このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

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風使いの館 リレー小説過去ログ


第41話  がんばれウーフェイ君 投稿者: 風使いのフォウ  投稿日: 3月 2日(金)21時47分45秒

一方こちらは、サイド7.5。
ジュドーは呆然としてマザーバンガードへと帰還した。
他のMSも、次々と戻っていく中一体だけカタパルトで
立ち往生しているMSがあった。
「どうした、ナタク。なぜ動かない。」
ウーフェイのナタクが、ギギギッと嫌な音を立てて
カタパルトに止まっていた。
「どうしたんだ、ウーフェイ。せっかくナタクが戻ってきたのに。」
「知るか。ナタクが動かんのだ」
それを聞いた、デュオが不思議な顔をしてナタクを見上げていた。
その横を、ジュドーが呆然と歩いていく・・・。

ここは、ロンド・ベルの旗艦 ラーカイラムのMSの格納庫。
イーノとモンドが難しそうな顔でパーツの残骸を見ている。
「なぁ、やっぱりまずかったんじゃ・・・。」
「うーん。」
そこに、一人の少年が現れた。
「どうしたんだい。」
少年の名はカトル=ラバーバ=ウィナー。
ウィナー家の跡取りでありガンダムサンドロックのパイロットでもある。
実は、カトルはウィナー家の代表として、月のディアナカウンターと
手を結ぼうと、ロンド・ベルと同行しているのである。
「ナタクはウーフェイに返したんだろ。ウーフェイはすぐ怒るから
 返したほうがいいよ。」
「うん・・・。返したんだけど・・・。実は、ナタクを興味本位で
 一回バラしたんだ。そしたら、パーツがうまく入らなくて・・・。
 しかたなく、ザクのパーツをナタクに入れたんだ・・・。」
「え゛っ。」
カトルの顔色が変わった。
こんなメンバーをのせてロンド・ベルは月に向かう。

「うおーーーーーっ。ナタク、どうして動かないんだ。」


第42話 高速戦闘の刹那 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月 2日(金)23時20分52秒

シャアが、ガトーと激闘を展開していた丁度その頃、
別の宙域では、ララァがファンネルを巧みに操って、リックドムⅡの部隊をものの
3分と掛からずに殲滅していた。
あの、頭に(ラ・ラ・・)と聴こえたかと思った刹那、友軍は全滅していた
という、アレの再現である。

「残ったのは俺と・・ガトーだけか」
現状を垣間見ながら、コクピットでケリーがうめく様に呟く。
「どうするよ、ケリー!あんたらの負けだ!」
ここまで、ケリーが操るビグロの機動性と火力に翻弄され続けた割に
云う事だけは・・・という風情のジョニーである。

「貴様位は倒して帰らんとな!」
そう云うと、ケリーはビグロを操って、ジョニーが操るガルバルディβを再び翻弄しだす。
「くっそおっ!なんてスピードだ!捕捉すらできねぇ」
高速で一撃離脱し再び折り返す戦法で、成す術なく翻弄され続けるジョニー。
ビームとクローが交互にガルバルディβの五体を襲う。
「トドメだ!!」
間隙を突き、襲い来るビグロのクローが、ガルバルディβの胴体を鷲掴みにした。
ビグロの機動力は、かのRX−78−2ガンダムを、クローで引っ掛けたまま引き摺り回した挙句、
パイロット、アムロ・レイを失神させた程、強烈なGを発生させる。
今、殆ど同じ状況に立たされたジョニーではあったが、失神に迄は至っていなかった。

「真紅の稲妻ともあろう者が、この程度なのか!フンっ笑わせる!」
ビグロを操り乍ら、勝ち誇り見下す様に言い放つケリー
「ほ、ほざいてろよ!」
強烈なGに耐えながらも、辛うじて目は死んでいないジョニー。
「こ、こういう状況を作ってくれて感謝するぜっ!」
ずっと保持し続けていたガルバルディβのビームライフルが、ビグロのエンジン付近に向かって
炸裂したのは、その直後だった。
「何っ!!」驚くケリー。
「ぐわっ!!」爆破の衝撃で思わず口走るジョニー。
クローのジョイントが外れて、拘束状態を脱するガルバルディβ
慣性で飛ばされる両機。
必死になってバー二アで制動をかけるガルバルディβとは対照的に、爆発光を上げながら
流されていくビグロ。
実にあっけない幕切れであった。
                                   <続く>


第43話 トリントン基地 投稿者: 訃霞神威  投稿日: 3月 3日(土)01時51分06秒

その頃、地球連邦軍トリントン基地ではティターンズの部隊による作戦、
HLV打ち上げの準備が進められていた。正確には各地の基地で同時進行で
同様の作戦が進められているので有ったが特に此処での作業は重要で有った。
「コイツか・・・例の極秘計画のガンダムは?」
「あぁ・・・GP−02A・・・核弾頭の使用を前提として開発された機体だ。」
「コイツさえ有ればジオンだろうが何だろうが目じゃ無いな」
ティターンズの士官達が話している前にはティターンズカラーに塗装された禁断の
機体・・・ガンダムGP−02Aサイサリスが有った。
他の基地からも打ち上げ作業が進められていたが此処での作業が重要なのは
この機体。ガンダムGP−02Aサイサリスがこの基地から打ち上げられるからに
他ならない。

「よし、次はコイツを積み込むぞ」
一人の士官がサイサリスのHLVへの積載を指示したその時爆発音が響いた。
「ふっ・・・それを宇宙に上げさせる訳にはいかない。」
ガンダムヘビーアームズカスタムのコクピットでトロワが言った。
トロワに与えられた任務はこの危険極まりない機体を宇宙へ出させない事であった。
地球絶対主義者のティターンズの事だ、コロニーに向けて核を使用することに何の
抵抗も感じないであろう。それを未然に防ぐのが彼の今回の任務である。
「核弾頭の搭載場所は・・・背中の部分か? 直撃はマズイな・・・」

トロワのガンダムが奇襲攻撃をかけようとしたその瞬間
基地を挟んだ反対側からも数機のMSが現れた。核弾頭搭載型ガンダムの奪取を目論む
ヌーベルエウーゴの部隊であった。トロワにとっては任務を邪魔する部隊が増えた訳だ。
「邪魔をするなら・・・ターゲット共々撃破するまでだ。」
確認できたヌーベルエウーゴの機体はアインラッド装備のゲドラグが9機・・・
三個小隊と言った所である。さらに後方支援用にザメルが2機・・・
トリントン基地の迎撃部隊のバーザムと戦闘を繰り広げているがヌーベルエウーゴの
機体が圧倒しているようだ・・・が、トロワにとってはどうでも良い事であった。
「邪魔が入る前に・・・攻撃をかける。」
ピエロのハーフマスクを装着したトロワのガンダムが飛び出した。

                          <続く>


第44話 ガンダム強奪!! 投稿者: VEN×2  投稿日: 3月 4日(日)00時25分35秒

「よし、作戦開始だ。」
バーニアをふかすとヘビーアームズは一直線にGP−02Aのある宇宙港を襲撃した。
「おー、やっとるやっとる。MS戦を気にせず我々はHLVへの積み込みを…ぉぉぉ」
目の前に現れるガンダム。
「ほ、砲撃手何をやってい…うわぁぁぁぁ」
ドーーーーーン
司令塔はあっさりと撃破されヌーベルエウーゴ、ティターンズ両軍とも気づかないうちにGP−02Aはトロワとともに消えた。

10分後ジャブロー

「何?GP−02Aが謎のMSとともに消えた。」
「ハッ、確かでございます。ジャミトフ閣下。」
「トリントンは死守したのではなかったのか?」
「実はヌーベルエウーゴには無い機体とのことです。」
「お、おのれ。他にも敵はいるのか…」
ガンダムチームが全員合流する日も近い。
<続く>


第45話 予感 投稿者: 鳥坂ザ・OB@@富良野 由亜季  投稿日: 3月 4日(日)00時41分51秒

ロンド・ベルのクルーが、ティターンズの再結成を知ったのは、
ディアナカウンターと接触を図る為、月へ向かっている最中であった。

「ジャミトフ奴!」
混迷の状況下で、新たな火種を生み出したジャミトフに対しての
憤りで堪らない気分に陥るブライト。

「これで連邦政府自体、以前にも増してあてにならない存在になった訳か」
あきらめていた様にアムロが云う。

「益々、ディアナカウンターとの接触が重要視される訳だな」
友軍と有益な情報は多いに越した事はない、と判断するブライト。

「トリントン基地での一件も、今後の展開を考えれば注視せざるを得ない事象ではあるがな」
GP−02の機密事項は、他の部隊と同じくロンド・ベル隊も知らなかった。
しかしニュータイプの「感」で、これから起こり得るであろう危険極まりない情勢を
鋭く感じ入ったアムロであった。

ここはMSデッキ。
ブライトとの話を終え、ブリッジから降りてくるアムロ。
一目散に自分の機体の最終チェックに入る。
アムロ専用百式。
銀色に彩色されたその機体は、アムロ用にカスタマイズされているとはいえ、
普通の百式と変わったところはない。
只、最近まで「大気圏内装備」であった為、宇宙戦仕様に換装している最中であった。

「アムロ〜」
コクピット付近で作業しているアムロに、慣性を利用して飛びついてくるベルトーチカ。
「おっと!ベル、どうしたんだ?」
流れ着くベルトーチカを優しく抱き止めるアムロ。
「アナハイム・エレクトロニクス(AE)から連絡が入ったわ」
「なんの用だって?」
「近々アムロに受け取って欲しいMSがあるから、受け入れ態勢の方よろしくって」
「今のところ百式が1機あれば十分なんだがなぁ」
「何でも、アムロ用に組み上げたAE自慢のMSらしいわよ」
「ふ〜んそうなのか」
「ガンダムだって話だし、私的には大歓迎なんだけどなぁ〜」
「どうして?」
不思議そうな顔をベルトーチカに見せるアムロ。
すると、ベルトーチカはアムロと見合わせる様にしながら、顔を最接近させ、
「アムロには「ガンダム」って名の付くMSに乗ってほしいのよ」
と、一言云い乍らアムロにキスをしてブリッジへ去って行った。
微かに照れ笑いを浮かべるアムロ。

「あんまり見せ付けんで下さいよ〜」
「アストナージさん、妬かない妬かない」
すかさず冷やかす、アストナージとモンド。

彼らが目指す月は目前にあった。
                         <続く>


第46話 月の女王 投稿者: 風使いのフォウ  投稿日: 3月 5日(月)20時57分11秒

「我々は、地球連邦軍反デラーズロンド・ベル隊であります。
 私が、隊長のブライト=ノアです。」
「ムーンレィスの女王、ディアナ=ソレルです。よしなに。」
ここは、月のフォン=ブラウン。ムーンレィスの首都である。
月は、連邦軍の管轄であるが実際はムーンレィスの自治区となっている。
ディアナをトップとするムーンレィスの戦力を敵に回したくなかった
連邦が月には手を出さなかったのだ。
「で、私たちムーンレィスにどうしろと」
「地球圏では、デラーズ・木星・ヌーベルエゥーゴなど地球圏征服を狙う
 者がひしめき合っております。それらが月を目標にするのも時間の問題
 でしょう。」
ブライトの言うとおりである。月には、現在中立のムーンレィス以外に
アナハイム・エレクトロニクスという大企業が存在する。しかも、
地理的にも、地球侵略にも適しているという絶好の場所なのである。
これを、黙って見過ごすわけにはいかない。これは、ロンド・ベルに
とっても同じである。
「わかりました。私自身、争いは好みませんが止む終えないでしょう。
 ハリーとロランを貸しましょう。ウィナー家にも、我々の出来る限り
 の協力はさせてもらいます。」
「ありがとうございます。月の女王。」
「よしなに。」

「ロランと言ったな。これがお前のガンダムか・・・。」
ラーカイラムの中でアムロがつぶやいている。
RX-78の頃とは、あまりに形状の違うガンダムにアムロは違和感を感じていた。
「そうです。∀ガンダムです。」
「アムロ君だね。私はムーンレィスのハリー=オードだ。よろしく。」
「アムロ=レイです。こちらこそ。」
二人が握手をしたその時、アムロの中に何かがよぎった。
「こ・・この男、シャアに似ている。しかも、このサングラス・・・。
 シャアより悪趣味だ。この男、ただ者ではない・・・。」
「どうしたんですか、二人とも。難しい顔をして。AE社に行かなくて
 いいんですか?」
ロランは不思議そうに、二人を眺めている。
「そうだった。新しいガンダムがあるんだった。」

その時、月から大型輸送船が木星に向かって発進した。
「ディアナは、ロンド・ベルと付いたか。このギム・ギンガナムを
 敵にしたこと後悔させてやる。いくぞ、メリーベル。」


第47話 策略の園 投稿者: I・C(火浦功)ブルース  投稿日: 3月 5日(月)22時52分13秒

「各艦隊の現在の状況ですが」
アリスがそう言って端末をいじるとスクリーンに地図が映し出される。

「先ずシーマの陽動艦隊ですが、サイド5 6の連邦戦力を壊滅させ 現在サイド6近くの宙域にて待機
 武器・燃料等の補給を求めております 次にラル大尉の艦隊ですが、正体不明の敵戦力と接触
 ラル大尉のR−ジャジャが戦闘不能なまでに破損 ただし大尉ご自身には異常ないようです。
 そして、ガトー少佐の部隊ですがサイド8でシャアの部隊と戦闘 部隊のほとんどを沈められた模様
 これに関してガトー少佐は 補給と追撃の許可を求めておられます。」
地図を指しながら報告を一旦区切ると間髪入れずデラーズの指示が飛ぶ

「キャラ シーマ艦隊にガデム曹長の輸送艦隊を直ちに派遣 補給後直ちにサイド7の抑えに入らせるのだ
 それとガデムにはランバ・ラルと接触してドーベンウルフを渡す任務も兼務してもらう 
 そしてガトーの増援としてはラカン・ダカランの艦隊を派遣する」
アリスの報告を聞いたデラーズがハマーンの傍らに控えていたキャラに指示を出すと
「待て、デラーズ ラカン艦隊にノイエジールを運ばせろ。」
それまで黙って聞いていたハマーンがデラーズに命令する。
「しかし、あれはガトーとはいえすこし荷が重いかと」
NT用MAをニュータイプではないガトーに与えるよう命じられてとまどいの表情を浮かべるデラーズ
「かまわん、シャアのサザビーに対抗する為だ あれぐらいなくてどうする」

「はっ わかりました  ではそのように手配させます。」
そう言って 再度キャラに指示を与える。

「後、当基地周辺空域を哨戒していました ファラ タシロ両艦隊が只今帰還 異常無しとのことです。」
スクリーンに映し出される両艦隊の映像を背に報告を続けるアリス

「次に哨戒に出るルペ・シノ ピピニーデン 両艦隊に対して哨戒域を広げるように指示しますか?」
キャラがデラーズに伺いをたてる

「その必要はない、あまり広げてもその所為でこの基地の所在を発見されてもいかんからな」
少し 思案した後 キャラに応えるデラーズ
「はっ」


「次に地球にいる サイクロプス隊及びドライゼ潜水艦隊司令より報告
 連邦内の内通者の協力により核武装中MSが搭載されたHLVがあるトリントン基地には
 近づけたもののヌーベルエゥーゴの襲撃のごたごたにより いずこともなく消失したとのことです。
 現在、調査中ですが未だに足取りが掴めていない模様
 それと アルテイシア様ですが既に香港に到着 後はラル艦隊が衛星軌道上にたどり着くと同時に
 いつでもシャトルを飛ばせるよう手配済みです」

「ご苦労、 抑えられればよし無理でも我々に対して使用せんと考える勢力に渡るのだけは
 断固 阻止させよ 破壊してもかまわん それと アルテイシア様の事だが万が一の事がないよう
 念には念を入れよとデラーズ アリス 貴官らの部下にきつく指示を出しておけ。」
ハマーンが居並ぶ 両名に指示を出す。


第48話 パーフェクトガンダム 投稿者: 訃霞神威  投稿日: 3月 5日(月)22時56分43秒

アナハイムを訪れたアムロは驚いた。
新型のガンダムを受領せよという指示を受けてAE社に来た筈だったのだが・・・
「これは・・・ガンダム? 新型だと聞いていたのだが・・・」
アムロの眼前に有る機体はRX−78・・・
俗に言うファーストガンダムそのものに見えたからである。
「ああ・・・コイツはですねぇ・・・」
アナハイムのメカマンがアムロに機体の説明を始めた。
Mk−IIの開発、さらに新型ガンダム開発計画・・・
AE内部でGP計画と呼ばれているプロジェクトで有ると技師はアムロに説明した・・・
等の参考にする為にRX−78を再生する計画で作られたのが本来のこの機体だと言う。
「ガンダムを復刻するだけでは面白くないと言うチームが有りましてねぇ」
最新の素材、技術を盛り込んでRX−78を再生する・・・
いつの間にかプロジェクトの内容が入れ替わっていたのだそうだ。
その結果生まれたのがアムロの目の前にある機体だという・・・
「外観こそファーストガンダムですけどねぇ・・・」
技師の説明によるとジェネレーターはダブルゼータに搭載されている物とほぼ同出力
最新の高強度軽量の装甲材を使用した結果、以前の機体と比べて軽量化されていると言う。
そして、高出力軽量化された結果、以前立案されたが機体重量の増加による機動性の低下を
理由に不採用となったフルアーマー計画をさらに進めた形で採用したという話であった。
「増加武装装甲システムを装着した姿がコイツの本当の姿と言う訳ですか?」
アムロの質問にAEの技師は答えた。
「そうですね。我々はフル装備状態のコイツをパーフェクトガンダムと呼んでいます。」

                           <続く>


第49話 呉越同州 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月 6日(火)23時33分57秒

 残りの追加パーツと武装を、グラナダのラーカイラムに運ぶように手配を済ませたアムロは、
慣熟飛行を兼ねて、パーフェクトガンダムでラーカイラムまで帰還した。

急加速、急旋回、急上昇、急降下・・・操れば操る程、この機体のポテンシャルの高さに
驚かされるアムロ。
「何てパワーだ・・・それにレスポンスもいい。身体に馴染む感じだ」
心地いいまでの操作感を堪能し、感慨に耽っていた丁度その時、
見覚えの有る赤いMSが、アムロの機体に向かって接近して来た。
識別信号は・・・・ジオンだ。
「リック・ディアス!パイロットは・・・・奴か!」
アムロは、咄嗟に乗り手の正体を確信した。
「久しぶりだな、アムロ」
一気に間合いを詰め、ビームサーベルを振るリックディアス。
「貴様!・・何故今更地球圏に舞い戻って来たのだ!俺を笑いに来た訳ではあるまい!」
と云いつつ、すかさずサーベルで応戦するパーフェクトガンダム。
「見知らぬ機体が、我が艦の近辺を飛び回っていたから、直々に調査しに来たのだ」
「俺と知っての事だろう、シャア!」
「さぁ・・・知らんな」
激しくぶつかり合う両機。それは、お互いの手の内を確かめるようでもあった。

その後、グラナダの宇宙港に入港したシャア達・・・ザンジバルの一行は、ラーカイラムの
ブリッジにいた。

「お互い、目的は同じと言う事ですか、シャア大佐」
ブライトがシャアを見て割り切った様に云う。

「私は暫く連邦軍籍「クワトロ・バジーナ大尉」として動くつもりだ」
「あんな軍籍、とっくに消滅しちまってるんじゃないか?」
嫌味に近い事を云いだすアムロ。本人も内心満更嫌いでは無い反面、この状況を苦々しく思ってもいた。

「幸い我が方とエウーゴは、裏ではAEを介して密接に繋がっている。我々も、AEも、エウーゴも
今ではここグラナダを拠点にして動いている。利害と根差す処が一致した結果だな」
シャアが云う様に、現在の裏事情とはこんな事である。

エウーゴは、今回の騒動が結成の原因ではなく、
元々宇宙移民者らの連邦からの自治・独立を訴えた組織である。
只「宇宙移民者の自治・独立」と一口に云っても、方法論を巡っての対立が絶えないのは、世の常であり
結果、連邦内も2つに別れ、ジオンサイドも2つに割れた。
それが連邦サイドの「エウーゴ」「ヌーベルエウーゴ」と
ジオンサイドの「ネオ・ジオン」「デラーズ・フリート」なのである。
対して、これらを取り締まる地球圏絶対主義的組織が、先頃再結成された「ティターンズ」である。
「宇宙移民者の自治・独立は認めない」と云う連邦政府の意思を代表するものであった。

「ヌーベルエウーゴが、ハマーンの軍と手を結んだという情報もある。友軍は多いに越した事はない」
現状を考慮した上で下した、ブライトの判断だった。
ここに、ロンド・ベル、エウーゴ、ムーン・レイス、ネオ・ジオンが呉越同舟の連合軍を
結成するに至った。
                                    <続く>


第50話 五飛の家出 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月 7日(水)13時46分39秒

「どうしてアムロさん達と一緒に行動しないのさ?」
ジュドーがトレーズに質問した。
「我々は一応、宇宙海族と言う事になっているので正規軍の彼らと行動を共にすると
 ティターンズを始めとする地球至上主義者達に付け入る隙を与えることに繋がり
 かねないのでね・・・独立部隊とは言えロンド・ベル隊は連邦軍なのだよ。」
トレーズの答えに
「ふ〜ん、そんなもんかねぇ?」
と答えたジュドーの所にデュオがやってきた。
「ったく・・・五飛の奴・・・意固地になりやがって・・・」
聞けばナタクの修理を手伝ってやろうとしたのだが
「うるさい!近寄るな!ナタクは誰にも触らせない!俺一人で直してみせる!」
・・・と追い払われたらしい
「あの兄ちゃん・・・落ち込んでたからなぁ」
苦笑いするジュドーにデュオが答えた
「人間不信に陥ってやがる・・・五飛の奴・・・」
「まぁ・・・元々、他人の意見を聞かない奴だったけどよぉ」
そこに慌てた様子のルーが走ってきた。
「ナタクって言ったっけ?あのガンダム今、出ていったわよ!」
落ち着いて通信を入れるトレーズ
「五飛くん・・・君のガンダムの調整は終わっていないのだろう?どういうつもりかな?」
五飛の怒鳴り声が無線機から響いた。
「うるさい!取りあえず動くようにはした!」
「後は老師の元で修理する・・・貴様らの元には戻らん!俺に近寄るなぁぁぁっ!」
最大戦速でマザーバンガードから離れて行くナタク・・・
もっとも今のナタクの速度は話にならないぐらい遅いのであるが・・・
「この辺りって・・・デラーズのガンダム狩りが盛んな所じゃ無かったっけ?
 放っといて良いのかアレ・・・」
ジュドーの質問にヒイロが一言言った
「かまわん・・・自分でどうにかするだろう。」
「オイオイ・・・」
思わずハモってしまった呆れ顔のデュオとジュドーであった。

                         <続く>


第51話 魔性の女vs正義の男 投稿者: I・C(火浦功)ブルース  投稿日: 3月 7日(水)20時05分14秒

では、我等は別の任務がありますのでこれで失礼する ご武運を」
スクリーンの向こうでガデム艦長がシーマと傍らにいる ナナイ クロノクルに向けて敬礼している。
「ご苦労様でした。 曹長」
何も言わないシーマに代わりナナイが労いの言葉を掛ける。
「はっ では」
そういうとスクリーンに映っていたガデムの姿が消える

「クロノクル大尉 所属不明のMSを捕捉しました。 攻撃しますか」
それから数時間後 アドラステアに戻ったクロノクルの元に偵察に出ていたカテジナ・ルースから
通信が入る。
「よかろう 許可する ただ、無茶はするなよカテジナ中尉」
そう言って通信を切ると 近くにいた士官に指示を与えるクロノクル


「あれは、ガンダムか」
ウーフェイのナタクを見てカテジナの目つきが鋭くなる。
「ん、なんだ敵か ちぃっ こんな時に」
ウーフェイの方もカテジナのゴトラタンを見つける。
「そこのガンダム 悪いけど狩らせてもらうよ」
ライフルを撃ちながらウーフェイのナタクに迫る
「女か 弱いものが戦場で出て戦うな」
迫るカテジナに向け叫ぶウーフェイ
「弱いかどうか 思いしらせてやるよっ」
さらにライフルを撃ちナタクに直撃を与えるカテジナ
「くっ 動いてくれナタク」
必死に操作するが調整不足は否めず追い詰められていく
「なんだ 威勢のいいのは口だけかい」
手も足も出ず翻弄されてくウーフェイを嘲笑するカテジナ
「中尉 一気に止めを刺しますか。」
カテジナに随伴していた部下から通信が入る。

「そうだな、 いや待て左右から挟み込め あのガンダムを拿捕する。」
少し考えて ナタクを捕らえるように指示を出す。
「はっ」

「くそ、 遊んでやがるのか 止めを刺すならとっとと刺せ」
腹を決めたウーフェイが自棄気味に叫ぶ。

しかし、そのウーフェイを無視し ナタクを両側から抱えながらアドラステアに帰投していく。


第52話 マントの青年 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月 8日(木)23時35分26秒

此処はホンコン・シティ。助けを求める少女の声が、町中に響き渡る。
「誰か・・・誰か助けて下さい・・・お願い誰か!!!!!」
ジュドーの妹、リィナ・アーシタである。
セイラ・マスの許にいた彼女が、何故?
無我夢中で走る彼女は、不意にマントを着た青年とぶつかって、倒れた。

「おい!何処見て・・・?!どうしたんだ!しっかりしろ!」
自分とぶつかって倒れたリィナを、抱き起こす青年。
彼と一緒にいた女性が、リィナを介抱する。
「あなた、大丈夫?!どうしたの?何があったの?」
軽い脳震盪だったようで、すぐ正気を戻すリィナ
「ん・・んん・あ、助けて下さい!セイラさんが!セイラさんが!」
「セイラさんって誰だ!」
青年がリィナに問い掛ける。
「私がお世話になってる方で、突然何者かに襲われて、連れて行かれてしまったんです」
少し怯えながら答えるリィナ。
「で、どんな格好だったか覚えてる?」
今度は女性がリィナに問い掛けた。
「帽子を目深に被って・・・黒ずくめだったと思います」
あまりに突然の事で、気が動転していまっていた彼女は、
助けを求める事と、身を守る事で精一杯であった。
微かな記憶を手繰る様に、風体を思い出そうとするリィナ。

「いたぞ!こっちだ!」
リィナを追って来た黒ずくめの男達は、彼女を見つけるや否や
彼女達に迫って云った。
「お前も連れて来いというご命令だ!一緒に来て貰おうか!」
 怯えるリィナ。
すかさず、その彼女を庇う様に青年が立ち憚って、こう言い放った。
「貴様らの思い通りにはさせん!」
「貴様、何者だ!」
「貴様らに名乗る名などない!!」
同時に数名いた追っ手全てを、薙ぎ倒す青年。
わざと手加減した1人に詰め寄り事の真相を問い質す。
「貴様ら、何故彼女を狙う!セイラとか云う人は何処へ連れて行った!」
「知らんな」
一発顔面にお見舞いする、青年。
「さ、然る方のご命令で、お、お迎えに上がったのだ。すると、その小娘が同居していた
本国に問い合わせたところ、そ、その小娘は、利用価値があるので一緒に連れて帰れという
お達しが出て、途中で計画が変更されたのだ・・」
更に詰問を続ける青年。
「貴様らの本国とは何処だ!、セイラは今何処にいる!」
そこまで詰問したところで、ホンコン・シティ上空が真っ黒な物体に遮られた。
「何だ!?あれは?!」
青年が驚くのも無理は無かった。
それは、デラーズ・フリートの極秘作戦を察知して、ティターンズがベン・ウッダー大尉の部隊
と共にホンコン・シティへ送り込んだ、ムラサメ研究所の「サイコ・ガンダム」であった。

                                     <続く>


第53話 シンデレラ再び 投稿者: 風使いのフォウ  投稿日: 3月 9日(金)02時05分13秒

マントを着た青年は、あわててビルの隅に隠れた。
青年の名は、ガロード=ラン ガンダムXのパイロットである。
一緒にいた女性は、ティファ=アディール。ガロードと共に月へ向かおうとしていた。
そのために、ホンコンへ来ていたのだ。
「ちっ、ティターンズだ。やっかいなMSをよこしやがって。」

「何だ、この感覚は・・・。」
サイコガンダムのパイロット フォウ=ムラサメは、自分を襲う不快なプレッシャーを
感じていた。
「この感覚は、カミーユ。いや、違うもっと純粋な・・・。
 そこかっ!」
サイコガンダムのモニターが、ビルの陰にいるティファを捉えた。
「やべっ。見つかったぞ。おい、リィナって言うんだろ。こっちだ、速く来い。」
ガロード達は、あわててガンダムXを積んであるMSトレーラーに向かって
走り出した。
「あれは、リィナ=アーシタ。それに、ガロード=ランか。」
サイコガンダムは、ホンコンの街を遠慮なく突き進んで行く。
すると、ビル群の中から、ガンダムが飛び出してきた。
ガロードのガンダムXである。ガロードは、ルオ商会から貰ったドダイに乗り
サイコガンダムに接近する。
「これでもくらえっ」
ガロードは、ビームライフルを連射するが、すべてバリアに消されてしまう。
「これは、ガンダム・・・。き・・・記憶が・・・。
 私の記憶を惑わすものは、消えろ。」
フォウの意志と連動して拡散メガ粒子砲が発射され、周りのビルが粉々に吹き飛ぶ。
「くそっ、とにかく街から離さないと」
ガロードは、サイコガンダムの頭部の前を横切った。
その時、フォウに変化が訪れた。
「カ・・・カミーユ。」
フォウの中で、ガンダムXとガンダムMK−2がオーバーラップする。
「私は、宇宙に・・・カミーユに会いたい。カミーユに記憶を作ってもらうんだ。」
その意志は、ガロードに・・・ティファに伝わった。
「ガロード!その人を攻撃してはだめ。」
「このパイロット。カミーユさんの知り合いか。」
すると、サイコガンダムは、機能が停止しビル群の中に轟音を立てて着陸した。
ガロードとティファそれにリィナは慌ててサイコガンダムのコクピットに駆け寄る。
そこには、涙を浮かべたフォウがいた。
「私は、記憶が欲しいのよ。カミーユと作った記憶が・・・。」
「それなら宇宙に上がればいいわ。カミーユさんもきっとそこにいるから。」
「宇宙には・・・カミーユがいるのか・・・。」
フォウは、涙を流しながらサイコガンダムから出てきた。以前のようにサイコガンダム
の呪縛はもうない。彼女は、初めて自分の意志でサイコガンダムから出た。
それは、ただ一つ・・・。カミーユという決して失うことのない記憶のおかげである。
「フォウさんだね。月に、反デラーズのロンドベルがいるはずだ。カミーユさんも
 きっとそこにいるよ。」

「またしても、フォウは使い物にならなかったか・・・。
 まぁいい。我々には、まだ強化人間がいる。なぁ、ロザミィ。」

「こちら、ホンコンの潜入隊。リィナ様の確保失敗いたしました。」
「なにぃぃ。失敗だと。もういい、貴様は帰ってくるな。」
「そんなぁ、グレミー様・・・。」


第54話 ホンコン・ナイト 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月 9日(金)14時42分18秒

ガロードはフォウに自分たちの置かれている状況の説明を始めた。

要約するとティファと言う名の少女はティターンズの管理下にあるNT研究所で
EXAMと言うシステムの実験用に捕らえられていたのをガロードの助けで脱走したと言う。

EXAMシステム・・・クルスト・モーゼス博士が開発したそのシステムは
通常のパイロットが操縦する機体にNTに近い戦闘能力を持たせるという名目で開発された。
しかし博士のニュータイプはやがて人類にとって脅威となる倒すべき敵であると言う
持論によって実際に作られたシステムはNTを抹殺するための物で有ったという・・・
近くにNTを関知するとパイロットの意志に関係なく機体を暴走させる危険なシステムで
有ったがシステム搭載機のブルーディスティニーの消失によって開発は終了したハズであった。
EXAMシステムの実験でマリオン・ウェルチと言う名のNT少女が犠牲になったと言う。
この禁断のシステムの実験をティターンズは再開するつもりで有ったらしい。

さらにガロードが搭乗する機体・・・ガンダムX

この機体も実はティターンズから強奪してきた機体で有ると言う。
サテライトシステムと言う月面にあるマイクロウエーブ発生機より送信される
エネルギーを受信することによりスペースコロニーをも一撃で破壊できる広域破壊兵器
サテライトキャノンを搭載しているガンダムタイプの機体で有った。

そうこうしている内にホンコンの街は夜になりつつあった。
「さて・・・そろそろ時間だ」
一通りの説明を終えたガロードは立ち上がった。
「時間って・・・どうするの?」
思わずフォウがガロードに聞き返した。
「ああ・・・エウーゴと協力関係にあるカラバに合流する予定になっているんだ。」

カラバ所属のガルダ級大型輸送機アウドムラが香港上空に差し掛かった。
「おっ・・・来た来た!」
一安心したガロードの目に映った物はアウドムラに接近するベン・ウッダー率いるアッシマー隊であった。
「マズイぞ・・・くそっ!」
慌ててガンダムXを起動させるガロード。
「ティファの為にも・・・此処でカラバの部隊を落とされちゃまずいんだよ!」
アッシマー部隊の目の前にガロードのガンダムXが飛び出した。

                           <続く>


第55話 囚われの少女 投稿者: I・C(火浦功)ブルース  投稿日: 3月 9日(金)16時00分42秒

「はっ 申し訳ありません」
先ほどガロードに打ちのめされた黒ずくめの男たちが一人の少女の前に小さくなっている。
「困ったことになりましたわ ハマーン様からはリィナ・アーシタをもお連れせよ
 との命令もあることですし この失態どう挽回するおつもりかしら グレミー様」
一度見れば忘れられないほど特徴的な眉をひそめ少女が側にいるグレミーに訊ねる。

「そんなことはわかっている すでにその少年には追っ手を差し向けた。」
訊ねられたグレミーが不機嫌そうに返す。
「ドロシー様 市街地でティターンズとカラバの戦闘が始まりました。」
そこに部下の一人が飛び込んで来る。

「なんと、こんな民間人が多いところで仕掛けるなどとはティターンズめっ」
それに応えて激昂したのはドロシーではなくグレミーだった。
「とりあえずドロシーさん あなたは隣にいるアルテイシア様と共に港に潜伏している
 ドライゼの艦に避難してください 私はシャトルの方を見てきます」
矢も盾もたまらずグレミーが飛び出して行こうとしたが そこにドロシーから制止の声があがる
「お待ちください 今ならその少年はMSを操縦する為にリイナ嬢の側にはいないはず
 そこを狙えばよろしいんじゃなくって」
「なるほど、プルツーはいるか」
そこで立ち止まりプルツーの名を呼ぶ
「呼んだか グレミー」
冷たい目をした少女 プルツーが現れる。
「エニル・エルが既に場所は見つけてるはずだ 直ちに接触してリィナを連れて来い いいな」
そう言うとプルツーに向かい携帯を渡す。


それから数分後ある雑居ビルの一室から戦闘の様子を眺める ティファとリィナの姿を認め
ほくそ笑む エニル

「貴官がエニル・エルか」
とそこへ気配を感じ銃を構える。

「なんだ、お前は」
銃を構えつつエニルが少女に尋ねる。
「わたしはプルツー グレミーから何も聞いてないのか」
平然と受け流しつつエニルの側に近づくプルツー
「お前がか」
釈然としない表情を浮かべながらも銃をしまうエニル

「あれがターゲットさ」
顎で二人の少女の姿を指し示す
「護衛はついてないようだな」
周りを見てプルツーが呟く。
「ああ 他にガキと女がいたがカラバのアウドムラに向かったみたいだからね」
そう言うと二人同時に歩き出しリィナ ティファの前に立つ

「リィナ・アーシタさんだね あたしらと来てもらうよ」
銃を構え直したエニルがゆっくりと近づく。
「い、いやです」
怯えながらも毅然とした態度で断るリィナ するとティファがリィナとエニルの間に立ちふさがる。

「行かせません」
小さいがはっきりとした口調で言い切るティファ
「悪いけどこれも仕事なんでね」
銃で頭を殴られ気を失うティファを抱えるエニルと同時にプルツーがリィナの腕を掴み
当身で眠らせる。



「グレミー連れて来たぞ」
アジトに戻り リィナを差し出すプルツーを見てグレミーが喜ぶ。
「これで、後はシャトルを打ち上げるだけですね」
そこにドロシーが割り込んでくる
「ああ、 軌道上にいるラル大尉に連絡 荷造りは完了 明日19時に荷をお届けできるとな」


第56話 アウドムラ防衛戦 投稿者: 鳥坂ザ・OB@富良野 由亜季  投稿日: 3月 9日(金)23時14分28秒

「ちっきしょう!何て速さで飛びやがる!照準もつかねぇ」
アッシマーの編隊に、完全に翻弄されるガロード。
1機も落とせないどころか、完全に窮地に立たされていた。
「何で・・・何で当たらねぇんだよぉ・・ちきしょう!」

そうこうしている内に、アウドムラからも援軍が出撃した。
「あ〜もう、なにやってんのよ!じれったい!」
ソシエ・ハイム嬢のカプルが、水中から戦闘空域の真下へ接近する。
「このへんかしらね・・・このぉ!」
海上に姿を現したカプルが、アッシマー部隊に向かって数発打ち込む。
「え〜何で〜?!」
いとも易々とかわされた事が、信じられないソシエ。
「当たり前だろ、そんな攻撃が当たりゃ苦労はしないんだよ!」
さも当然と云わんがばかりのガロードに、剥れ顔のソシエ。

 漸く1機落としたのは、アウドムラのハッチから姿を現したガンダムMK−Ⅱ改
に乗る、クリスチーナ・マッケンジーであった。
「お二人さん、何やってんの!戦闘中よ!しっかりして!」
 ベースジャバーに乗って出撃したMK−Ⅱ改は、忽ち情勢をひっくり返してしまった。

 MK−Ⅱ改・・・元々はアムロに渡る筈の機体であったが、クリスがシューフィッター
として、搭載コンピューターを教育中に「パーフェクト・ガンダム」の開発計画が立ち上がり、
そちらをアムロ専用機として設計していく事に方針が変更された為、クリスは宙に浮いたこの
機体を携えて、人手の足りない「カラバ」に身を投じたのであった。
その為クリスとこの機体は、完全に人馬一体とも云える相性を見せていた。

 やっと、アッシマーの動きに目が慣れてきたガロードも、敵部隊を追い詰め始めた。
「う〜む、我が方は劣勢か・・・一時撤退する!」
 ブラン・ブルターク少佐の号令で彼らの母艦である、ガルダ級大型輸送機「スードリ」に
残存のアッシマー隊は帰還していった。

「ティファ!終わったよ!・・・・・・ティファ」
 ガロードがXのコクピットから降りて、ティファとリィナを待機させておいた場所へ戻ってみると、
そこに2人いない事に気付いて愕然とする。
「そんな!?嘘だろ!?・・・何処へ行っちまったんだよ、ティファ!」
「すまない・・・私が目を離した隙を突かれた・・・」
 フォウが、すまなそうにそう答えた。
「何々、どうしたの?」
 状況を確認しにカプルを降りてきたソシエが、顔を覗かせる。
 しかし、そんな2人に目も暮れず、自身の無力さに呆然となるガロードであった。
                                       <続く>


第57話 少女の笑み 投稿者: I・C(火浦功)ブルース  投稿日: 3月12日(月)16時14分20秒

「シャトル搭載完了しました」
ジオンの軍服を来た下士官がMSデッキに佇む ランバ・ラルに報告する
「うむ、ご苦労」
すると シャトルから金髪の女性が降りてくる。

「アルテイシア様ようこそお出でくださいました。」
ラルが女性を丁重に迎える。
「お久しぶりです ランバ・ラル」
かつての一年戦争時セイラ・マスと呼ばれた女性がラルに返す。

「お初にお目にかかります ラルの妻ハモンでございます。」
MSデッキからブリッジに上がって来たセイラにハモンが頭を下げる。
「お世話になります」
そう言ってハモンに挨拶を返すセイラ
「何も無いところですが、茨の園まで我等が命に掛けてもお守り致しますので
 どうかおくつろぎください。」
ハモンが微笑しながらセイラに応じる。
「オウギュスト艦隊に連絡 付近への警戒を密にせよ ザンジバルじきに発信するとな」
その横でラルの指示が飛ぶ。


「行ってしまわれましたわねぇ」
宇宙を見上げながらドロシーが呟く
「ああ、とにかくこれで肩の荷が一つ下りたわけだ」
そのドロシーの向かいに座り優雅に紅茶を口に運ぶグレミー
「ところでグレミー殿 なぜ、あの少女を手元に残したのですか」
エニルが連れてきた少女 ティファを宇宙に行かせず手元に置いたことを訊ねるドロシー
「気づかなかったのか彼女はニュータイプだ プルツーと共に戦わせれば多いなる戦力になる」
「ですが、そう素直にMSに乗るとは思えませんわ」
「我々に従わなくても構わん 方法などいくらでもあるからな」
暗に洗脳をほのめかすグレミー
「わかりました。 さっそく手配させますわ ところで動き出したカラバはどういたしますか」

「叩くさ だがその前になんとしてもGP02Aを捕獲 ないしは破壊せねばな」
そう呟きテラスを離れるグレミーを見ながらドロシーがほくそえむ
「うふふ、面白くなってきましたわねぇ さぁ トレーズ兄さま早く動いてくださいまし」


第58話 五飛自爆・・・失敗 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月12日(月)20時18分06秒

「敵に捕らえられ生き恥を晒すぐらいなら・・・ナタク、すまん!」
五飛はナタクの自爆装置のスイッチに手を伸ばした。
「マズイ!自爆する気だ・・・離れろ!」
五飛の考えに気が付いたカテジナが部下に指示を出す・・・が
ナタクは・・・爆発しなかった。いや・・・正確には爆発したことはしたのだが・・・
胸部前面装甲が吹き飛んだだけであった。そして爆発の反動で五飛の乗ったナタク本体は
かなりの勢いで明後日の方向に飛んで行く。
言うまでもなく興味本位で分解された後でザクのパーツ等で組み直されたナタクだ
自爆装置などもまともに動く筈が無い。
「カテジナ様・・・どうしますアレ?」
部下にナタクを追跡するかどうか聞かれたカテジナは
「放って置け・・・」
と呆れ顔で答えた。
「な・・・なんだ? どうなったんだ?? ナタクよ・・・おおっ」
何が起こったのか訳が分からず慌てる五飛を乗せてナタクは宇宙を飛ぶ・・・制御不能のままで

                           <続く>


第59話 マフティー・ナビーユ・エリン 投稿者: I・C(火浦功)ブルース  投稿日: 3月13日(火)00時56分12秒

「エゥーゴめ どうして打つ手が早い」
MSのコクピットで一人の青年の舌打ちの音が響く
「ハサ・・ マフティーここはあたしらシュラク隊が引き受けた あんたはエゥーゴの旗艦を沈めて」
連邦から奪取した百式改のコクピットでジュンコが叫ぶ
「わかった ここは任せる アマダ小隊は俺といっしょにエゥーゴの本体を叩く ついて来てくれ」
マフティーことハサウェイがクスイーガンダムを加速させると 後からシロー達の機体がそれに必死に
追いつこうとブースターを閃かせる。

「ラーディッシュを叩くつもりか そうはさせないぞ」
GP01Fbのコクピットでコウがそう叫ぶがシュラク隊のMSが前に立ちふさがり行かせまいとする
「くっ どけぇ」
サーベルをはらって倒そうとするが相手にサーベルで防がれる
「そうそう簡単にはやらせないよ」
ジュンコが不敵に微笑む
「邪魔をするな」
GP01Fbのコクピットでコウが吼える
「あんたらにあたしらの邪魔はさせないよ」
そんなコウの焦りを知ってか知らずか依然として余裕の表情を崩さないジュンコ

「左舷11時方向に砲火を集中させろ」
ラーディッシュの艦橋でヘンケン艦長が指示を出している
「艦長 ヌーベルエゥーゴのMS部隊の一部が我が軍の防衛ラインを突破しました。」
「エマ中尉の部隊にはラーディッシュの防備に回らせろ」
ヘンケンの指示を受けた士官が通信機の前に立ち エマにコンタクトをとる

「見えた、あれが敵の旗艦か」
エゥーゴのMSをなぎ倒しながらラーディッシュに近づくハサウェイ
「マフティ 新手が来たぞ」
そのハサウェイにシローから通信が入る

「やらせるわけにはいかない」
エマのマーク2がラーディッシュとクスイーガンダムの間に割って入る。
「どきなっ」
そのマーク2にカレンのジェガンのビームが放たれる。
「行けッ ファンネル」
その隙を突いてクスイーガンダムから出たファンネルがラーディッシュに向かう

「なに、直撃だと」
何処からか放たれたファンネルの攻撃を受け 狼狽するヘンケン
「は、もう一度攻撃を受ければ 航行不能に陥ります。」
その部下の報告に悔しそうな表情を浮かべるヘンケン
「MS隊を全部撤収させろ この空域から離脱する。」


「敵が撤退するようですな」
敵の引き際を見てテリーが呟く
「仕方ない 敵に合わせて我々も退くか」
ほっとしたような表情を浮かべるハサウェイ 彼等の戦いはまだ始まったばかりである


第60話 テキサスのガンダム男 投稿者: 訃霞神威 @ 長良川 祐壱  投稿日: 3月13日(火)12時33分57秒

此処は俗に言うテキサス・コロニー宙域。

コロニー公社の下請け企業の一つモノトーンマウス社の作業チームによる
破損したコロニーの再生作業が行われていた。
このモノトーンマウス社には、同業者の間では有名なガンダム男こと
ダニー・ニエル・ガンズ通称ダニーが所属している。
「作戦開始だぁぁっ!」
「何が作戦だよ。作業だろ作業!」
「うるせい!俺のはガンダムだぞガ・ン・ダ・ム!」
「作業用(ワーク・スーツ)でいきがってんじゃ無いよ!」
相棒のチェリーといつもの様に喧嘩しながらジャンクパーツと作業用に軍から
放出された機体のパーツで作った自慢の機体「Dガンダム」を駆るダニー
「おっ・・・何だありゃ?」
「よそ見してんじゃ無いよダニー!」
「ガンダムだ! ガンダムだぜ! カックイイ!!」
「だからアンタのガンダムは見飽きてるって」
「そうじゃ無い! ガンダムがコッチに来るんだよ!」
「へっ?」
見れば確かにガンダムタイプと思わしき機体が背中を見せながら飛んでくる。
「おおぅ・・・ナタクよ止まってくれぇぇぇっ!」
五飛の叫びも空しく修理中のコロニーの外壁に大穴を空けて激突するナタク。
「あ〜っ!テメェ人が折角直してる所に何しやがる!」
「ねぇ、ダニー・・・このガンダム壊れてるんじゃ無いの?」
「俺のガンダムが壊れてる訳ないだろうが!」
「アンタのじゃ無くって、今、飛んで来た方のガンダムだ!このバカ!」
「バカとは何だ!バカとは!・・・おっ・・・ホントに壊れてるみてぇだなぁ・・・」
ナタクの元に近づくダニーのDガンダム
「お〜い! 生きてるか? そこのガンダムのパイロット」
「ああ・・・酷い目にあった・・・此処は何処だ? 貴様は何者だ?」
「チッ・・・態度悪りぃなぁコイツ・・・助けるのやめよかなぁ?」
ぶつぶつ文句を言いながらもダニーはDガンダムで動けないナタクを
自分達の作業母船に運び込んだ。
「何故助ける?」
五飛の質問に事も無げに答えるダニー
「何故って・・・水も空気も無い所に放って置く訳にもいかねえだろうが!」
「すまん」
珍しく素直に礼を言う五飛にダニーは言った。
「まぁ・・・金は持って無さそうだから作業でも手伝ってもらうかなぁ」
「な・・・何?!」
「水も空気も宇宙(ソラ)じゃ貴重品なんだぜ! タダで助けたんじゃ割が合わねぇって物だ
 アンタ・・・ガンダムに乗ってるんならMS動かせるんだろ?
 だったら此処での仕事が終わるまで働くんだな・・・水と空気と食料・・・
 それから仕事が終わったらコロニーまで送ってやるのが報酬だ!
 何なら作業用のプチモビも貸してやる・・・文句は無いな!」
「あ・・・あぁ」
今の五飛は渋々ながらで有ってもこの条件に同意するしか無かった。

                        <続く>


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