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2000年3月11日改正について


<<新登場>> 2000年3月11日改正で気になった点について線ごとに書いてみようと思います。 現在完成しているのは、智頭急行、
赤穂線山陽本線(姫路−岡山)
、そして
山陽新幹 線(新大阪−岡山)
です。
1.智頭急行 今回の改正の最大のセールスポイントは、特急「スーパーはくと」が大阪−鳥取を 最速2時間20分台で運転されるようになった事である。これは、新快速のスピード アップ(130km/h)とともに実施され、パンフレットなどでも宣伝されていた。  ただ、2時間20分台で運転されるのは1往復(7・10号)のみであり、それも 2時間29分での運転である。やや大げさという感もしないではないが、全体的に時 間短縮されたのは事実である。  大阪−鳥取では、改正前の最速が2時間32分(1・8号)、最遅が2時間39分 だった。改正後、最速で2時間29分(7・10号)、最遅が2時間35分(2号) となった。京都−倉吉では、改正前の最速が3時間37分(7・8号)、最遅が3時 間51分(4号)だった。改正後、最速で3時間32分(7・10号)、最遅が3時 間48分となった。    最もダイヤが改善されたのは9号で京都−倉吉で12分短縮された。一方、大阪− 鳥取では1号が2分、京都−倉吉では12号が4分遅くなっている。また、上り最終 「スーパーはくと12号」の時刻が繰り上がった(倉吉18分、鳥取12分)。  岡山特急「いなば」号は、4号のダイヤが約1時間繰り上がったほかは、ほぼ変わら ず所要時間が1〜2分前後する程度である。ただ、岡山−鳥取の最遅列車がこれまでよ り2分遅い2時間7分(5号)となった。  普通列車は運転本数についてはとくに変化はない。ダイヤが大きく変わったのは、上 り最終列車の時刻が大幅に繰り上がったことである。  大原以南では、改正前の上り最終列車は鳥取18時24分発上郡行き641D〜75 4Dだった。この列車は大原駅に19時46分に着き、「スーパーはくと12号」を待 避したあと、20時31分に出発していた。改正後の最終列車は大原始発の754D1 9時56分発となった。ちなみに、改正前の641D〜754Dは、列車番号が641 D〜756Dとなり、智頭駅で「スーパーはくと12号」を待避するため31分停車。 大原駅には20時07分に到着し、終着となった。  大原以北では、上り最終列車が鳥取発である点は変わらないが、鳥取発時刻が26分、 智頭発時刻、大原着時刻が43分も繰り上がった。  ローカル輸送が伸び悩む智頭急行ではあるが、今の所減便された事はない。だが、今 回の様に最終列車の時刻が繰り上がったことは以前にもある。利用客が少しでも見込め る時間帯に列車を設定し直しているのかもしれない。

2.赤穂線 播州赤穂以東では、平日の午前中に上り1本増発された。改正前は大体この時間 ぐらいに回送が運転されていたが、今回の改正で定期化された。この列車は、相生止めで あり、平日はここから相生で山陽本線と接続するダイヤに変更した。そのため、山陽本線 への乗り入れ列車が、平日には下り2本、上り1本減便された。    新快速の乗り入れは、改正前に比べて上り2本増えた。従来備前片上発だった728M 〜728T(土曜・休日は728M〜726T)が、播州赤穂発(7時16分発)に変更 され、平日は新快速となった。また、夕方以降に2本新快速化された。その一方、長年新 快速として運転されていた3304Mが、平日は952M播州赤穂8時52分発姫路行き 普通列車となった。現在では、新快速は平日下り6本、上り8本、土曜・休日は赤穂レジ ャー号(正月は運休するのが恒例となっている)を含めると、7往復という事になる。  播州赤穂以西では運転本数には変更はない。これまで1往復運転されていた備前片上発 着の快速(明石以東)が、播州赤穂で系統分割されるようになった。先述の朝の上りは、 岡山発に変更した(要は乗換え駅が備前片上から播州赤穂に変更された)。夕方の下りは、 播州赤穂−備前片上の区間運転となった。  そのため、播州赤穂発下り始発列車は備前片上行だったのが、岡山行きに変更(乗換え 不要)、逆に備前片上発上り最終列車は岡山発(250M)に変更となった。前者は日生 駅での停車時間がいっそう長くなった。後者は、西明石行きである点には変更はない。だ が、1本化されたことで編成が大幅に短縮されるようになった。現在250Mは3両編成 であるが、改正前の備前片上行き290Mは6両編成、西明石行き248Mは8両編成だ った。もっとも、混雑するのは西大寺付近までで、248Mは1両に数人、全く乗客のい ない車両もあったほどだったので、編成短縮は妥当ではある。  それから、夕方以降にダイヤの入れ替えも実施されている。改正前は上り岡山19時2 6分発と20時29分発は播州赤穂行、19時00分発が備前片上行、20時04分発が 長船行だった。それが、播州赤穂行が19時00分発と20時04分、備前片上行が19 時26分発、長船行が20時29分発となった。下りは、改正前岡山21時01分着は長 船発、21時29分着が備前片上発だったのが、改正後岡山21時02分発は備前片上発、 21時29分着は長船発というふうにダイヤの入れ替えが実施された。  3.山陽本線(姫路−岡山) 関西−九州寝台特急が14年ぶりに減便された。「あかつき」と「彗星」が京都−門司で 併結されるようになり、佐世保からとうとう寝台特急が消えた。「あかつき」佐世保編成は、 引き続き「彗星」に使用される事になった。  普通列車については兵庫県側では、赤穂線からの乗り入れ列車が減便された関係で、網干 −相生では平日下り2本、上り1本減った。また従来昼間は快速(221系6両)が1時間 に1本上郡発着だったが、網干発着に変更。編成が減少しているので、網干−上郡では輸送 力ダウンとなった。上郡へは姫路−上郡の区間運転列車(221系4両が主)が運転される ようになった。結果的には、1994年12月3日改正前の体制に戻る事になった。  一方、岡山県側では「のぞみ2号」接続列車である711Mの始発駅が三石から和気に改 められたが、改正前瀬戸601発713M(休日運休)の始発駅が三石となり、毎日運転さ れるようになった。それから、午前中の列車2往復の発着駅が入れ替わった。改正前は72 2M・731Mが吉永発着、724M・733Mが和気発着だった。それが、前者が和気発 着、後者が吉永発着となった。 3.山陽新幹線(新大阪−岡山) 今回の改正の最大の話題は「ひかりレールスター」の登場である。速くて(最高速度は「 700系のぞみ」と互角)、安くて(「のぞみ」に比べて)、多様なサービスを実施(サル ーンシート、オフィスシート、サイレンスカーなど)している列車である。 新大阪−博多18往復、新大阪−広島1往復の運転であり、東海道新幹線への乗り入れは行 われていない。1本を除き「のぞみ」には抜かれない点も魅力である。  「ひかりレールスター」が登場したことにより、山陽新幹線の運転体系が大幅に変化した。  従来のダイヤを大雑把に捉えれば、一時間に「のぞみ」1本、「ひかり」3本、「こだま」 2本だった。「ひかり」は岡山・広島・博多発着それぞれ1本ずつだった。広島発着「ひか り」列車の内2時間に1本が「ウェストひかり」であり、それを除けば殆ど東京発着列車だ った。  「ひかりレールスター」が登場したことで、東京−博多直通「ひかり」の本数がわずか3 往復まで激減したため、岡山以西の区間では東京直通「ひかり」が減少した。従来の東京− 博多「ひかり」(下り新大阪駅毎時06分発、上り新大阪毎時15分着が主)は広島発着と なった。従来の東京−広島「ひかり」(下り新大阪毎時41分発、上り新大阪38分着が主) 3往復が博多発着、1往復が広島発着、下り3本、上り4本が岡山発着となった。  東京−岡山「ひかり」(下り新大阪毎時49分発、上り新大阪31分着が主)の大半は西 明石に停車するになった。それにより、新大阪−姫路においては「こだま」がほぼ毎時1本、 半分近くの列車が廃止され、姫路発着となった。  今回の改正では、前の大きな動きがあった改正、1997年11月29日改正(500系 「のぞみ」東京乗り入れ開始した)とは、違った動きが見られた。その改正では、「ひかり」 の速達化実施のため、一部の例外を除き小駅の停車をやめた。JR西日本得意の停車駅とダイ ヤのパターン化が実現」された。また、「ひかり」に抜かれる「ひかり」も廃止した。  ところが、今回の改正では、小駅である西明石が「ひかり」停車駅となり、「ひかり」に 抜かれる「ひかり」は復活した。一方で、「ひかり」の停車パターンも若干崩れた。姫路、 小郡に停車し、福山を通過する「ひかり」、小郡を通過し徳山に停車する「ひかり」などが それである。「レールスター」が登場したことで、時間帯によっては速達「ひかり」が増便 されたところもある。そこでは交互に停車させることで、多くの駅の利便性を高め、全体的 に速達化を実現しているのである。  ここまでは、運転体系を中心に今改正を捉えてきた。今度は、兵庫県内の停車駅を改正前 後の利便性を比較してみようと思う。私は以下の様に捉えている。   新神戸 「ひかりレールスター」の登場により、西行きがスピードアップ且つ増発され便利     になった。 西明石 東京直通「ひかり」が大増発(大量復活)され、東行きは利便性がかなり向上。西     行きも岡山へは「ひかり」により速達化され向上。相生、新倉敷などの小駅には直     通「こだま」が減少したが、依然として1時間毎に運転されているし、「ひかり」     からの姫路で乗り換え可能であり、それほど問題にならない。 姫路  従来博多「ひかり」は殆ど停車していなかった。今改正で停車本数が増加し、西行     きが速達化された。また、姫路折り返し「こだま」の大半が岡山で「のぞみ」接続     し、西行きの利便性は大幅向上した。     東行きは、「こだま」が減便されたが、元々西明石で抜かれていたので、利便性が     低下したことにはならない。岡山「ひかり」の西明石停車で若干東行きの所要時間     が延びたが、福山や小郡とは違い、東京直通「ひかり」が減少していないので、特     に利便性が低下したことにはならない。     相生  西行きは、臨時扱いだった始発・最終「のぞみ」接続「こだま」は廃止されたが、     トータルの停車本数に変化はない。また、前述の様に岡山での「のぞみ」接続と一     部の「ひかりレールスター」接続により利便性は向上した。     一方、東行きは約半分が姫路折り返し「こだま」となったため、県都の駅である新     神戸すらへも1時間に1本しか直通しなくなった。姫路で乗り換えが必要となり(     上りは階段を利用しなければならない)、利用するのが面倒になった。また残った     新大阪直通「こだま」も改正前とは違い「のぞみ」接続が悪くなり、利用が困難な     ダイヤとなった。  西行きについては、概ね改善、特に姫路の向上が目立つ。東行きについては小駅において 明暗がはっきり分かれた。西明石が大幅に向上したが、相生は駅の存在意義が一層低下した。  最後に、今改正では食堂車及びビュッフェの営業が廃止されたことも付け加えておく。     


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