このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

00.01.11新規

(15) 旅病人はつらい

 かの宮脇俊三先生は旅先で歯が痛くなり、かの内田百間(字がない)先生は旅先で高熱をだされたそうであるが、出先で病気になるということもある程度避けられない。だいぶ前だが名古屋のカプセルホテル宿泊中に尿路結石に見まわれ夜間救急で注射3本と座薬を受け、結局朝まで待合室のいすに寝ころんでいたことがあった。経験者はご存知だろうがこれがたいそう痛く、「のたうちまわる」という表現がオーバーでない。自分は結局旅先で死ぬ運命にあるのかと考えさせられた。
 「寒中発熱イバラの道」でも取りあげたが、ここのところ旅に出ると病気になる事が続いた。本文には書かなかったが、南筑波線のときも古河で泊まっているあたりから発熱し帰ってから寝込んだのである。
 昨年(99年)軽井沢から草津へ抜けてさらに往年の渋峠線よろしく湯田中に至る行程で出かけた。朝からのどの具合が悪く、一応風邪薬を持参し、のど飴をなめながらの出発となった。新幹線に乗っているうちにだんだんやばい雰囲気になり熱が出そうな雰囲気になってきた。
 軽井沢で1時間半くらい待合があったので駅構内の案内図で病院を探して行くことにした。駅のすぐ近くに北沢クリニックという医院があり、既に午前中の受付は終わっていたのだがまだ開いていたので診察をお願いした。夏期のみ避暑がてら開業しているようなこぢんまりした施設で、いかにも病院といった威圧感が全くない。これなら旅先で病院に行くという「不本意の極み」という印象を持たずに済む。避暑に来ている世の人たちも同じ気持ちになるであろう。そういう心遣いの設計なのかもしれない。
 診察室というには狭い診察室に入り、朝からのどが痛くて、今のところ熱はないが熱が出そうなので大事をとって来た、というと先生(女医サマ!)はのどを見ながら「これはまもなく熱出ますよ」と天気予報の様なことをのたまった。
 薬をもらって早速飲んで草津温泉行きの(それも遠回りの)バスに乗る。持参の体温計で検温すると39.3℃もある。予報通りである。関節も痛くなってきた。それでも草津温泉-長野原-(旧道)-草津温泉ときっかり行程をこなした。長野原折返のころは相当しんどかった。草津温泉内にはビジネスホテルもありここに投宿したが、外湯でも行こうとしていたのもさすがにやめて、薬局で熱さまシートと背中に貼る用のカイロと水分補給のため飲み物を買って帰り、軽井沢でもらった薬を飲んで寝た。
 もらった薬は頓服というようなものではないただの白い錠剤なのだがこれがよく効き、滝のように大汗をかいてシーツもぐっしょりになるほどであった。最近は市販の解熱剤では汗をかかなくなっていたので久しぶりの大汗できもちがよい。サウナでもこんなに発汗しない。夜半に起きて館内の温泉浴場で汗を流してまた寝た。
 翌朝は多少熱は残っていたが昨日よりははるかにマシで、カップうどんを食べて出発した。昼頃までには熱も引き夜にはビールを飲めるまでに回復した。
 さすがに医家向けの薬は効きが違う。やばそうならすぐ病院に行くのが治癒の早道である。とくれば保険証は必ず携行して行かねばならない。(無くてもなんとかなる方法もあるが)
 一般の人は旅に出るとそれなりに緊張感を持って過ごすであろうが、タビービト族は旅に出ると緊張が解けて風邪を引くのかもしれない。

*軽井沢の女医サマ曰く、「こういうときには胃腸が弱ってくるから食欲がなければ食べなくて良い。」と。
「少しでも食べて力を付けて、、(=どこかの歌詞?)」という俗説は間違いのようですな!!
平常時に48時間の週末断食をしたことがあるが、たしかに水さえ飲んでいれば2-3日はもつでしょう。

もらった薬の袋は記念(教訓?)にとってある。


644-87452(長野原) 軽井沢にて99/08

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