このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
Happy Together 北海道 ’97夏
旅行日:97.7.27〜8.1
<800キロあまりの大移動日 2日目>
新潟あたりで目覚め、村上で乗り換えたことだけはしっかり記憶にあるのだが、途中はほとんど夢の中。やっぱり睡魔にはかなわない。余目を過ぎたあたりで軽く体操して強制的に起こし、酒田では早速郵便局へと足を向ける。1時間半も時間をつぶそうものならこれしかない。ここからはあの悪評高き701系で次は秋田だ。
新潟では小雨が降っていたのに、酒田はすっかり晴れて右手に鳥海山がきれいに見える。さらに女鹿のあたりからは日本海も顔を出す。ただロングシートで地方を旅するのはキツく、座りながら過ぎゆく車窓を眺めようとすれば、首が痛くて仕方ない。詰め込みはきくかも知れないが、疲れやすかったり、食事しにくかったり(私は気にしないが)と、ロングシートの問題点は語り尽くせないほどたくさんあるのに。
「あっ!こまち」と思えばいよいよ秋田、でも16分しかない。大慌てで駅前郵便局と観光案内所に挨拶し、ギリギリに着けば快速「しらゆき」はかなりの乗車率でびっくり! 近ごろ合理化のために両数が少なくなってきたので「地方の電車は空いてるもの」という考えはそろそろ捨てなければならないようだ。ただスピードの方はなかなかで、八郎潟も「これかいな?」と思っているうちに通り過ぎてしまった。
鷹巣では女性運転士で有名になった急行「もりよし」や、8分停車の大館で小坂鉄道の旧駅舎をちらっと見て来たのち、私だけは大鰐温泉で降りて弘南鉄道へ乗り換える。何ともひなびた駅で、温泉がありそうな気配もなく、本当に30分おきに電車が走っているのかという気がするが、ともかく14時20分発で弘前まで。案の定がらがらで、さらに津軽大沢だったかの留置線には塗装のかなりはげ落ちたボロい電車が納涼列車の看板をつけて2本ほど止まっていた。いかにもローカル私鉄という風情である。まさか本当に使ってないだろうねぇ。
30分足らずで着いて、終点の中央弘前から500mほどのJR弘前までは徒歩連絡。途中道を誤ったため、「弘前城でも行ってきたら」と言って別れた家族とニアミスしながら、15時10分頃にやっと着き、「リゾートしらかみ」の撮影に。ところが非情にも事故で10分ほど遅れて到着し、撮影時間は実質2分。「せいては事をし損じる」の言葉通り、仕上がりは全然で、運が悪かったとしか慰めようがない。
今度は36分発の青森行きで川部まで出て、来春の廃止が噂される黒石線に乗ってみる。郵便局に寄ってから後ろにきれいに岩木山がそびえる川部駅へ戻ってみれば、確かに客は5人ほど、線路も50キロ以上だせば脱線しそうなほどがたがたで、「これなら廃線もやむを得ないだろう」、と思えてくる。リンゴ畑と田んぼがほとんどの土地を、かなり年季の入ったディーゼルカーでコトコト進み、相当な横揺れに見舞われながらもどうにか9分で着いた。
黒石で郵便局へ行こうとしてまた道に迷い、走りに走ってどうにかベルが鳴っている最中に帰ってきた、という今思い出してもぞっとするような事を経験しながら、弘前でめでたく家族と合流。次はいよいよ青森で、名高い岩木山にもお別れだ。またまた701系のロングシートで何をするでもなくぼんやり外を眺め、5分の接続でそそくさと「海峡」に。さすがに自由席は3両しかないので混んでいる。みんな「ミッドナイト」の客なのか。とりあえずカーペットカーに僅かなすき間を見つけて、ほどなく発車した。
「津軽湾がきれいだな」と思っていると、意外にも奥内・蟹田で地元の客がかなりの数降り、おかげで足を伸ばしてゆっくりするうち、いよいよ青函トンネルに入った。手前に短いトンネルがいくつもあったから、いつの間にかである。車窓の方は、瀬戸大橋のように小さい島々や海峡を通る船などは見えるわけもなく(もっとも魚がいたり、波の音が聞こえでもしたら大変だ!)、また所要時間も40分ほどかかり、何とも退屈。車内放送で車掌と運転士とが漫才をやるなり、車内にTVをつけるなりの対策が必要ではないか。
出るときもまた気がつけばで、もう外は夜の北海道。函館に近づくにつれてイカ釣り船や街の灯りが見えてくる。ゴトゴトゴト、と転てつ機を渡る音と共に大きく揺れて、青森から2時間半にして函館着。「は〜るばる来たぜは〜こだけ」と、思わず口から出てしまう。 ただ函館の夜が早いのには困ったもの。21時前なのにほとんどの店が閉まっているのだ。何とか丼屋だけは見つけ、マグロソースカツ丼(650円)なるものにありつけたが、これがラストオーダーで、食べてる横から片付けだすからせわしない。
もちろん食べたあとも、時間をつぶすところすらないので、やむなくコンビニ経由で駅へ舞い戻らざるを得ない。ただ不幸中の幸いで、発車の50分も前に「ミッドナイト」は入線していて、検札も発車前にすんだので、今夜は目一杯寝られる。敷き布団を半分に折っても7人分しかとれず、「こんなわずかなスペースに9人も寝れるわけがないじゃないか」と車掌にキレるハプニングもあったが、2日目も大した事もなく終了した。
(ただ1ヶ月後の8月25日に、弘南線で信号の見落としによる列車同士の衝突事故があって、非常に驚いた事は言うまでもない。旅した後にそこで事故があったという事ほど、イヤなことはない)
○写真1・・・酒田をすぎると晴れてきて、所々でこんなにきれいな海岸線も。
○写真2・・・大慌てで撮った「リゾートしらかみ」。いつかは乗ってやりたい。
○写真3・・・やはり廃止されてしまった弘南鉄道黒石線。この古めかしさが良かったのに。川部にて。
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