このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
波照間島に滞在した時、宿で自転車を借りて、サイクリングがてら、空港に行ってみようと思いつきました。一日一便、セスナに毛の生えたような、DHC-6という19人乗りのかわいらしい飛行機が石垣空港との間を往復していて、その離発着がこの静かな島でいちばんドラマチック(?)なイベントなのです。
ところが、驚いたことに、島のどこにも、空港への道を示す標識がない。小さな島なんだから迷いようがなさそうなのに、ガイドブックの簡単な地図から見当をつけて走ると、なぜか砂糖キビ畑の真ん中で道が分からなくなってしまい、途方にくれること数度。島の人に道を尋ね、最終的には降りてくる飛行機のあとを追いかけるようにして、やっとの思いで空港にたどりつきました。空港の建物も本当に小さくて、田舎町のバスターミナル、といった風情。羽田空港のビックバードとは、めまいがするほど落差がありました。
考えてみたら、島の人はみんな道を知ってるし、一般の観光客は島の人の車で連れてきてもらうんだから、標識など必要ないんですね。ほとんど目からウロコ、という体験でした。
最近では、集落のあちこちに地図が表示されています。前よりは道もわかりやすくなりました。* * * * *
波照間島にはたった一軒だけのスナック「サンゴ礁」があります。ここではあの幻の泡盛「泡波」を心ゆくまで味わうことができます。沖縄民謡のカラオケもそろってるし、閉店時間は夜中の3時で、もちろん終電の心配もなく、とことん呑みあかせます。ただし、宿への帰り道は忘れないことと、都会と違って夜道は暗いから、懐中電灯持参で行ったほうがいい(ちなみに、波照間島にはハブはいません)。わたしは隣の「みのる荘」に泊まったので、その心配もなく、夜中に忍び足で部屋に帰りました。
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「サンゴ礁」ではいくらでも「泡波」が呑める。でも、「そのビン譲って下さい」と頼んでも、これは駄目。
「え〜なんでー、ひと瓶分お金払うからいいじゃん」と思うかもしれないけど、これにはちゃんと理由があります。ひとりに売ってしまったら収拾がつかなくなる、ということもあるけど、もうひとつ大事な理由がある。
「泡波」を島の人が買った場合、その空瓶は再び「泡波」の蔵元へ戻ります。「泡波」が島内で消費されている限り、瓶のリサイクル体制は完璧に保たれており、誰かがうっかり割ったりしない限り、瓶の数は減りません。
ところが島の外から来た人が「泡波」を買えば、その瓶は二度と波照間島に戻ってきません。やがては瓶が足りなくなり、島の外から仕入れなければならなくなる。波照間のような離島の場合、それは都会の人間が考える以上にお金と手間のかかることなのです。単純に考えて、たとえば自ら石垣島に出かけて仕入れて来るとします。往復の船賃が約6000円かかるのだから、10本抱えてきたとしても1本600円が瓶代に上乗せされるというわけ。そりゃあもちろん、実際はいろいろ工夫してなんとか安くあげているのだろうけど、瓶1本島に運ぶのも、人件費や交通費を考えたら大変なんですよ。
だから、「ない」とか「だめ」とか言われても、怒ったり、しつこく食い下がったりするのはやめましょうね。島の人でさえ、自分の集落の売店以外で買うのは遠慮しているくらいなんですから。
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さて、この「サンゴ礁」、残念ながら諸般の事情により店じまいしてしまいました。現在確実に「泡波」が呑めるのは名物民宿「たましろ」と港の待合室の軽食コーナー「イノー食堂」だけのようです。
しかし、それにかわって、新しいスポットができました。喫茶店「パナヌファ」です。
場所は、たましろ荘を出て右に行き突き当たりを左に行くと「モンパの木」の看板があるので、そこを右に行ったところにあります。
簡単に言えばたましろ荘から、モンパの木の間にあります。
ちなみに、営業時間はPM 12:00〜PM 19:00です。
お昼のメニューは、カレーと日替わり定食だけです。
19:00以降も予約しておけば、お店を開いてくれます。
お店の内装はコンクリート打ちっぱなしで、木のテーブルと椅子があり、とても落ち着いた雰囲気で良かったです。
レポートおよび写真提供は横浜の永瀬さんでした。ありがとうございます。
それから、言うまでもありませんが、19:00以降にお店に行く人は、懐中電灯の用意を忘れないように(笑)。
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