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04.カンカン遍路行状記Ⅰ

(芸東組合アキカン入れの巻)



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 高知県東洋町に足を踏み入れると上の写真のようなゴミ入れが、「芸東衛生組合」の名札
を付け、室戸市を過ぎても延々と続いている。
しかも家屋の密集した場所に設置してある。周りの二階の窓からは、ゴミの置き場が一目瞭
然である。人影もある。だから区分けされている『ゴミ置き場』は決められたように使用され、
整頓されているのかも知れない。都会では考えられない光景である。

 2004年の四国遍路、2月1日四国の地を踏んだ。遍路といいながら88霊場巡りではない。
『アキカン引取り所』確定の総仕上げ、3年目の行脚である。
『アキカン引取り所』まだまだ目が粗く、不十分ではあるがどうやら形になってきた。3年間
小澤氏と同行。アキカン引取りの遍路宿に宿泊、寺に詣で、店で会話の変則遍路であった。
これも今年で終わり、小澤氏とのコンビも解消である。
 来年からはアキカン引取りには関係なく、88霊場番外20霊場巡りに戻ることになる。勿論
アキカン拾いとアキカン引取り所依頼のアルバイトは続けるのだが……

 今年は「タマちゃん袋」で133、去年に比べると50袋ほど少ない勘定になる。
珍しく吹雪に見舞われたこと。小田町役場前ゴミ箱を利用した翌日から本降りの雪、歩き出
して間もなくそれが吹雪に変った。宿も商店もアキカン引取り場所は、それぞれの理由で本
日休業である。勿論休業でなくても吹雪の中でのアキカン拾いは出来なかった筈。計画の変
更、美川村20のアキカンいれを巡ることすらなかった。現実にアキカン拾いは天候に左右さ
れることが体験できた。
足摺から月山コースも時間をかけてもテクテク歩いただけ、これが50袋減少の一因であった
かも知れない。


 
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 ゴミは汚い、臭い。だから目立たない場所に……が都会の通論である。
四国だって、問題がないわけではない。
人家のない場所はゴミの山であり、人目のないゴミ置き場は同様に乱雑なゴミの山である。
しかも住民以外のゴミの持込禁止と鍵をかけたゴミ置き場すらある。モラルのない人間の我
侭さを見せ付けられれば、当然のことである。

 囲われたゴミ置き場の中は綺麗である。しかし田圃も畑も藪の中まで、タイヤに始まって
あらゆるゴミが捨ててある。ゴミ置き場が綺麗で自然が汚れている。人間の美的感覚とは不
思議なものである。
 ゴミなど拾う必要はない。捨ててなければの話である。しかし安易にポイ捨てされるのが、
ゴミの現実である。捨てられる限り、いつか誰かが処理しなければならない。のも現実であ
る。写真のゴミを処分する費用負担は、処理業者でも役所でもない。
『あなたとわたし』以外誰もいない。

 今年の最大の収穫は、高知県の東洋町、室戸市、奈半利町、安田町、田野町、安田町、の
5市町を貫く55号線。沿線に設置された『アキカン入れ』利用の許可をいただいたこと。
そしてそれを初めて利用したことである。
 
 『市場町のアキカン入れ』『美川村のアキカン入れ』『上記5市町アキカン入れ…(芸東組
合管理)』とアキカンだけを引き取る場所の増えつつあることは心強い。アキカンだけを引き
取るアキカン入れが四国の道に設置されたら、アキカンを処理するのにゴミとなるビニール
袋を使わずに済むからである。
一日も早く ≪タマちゃん袋≫ とお別れしたいものである。

 やがてポイ捨てがなくなり、アキカン入れが撤去される。
生きている間に眺めたい日本の風景である。

04.カンカン遍路行状記Ⅱに続く

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