このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

99.01.17新規

(7) 寒中発熱イバラの道

 第三セクター井原鉄道の井原線(総社市-広島県深安郡神辺町)が開業した。これまで新線が開業しても数ヶ月たってから乗りに行くことが多かったのだが、今世紀最後の鉄道新線になるらしいし、開業日が筆者の休日と一致したこともあり、いっぺんくらい開業日の新線訪問も良かろうと寒い中出かけてみた。
 初便は「オマツリ」になるだろうと総社からの1317発をねらって総社駅に着いたのだが、改札を出たところからすごい行列になっており、キップを買うまでに発車時刻を過ぎてしまうと思われ、行列の大嫌いな筆者はあっさり断念し、その日は倉敷-福山-広島-岩国でα-1岩国に泊となった。
 翌日、バスで新岩国まで行き(これも今回のテーマ)、広島乗り換えで瀬野まで行き、スカイレールサービスに乗る。ロープウェイがモノレールになったようなもので、瀬野駅前のみどり口からみどり中街という中間駅を経てみどり中央までのわずか1.3Kの路線。これのためだけにはるばるここまで来るには気が引けたので、井原鉄道とセットで片づけるつもりで温存していた。
 沿線が住宅地になっており歩いて昇るにはかなり急勾配なので住民の足となるべく作られたのだろうが、まだ開発中で、特にみどり中央付近には家が無く、だいぶ前にのった「山万」のユーカリが丘線を思い出した。駅の近くならすこぶる便利だが、駅からさらに勾配を上り下りするところに家があると歩くのはなかなかつらく、きっと駅のちかくは地価が高いのだろうと思われる。記念乗車券(1往復分\300)を買ったら、駅員がわざわざ出てきて、スカイレールからのご挨拶・スカイレールシステム全体構成と書いた案内をくれた。平日の午前1000頃のことなので他に客はおらず、往復とも貸切で、客がいなくとも時間で運行されておりカラのくるまが行ったり来たりしていた。当面はエレベータのようなデマンド運行でも十分だと思われた。縁起でもないが、もし故障でもして不通になったら家まで急勾配を昇って帰らねばならないと考えたらうんざりである。新規造成の住宅地など似たような地形のところも多いのでこのような交通機関は注目されるかも知れない。
 井原鉄道のほうは帰路に福山乗り入れ便をつかまえることにして、もしここもオマツリになっていたら日を改めて来ることと覚悟していた。前日より体調芳しくなく、熱もでてきた。駅ビルで薬を買って飲んでいるがなんにも効かない。
 福山のホームに30分くらい前に出場してみると井原線狙いの客は数人しか見えず、これはいけそうだと1310総社行を待つ。来たのは単行で発車時にはほぼ満席となる。昨日よりはだいぶましである。乗客は地元の老人が圧倒的で、あとは一目でわかるマニアな人たちで構成されていた。
 片面1ボックス分のガラスになにか開業のステッカー見たいのが張り付けてあってここに座ってしまった人は外が見にくくぶうぶう言っていた。これはたしかによろしくない。
 沿線は住宅が続いていて利用者がいそうではあるが、福山乗り入れが少なく、倉敷方面は直通していないので、どっち方面に客が流れるのかわからないが、ちょっと不便といえる。
 行き違いで待たされ、伯備線の影響で清音でも待たされ7分延で総社着。清音で降りた客は倉敷方面に接続されなかったようである。福塩線はともかく、伯備線は特急も抱えていてちょっと乱れると井原線内も影響するようである。
 総社で楽に接続するはずの岡山行が10分遅れで来た。岡山で10分待ちでひかりの指定席を取ってあり、これでは絶望的である。発熱状態で自由席乗り継ぎはしんどい。回ってきた車掌に新幹線の指定を取ってあるのだがと救済を求める。一応指令と交渉すると言ったきり、その後なんにも言ってこないのでだめだったのだろうと思っていたら岡山到着時の案内で新幹線を待たせているので急げとのこと。他にも乗り継ぎの客がいたらしい。こちらは特急でもないのに天下のひかり号様を待たせるのは痛快であるが、悪いので車掌に礼を言いダッシュする。ひかり168号は4分延発となったがさすが300系(?)で新大阪までには回復した。
 新線開業は地元のフィーバーが落ち着いてからにした方が楽しめるようである。

 翌日は39度まで発熱し数日間ダウンした。

スカイレール記念乗車券の台紙

みどり中央駅。あたりには何もない。

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