このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
LRTとは、「Light Rail Transit」、日本語でいうところの軽鉄道とでもい
えましょう。いわゆる路面電車の形態をとるのですが、従来の「遅い、ゆれる」
といった欠点を解消した新しい交通システムです。一概には定義できませんが、
だいたいは、従来の路面電車のように路上を2〜6連接車のように長めの車両
が、従来よりはるかに速く走行し、時には国鉄線(日本でいうところのJR線)の
ような鉄道にも乗り入れるというものが多いです。路上とはいえ、軌道敷内への
自動車の乗り入れは制限されており、料金に関しても乗客自身が改札するという
信用改札制度を導入することで、スピードアップを図っています。加えて、ヨー
ロッパでは路面電車の走る中心地を一般車両の乗り入れ禁止区域とすることで、
歩行者とLRT(バスのこともあります)のみが走る安全、快適な「トランジット
モール」を形成し、中心街の再活性化に成功しています。日本ではようやく、広
島や岡山、熊本などで始まりつつありますが、日本の交通政策の貧弱さとさまざ
まな利権のからみ方から簡単にいっていないようです。
上で軽く触れていますが、日本の交通政策はどうも、幅広い総合的な視界に
欠けていると言わざるを得ないような気がします。なによりも中心地における自
動車道路の建設、駐車場の建設などばかりに力を入れ、公共交通機関の拡充には
(地下鉄を除き)消極的です。将来的に、日本の人口は減り、高齢者人口は急増、
障害を持つ方々の社会進出はさらに進むとなれば、所得や免許の差別的欠格事項
に触れない一部の人しか利用できない自動車交通に頼っていたままというのは問
題をはらみます。
また、日本ではなぜか積極的な地下鉄建設に関しても、建設費はばく大なもの
で、長い階段を上り下りしなくてはいけない地下鉄は、東京のような巨大都市な
らともかく、100万人前後では負担ばかり増えていくもの。また、20〜50万人
の地方都市ともなると渋滞の影響を受けやすいバスに頼らざるをえません(バス
専用レーンをもっと厳しく取り締まっていれば別です)。
こうした問題には、なによりも「誰でも、気軽に」利用できる真の意味で「便
利」な交通機関が必要なのではないでしょうか。実はこうした日本ではまだとら
れていない交通政策を大胆に採用することで中心街が再活性化したという例はい
くつかあるようです。いずれこうした例にも触れていきたいと思います。
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