このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

酔古ざつがく

おきなわの風習、文化、生活、その他もろもろ

  位牌 (イヘー)  トウトメ

沖縄の位牌は横長である。戒名は無く、生前の名前がそのまま書かれている。本土の様に一人だけの位牌では無く、代々の故人が連名で書かれている。その為、横長で二段の位牌となっている。一人一人の名は名札状の短冊に書かれ、それは位牌にはめ込められ、追加ができるようになっている。なぜかこれは合理的になっている。長男である家長が亡くなると、次の代の長男がトウトメを引継、代々の祖先の霊をまつることになる。私が沖縄に居たとき、そのトウトメを女性が相続するため、裁判沙汰になったことがあった。その時はトウトメ権という言葉を使っていた。沖縄では女性が神奉りを執り行うのであるが、トウトメに関しては男性が相続する。なにか不思議な気がする。

  十三祝い 年日祝い

 年日(としび)祝いというものがある。本土では還暦がこれにあたる。還暦の場合は生まれた年の干支が同じになる数え年の61才を祝うのであるが、年日祝いの場合は、13才、25才、37才、49才、61才と12年ごとに巡る十二支の同じ年にもお祝いをする。最初の時は十三祝いと呼ばれ、七五三の様に礼装を着て、記念写真を撮ったりもする。女性の場合は家でする最初で最後のお祝いとなるので盛大に行われるという。通常は正月の最初の干支の日にこのお祝いをする。近年は十三祝いの場合など、学校でまとまって行事をする事もあるようである。

  トーカチ   88才

沖縄では年寄りを非常に大切にする気風が強い。トーカチは旧暦の8月8日に行われる長寿のお祝いであるが、本土の米寿と同じ88才の長寿祝いである。他のお祝いは年日祝いであるがなぜか88才の米寿のお祝いが入っている。本土との交流から沖縄に入ったものであろうか。トーカチのいわれは”斗かき”の形をした竹筒をお土産に配ったことからきたものらしい。”斗かき”とは升に盛った米を平らにする道具である。本土の長寿を祝う行事には還暦(61才)、古希(70才)喜寿(77才)、傘寿(80才)、米寿(88才)、卒寿(90才)、白寿(99才)などがある。

  カジマヤー  97才

カジマヤーとは子供の玩具である風車を意味する言葉である。年寄りになると、童心に戻るところから、名付けられたようである。風車に赤ん坊は良く似合う風景である。この行事は地域全体でお祝いするもので、風車を飾り、旧暦の9月7日に行われる。年寄りを車に乗せ、村中をパレードするのである。

  ユイマール

農繁期など農作業で忙しい時に互いに手伝う事をいう。沖縄の場合はキビ刈りの時がこれにあたる。本土の”結い”がこれに近いのであろう。近年では金銭ですます事が多くなっている。ユイマールの歌なども出来ている。結構、沖縄では流行ったそうである。首里リュウボウの前にはユイマールという雑貨のお店がある。最近、立川市の介護保険のケアプラン作成事業者の中に”ゆいまある”の会社名を見つけた。沖縄のユイマールと関係があるのだろうか。つい、気になってしまった。

  命名札  

本土でも子供が産まれ、名前を付けた時に、半紙などにその名を記し飾るが、沖縄の場合は短冊に書いた命名札をお祝いを頂いた人にも配る。そして、命名札をもらった人は自分の家の中にその札を貼っている。親戚が多いせいか、壁には何枚もの命名札が飾られている。子供の名前を覚えるのには良い習慣である。私など義理の兄弟の名前を未だに覚えきれないでいる。ましてや、その子供達といったら、なおさらである。現在、18名の甥っ子姪っ子たちがいて、まだ増えそうな気配である。もう、名前を覚えるなんてお手上げである。

  清明祭



板線香
 シーミーと呼ばれ、3月始め頃の先祖供養のまつりである。もともとは中国から伝わったもので、中国の暦法の二十四節気の一つ清明の節の行事で、中国から帰化した久米村三十六姓の人々の間に行われていた。その日は一族が本家の墓に集まり、持ち寄ったごちそうを墓前に供え、盛大に宴を開いて親戚との交流を楽しむのである。本土で言えば、お彼岸とお花見が一緒になったような感じである。この行事は本島中南部が盛んで、それ以外の地域ではごく一部で行われているにすぎない。
沖縄の墓というと、亀甲墓が有名である。母体を模したものといわれ、その特異な形が知られている。また、家の形をした破風墓などもある。どちらも大きく、人が住めそうなぐらいの広さを持っている。戦時中は防空壕代わりにしたというはなしもある。王朝時代は亀甲墓や破風墓を一般庶民が作る事は禁止されていて、これが許されたのは明治以後である。
墓前には線香がたかれるがこの線香、本土のものとは少し違っている。板線香といい、黒い色で板状の香には縦に細長く数本の溝が刻んである。その溝に沿って、切り離し線香として立てるのである。
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