複数。中国本土の新聞は『人民日報海外版』を除いて中国政府が輸出を禁止街坊福利会の機関紙(無料)のみ。住民は香港の新聞を購読
教育公立校が中心。中3まで義務教育。日本語で授業を行う。日本やアメリカと同じ633制。琉球政府の教育基本法には「日本国民としての教育」を行うと明記私立校が中心。義務教育は80年から。英語校と中国語(広東語)校があり、入学者は9:1の割合。90年代に入って英国式の652制で統一私立校が中心。義務教育はない。ポルトガル語校と英語校、中国語(広東語)校がある。ポルトガル式の651制度、英国式の652制、中国・台湾式の633制が混在小学校と幼稚園が存在し、香港政庁の教育署が管轄。住民の大部分は香港の小中学校へ通学
大学公立の琉球大学のほか、私立の沖縄大学と国際大学。大学進学者のうち、約半数は日本本土の大学へ入学国立の香港大学と私立の中文大学だけだったが、90年代に入って6大学に増加81年に私立の東亜大学が開校し、88年にポルトガル系財団が買収してマカオ大学に。大学進学者のうち台湾が20%、中国本土が12%、ポルトガルが8%など半数は海外へ留学大学は存在しない。大学進学者は主に香港の大学へ
医師医師養成ができる大学医学部はない。日本やアメリカの医師免許で開業可。医師不足のため衛生兵経験者などを医介輔として認定香港大学と中文大学に医学部がある。英連邦の医師免許で開業可。中国本土の医師免許は無効医師養成ができる大学医学部はない。ポルトガルか中国本土の医師免許で開業可医師免許がなくても開業可。無免許医が多数

飛び地消滅時の変化

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