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漫歩通信
第10号 1999年10月1日発行

近江八幡を訪ねて
近江八幡の町は、豊臣秀次が本能寺の変後、安土城下の商工業らを移住させて開けたところで、近江商人ゆかりの地である。今回は近江八幡の街を歩いてみよう。

近江八幡駅に置いてあったガイドマップにはヴォーリズゆかりの建物も明記されている。近江八幡は、ヴォーリズがアメリカから明治38年に英語教師として来日したところで、その後、建築事務所を起こした彼の作品がいくつか残っている。それらが近江八幡の観光資源のひとつになっているようだ。

もともとの街の中心は城跡がある八幡山のふもとに広がり、東海道線近江八幡駅から2㎞ほど離れている。

白壁土蔵が建ち並ぶ八幡堀界隈の景観や新町界隈の古い町並みが伝統的建造物群保存地区に指定されている。重要文化財に指定されている旧西川家住宅が公開されており、郷土資料館などといっしょに見学することができる(入館料\300)。資料館の南側にある旧伴邸(市指定文化財)では現在改修工事が行なわれていた。

八幡堀は時代劇のロケ地としても知られるが、日牟礼八幡宮に渡る白雲橋の南側には「白雲館」がある。この建物は明治10年に八幡東中学校として建てられた擬洋風建築。その後八幡町役場に使用されてきた建物で近年観光案内所・ギャラリーとして整備、創建当時の姿に復元された。

ヴォーリズが設計に関与した建物として、白雲館の南側から東のほうにかけて村岡邸(旧岩瀬邸 昭8)、ヴォーリズ記念館(旧ヴォーリズ邸 昭7)、近江兄弟社学園幼稚園舎(大13)、旧YMCA会館(昭10)などが残っている。
内部が公開されている建物はヴォーリズ記念館だけで、見学するには事前の申し込みが必要だ。

旧八幡郵便局ではここで行なわれた公開イベントの模様を紹介した写真に保存を訴える看板が建てられていた。現在は空き家のようだが、有効に使ってもらいたいものだ。

また西のほうの池田町には大正2〜10年に建てられた洋風住宅が数軒残っている。

八幡堀に沿って西に向かうと町はずれの船木町に煉瓦煙突が残っている。ほかに煉瓦造りの廃屋も二三ある。これらは旧中川煉瓦製造所(大正初期)のもので、煉瓦煙突はホフマン窯の遺構である。また孫平治町にも同社縄縫工場の煉瓦造の建物が残っている。


 
新線開業初乗り記
[相模鉄道・横浜市地下鉄]
相模鉄道いずみ野線いずみ中央−湘南台間 3.1㎞は今年(99年)3月10日に開業した。さらに横浜市営地下鉄1号線戸塚−湘南台間 7.4㎞が8月29日に開業したのであわせて乗りに行く。

横浜で下車して相模鉄道乗り場へ。いずみ野線はいずみ野−いずみ中央間が90年4月に延長開業している。初めていずみ野線に乗ったのが87年だから12年前のことだ。その頃まだ造成地が広がっていた万騎が原あたりにもびっしり家々が並んでいる。90年に延長開業していずみ中央駅に下車しているが、この駅周辺も大きな建物ができたりしてずいぶん変わったようだ。それでも高架から見渡すと畑や木立など緑も多い。

いずみ中央から高架でしばらく走ると地下鉄の路線がそばに寄ってきて、丘陵地のトンネルに突っ込む形で終点湘南台に到着。横浜から30分ほど、ここは藤沢市だ。

この駅は小田急江ノ島線湘南台駅と接続しているが、地下鉄も含めた連絡通路がまだ整備されていない様子。地下ホームからいったん地上に出ると小田急湘南台駅があるが、こちらは橋上に改札口がある。

地下鉄に乗り換えるには、小田急線上にある橋上改札の前を通っていったん下に降り、さらに地下鉄構内に降りていくことになる。乗り換えはかなり不便だが、現在地下通路を工事しているようだから乗り継ぎは楽になるだろう。

次に地下鉄に乗り換える。横浜地下鉄は93年3月に新横浜−あざみ野間が延長開業している。正式には湘南台−関内間が1号線、関内−あざみ野間が3号線なのだが、電車は湘南台−あざみ野間40.4㎞を直通しており、国内地下鉄の一本の電車が走る路線としては一番長い路線らしい。湘南台を発車するとトンネルを出たような感じで地上に出て少し相模鉄道と並走、しかしすぐトンネルに入って下飯田駅に着く。自然光がはいる駅だ。

立場、中田、踊場と続き約10分ほどで戸塚に到着。電車は横浜の繁華街関内を経て横浜に向かう。(99.9.3)


[千葉都市モノレール]
千葉都市モノレールは88年3月に千城台−都賀−スポーツセンター間を開業し、その後91年6月に千葉まで、95年8月に千葉みなとまで延長してきた。今年3月開業した路線は千葉から分岐して県庁前までの1.7㎞。懸垂式のモノレール路線である。

千葉に出るのに常磐線柏から東武野田線に乗り換えて船橋に向かう。新柏あたりは新興住宅地として開けたところのようだが、その先はまだ雑木林や畑などが広がっている。しばらく走ると単線になり反対電車の交換待ちをする区間もある。

六実と鎌ヶ谷の間で北総開発鉄道と交差するが、そこにようやく東武の新駅−新鎌ヶ谷駅−が設けられようとしている(99.11.25開業)。北総開発鉄道が高砂から伸びて十年近く経つが、鎌ヶ谷付近の人にとって都心に向かうのにかなり便利になるのではないか。

鎌ヶ谷付近は高架工事が進められている。複線化もはかられるようだ。鎌ヶ谷を過ぎると船橋に近付くにつれ住宅が密集してくる。船橋で総武線に乗り換える。千葉で君津行に乗り継いで次の本千葉で下車する。ここは県庁などが近い。

駅から 500mほど歩いたところに千葉都市モノレールの県庁前駅がある。ここから千葉みなと行が発着する。

懸垂式モノレールだから足下が見下ろせる。5分で千葉に到着。都賀・千城台方面へは同じホーム反対側で乗り換えができるようになっている。

 千葉駅前にはフクロウの格好をした交番がある。(99.10.16.)



ヴォーリズの建てた池田町洋風住宅街の近くに近江八幡小学校がある。大正6年に建てられた建物は89年に解体されたのだが、新たに建てられた校舎はかつての校舎とよく似ている。こんな手の込んだ建物を造るなら元の校舎を保存すればいいのにと思う。(右写真:88.10.17.撮影)



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