このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
4.バスの現況
4−1 バス3社
前述したように、岐阜市内で路線バスを運行しているのは、岐阜バス(岐阜乗合自動車)、名鉄バス、市営バスの3社でした。現在、2005年になって、名鉄が路線を岐阜バスに委譲し、また、市営バスも路線を岐阜バスに移すとのことです。
この3社のうち、岐阜バスがもっとも多くの路線を持ち、徴密な路線網を広げています。電車路線とも並行した、美濃へ向かう路線や谷汲へ向かう路線などを持っているわけです。このあと触れますが、市街近郊の住宅団地などから市内中心部への路線が整備されており、通学バスなど交通流のニーズに沿ったダイヤが工夫されているなど、現代的です。岐阜バスには中・長距離路線もあり、新岐阜駅となりのバスターミナルへ各地から人を集める路線網を広げています。
名鉄バスは、高富から徹明町、新岐阜、岐阜駅前をまわり、再び千手堂へ戻って西へ行き鏡島へ向かう旧岐阜市内線の路線を継承した路線を運行しており、市内のメインストリート(旧電車通り)を走る市街地のみを走っています。
市営バスは、長良川をはさんだ南北市街地を結び、市街地の拡大に伴って路線を拡大し、前述の通り電車を補う役割を持った企業体でしたが、岐阜バスに路線を譲り、現在、市内を循環する2路線になっています。現行の路線は、まさに市街人口密集地をカバーしていると言えるのではないでしょうか。しっかり、南の県庁と北の長良川メモリアルセンターを中心とするメッセ地域をカバーしています。しかし、今年度いっぱいで岐阜バスへ全路線を譲渡することになっています。
さて、市内最大の路線網を持っている岐阜バス=岐阜乗合自動車は岐阜市を中心に路線を伸ばしています。前述の通り、岐阜市街北部の谷から岐阜の街へ降りてくる路線や、関・美濃・八幡といった長良川上流からの路線、各務ヶ原に重ねられた路線などがドル箱なのでしょう。この岐阜市内最大のバス会社が、今後、岐阜市内の路面公共交通を担う会社となるわけです。
4−2 バス路線の特徴
岐阜乗合自動車(岐阜バス)は、岐阜県内中央部から長良川上流へ路線を延ばしています。北は庄川から岐阜まで降りてくる路線や、高速バスも東京や大阪京都、もちろん長良川流域の八幡、美濃、関から名古屋への路線も高速道路をたどって運行されています。岐阜市内外の路線も徴密に引かれています。
高速線以外は前述の北の山地の谷からの路線として板取・神崎・塩後といった山県市北部からの路線、伊自良・掛堂・谷汲山の本巣市の北部からの路線、南の輪中地帯には海津町への路線、各務ヶ原では鵜沼・関・御柿野をそれぞれ結ぶ路線網が引かれています。長良川流域では、美濃を中心に、長良川の両岸に武芸川などへ向かう路線が引かれています。
名鉄美濃町線や揖斐線に沿ったバス路線としては、北方など沿線の中心地や大桐緑団地など住宅地から新岐阜へ向かう路線があります。岐阜市内では格子状の幹線道路それぞれに路線があり、それらの路線は新岐阜駅岐阜駅で収束します。
旧名鉄バスの路線は、40年前に廃止された鏡島線と高富線、長良橋から徹明町への路線で、まさに路面電車をバスに置き換えた路線が21世紀まで維持されていた形です。逆にこれを路面電車に置き換えるという政策があっても良かったかもしれません。
市営バスの路線は、長良川北岸のコンベンションセンター地域を循環する路線と、駅南の加納町への路線、県庁への路線が最後の路線となっています。これらの路線も、岐阜バスへ統合される予定です。
4−3 バスなりの努力
岐阜市においても「オムニバスタウン」の指定を受けて、バス路線の近代化が行われるわけですが、構想地図を見ますと、JR名鉄それぞれの岐阜駅を中心とする放射線を整備する事になっています。岐阜市は、環状道路が整備されたので環状道路から内側の各路線を整備することは理にかなっているかと思われるのですが、岐阜市の中心街の構造を受けた形で考えた方がいいかもしれません。
オムニバスタウンの先行例として、浜松がありますが、かの地ではバス停の高機能化などが進んでおり、路線にも工夫が大いに見られるわけで、この手法が岐阜でどのように展開するか楽しみではあります。
さて、放射線の整備路線は、西へ向かう市民病院への路線、長良橋・金華橋・忠節橋を渡る北からの路線、南へ向かう県庁・鶉への路線、東へ向かい野一色の県立病院への路線が設定されています。大学・病院など近郊の公共施設を拠点に鉄道駅へ路線を集める形の整備路線の設定は、駅を中心とした都市計画を考えているのであれば正解かもしれませんが、現状の岐阜市街の都市構造をどう捉えるかによっては、処方箋違いかもしれません。
そのうち、長良橋から市役所の前を通ってもとの電車通りをJR駅前までの路線は、バスレーンやPTPSの整備が計画されています。確かにこの通りは市役所付近から南は充分な道幅が確保されており、徹明町まではバスレーンを確保できるわけです。もちろん名鉄の路面電車の運営費用に比べてバス路線の整備や、バス企業への補助などが安く付くのでしょう。浜松同様、バス運営企業が一本化されるのは、ある意味望ましい形とは思われますが、オムニバスタウン浜松でLRT構想が盛り上がっているのはどういうことなのでしょう?
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