このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

木のこと家のこと 

下敷きの必要な家に住みたい

 木造の校舎が見直されてきている。これは国内の林業の活性化のためや地場産業の育成のためなど、理由は様々であるが、木造校舎で楽しそうにしている子供達を見ると何故かホッとする。

 先週の朝日新聞に面白い記事があった。長野県内にある小学校での話だったのだが、そこは3年前に全面改築して木造校舎にしたそうである。当然柱・床・壁などは当然として、机も昔ながらの木の机で、しかも面白いのは高さが調整できる機能が付き、机の天板は1年生の時に一人一枚ずつ配られ、6年間使い、卒業時に記念にもらえるというもの。
 つまり、6年間自分の物として大切に使わなければならない。

 僕も小学校5年生まで木造校舎だった。床も雑巾で一生懸命拭いた。転んでも痛くない木の床。やっぱり建物として思い出すのは木造校舎である。
 机も椅子も木製で、当然の事ながら下敷きが必要である。現在の生活の中で下敷きが必要な場面ってあるのだろうか?多分無いような気がする。どこに行っても樹脂や合板で出来た机だし、しかもパソコンの普及で鉛筆自体手に持つ機会が激減した。
 そして机や椅子が反ったり壊れたりした時は、用務員のおじさんが一生懸命直してくれた。今でもその背中を何となく思い出す。
 
 わが家も書き物をするカウンターは木である。そして将来子供が使う机も木にしようと思う。もちろん下敷きが必要になる。
 そして、用務員のおじさんのように直して大切に使う姿を自分の子供達にも見せてあげたいと思う。父親の背中として・・

 今30年しか保たないような家の建て方を見直す動きがある。とても良いことだと思う。耐久性の高い材で家を建てるのも必要だが、やはり住まい手が工業製品としての物(家)でなく、本当の意味での家を大切に使う(住まう)気持ちが必要なのだと思う。長く住むには家のメンテが不可欠である。そして大切に使うという気持ちが必要である。
 ポリ合板や樹脂で出来た家や家具を元通りにするのは至難の業である。ある意味交換するしか手だてがない。これでは家を物としか見ることが出来ない。
 しかし、本物の木は直すことが可能である。そして父親が直し、その姿を子供達が感じ・・こうやって物を大事にする心が芽生えていくのだと思う。

 あなたも下敷きが必要な家に住んでみませんか?



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