このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

8.景観例

 

 

8−1 旧市街

 さて、最後に、「電車のある」岐阜の街を想像した様子を描いて終わりにしたいと思います。景観例として5つの風景を上げてみます。旧市街地は、金華山麓の本町付近をイメージしてみます。

 残っている古い家々を修復、室内の近代化を進め、街全体を歴史を感じさせる博物館として、各地の書画骨董、和服などを展示販売するような街のなかを丸窓電車が走ります。長良橋通りも自動車上下1車線ずつ、バスレーン兼用の電車複線を配置し、残りは広い歩道として「国盗り物語」の世界を味わえるような、掲示、イベント、散歩道の整備を進めて行きたいですね。

 うだつの家々は室内を近代化して防火防災に役立つよう工夫します。裏通りは軽自動車などでの共同配送路とし、高齢者が慣れ親しんだ雰囲気のある古い住宅街を維持しておくことで、観光客が入り込んでも街の雰囲気を味わえるような地域にします。垣根や盆栽のある民家を使った隠れ家的な和食レストランや割烹などがぽつぽつ見られるという感じでしょうか。

 

8−2 繁華街

 唄に歌われた柳ヶ瀬は面的な広がりがあります。前述したように、アーケード街が整備されていますから、通りごとに販売品目を特化させる工夫ができないでしょうか。例えば、アメリカ村のようなヤングファッション街、その通りの奥や空いたビルなどを裏原宿的な趣味の店で固めるとか、学生が集まる本屋、スポーツショップ街、大須もびっくりの電気街、錦小路のような乾物、漬け物屋、総菜屋街、百円ショップばかりの通り、築地場外市場のような寿司屋、食堂街、合羽橋のような道具街、東急ハンズまで行かなくて済む各種文房具やパーティーグッズの専門店街、浅草六区や道頓堀のような映画、劇場街、もちろん、岐阜の地場産業である繊維街、アダルトファッション街、そしてすてきなママが居るような店店の料飲街、粋な黒塀の料亭街、黒塗りの車が横付けするようなグランドキャバレー、さらにピンクの看板……。

 もちろん現在でも中心になる店が何軒か有り、人も来るのですが、空いた店やビルを活用して、毎週名古屋まで行く人たちや日頃コンビニやロードサイド店で用を済ませている人たちに月に1〜2回ぐらいは柳ヶ瀬で買い物を楽しむようにしてもらえれば、再興のきっかけになるのではないか。という妄想です。岐阜近郊50万人を相手にするとして、電車やバス賃分ぐらい割り引くぐらい買ってもらえればもりあがるのではないのでしょうか。

 

8−3 ニュータウン

 里山の麓に広がる住宅団地は、ロードサイド店やコンビニによって成り立っていますね。この消費行動は変えることはできないとしても、ここから街や駅へ向かう人たちをバスや電車に乗せることは出来そうな気がします。こんどはコミュニティーバスをきめ細かく設定し、電車停留所に付けるようにします。通勤時には市街地へのダイレクトな系統を設定します。

 住宅地→電車→新幹線→中京圏外という移動を可能とする交通系統を整備することで、そのうちの市街地までの行き来は頻繁になるでしょうから、電車へのアプローチをシームレスに造ることで極端なこと自動車からの乗り換えも期待したいです。

 また、住宅地から電停まで、バス、自動車、自転車など集まってくる事になるわけですから、どのモードによるものでもアプローチしやすいデザインにしなければなりません。手本になる姿を不勉強にして私は知りません。これはまさに岐阜の人たちの宿題ですね。

 

8−4 近郊農業地域

 ニュータウンは元々里山の麓の農地であったわけですから、この住宅地に隣接して古い集落が見られる地点が多いのです。近年では岐阜でさえも、農地を住宅地にする動きが止まらないようで、いわゆる「一反開発」的な小さな家を連ねる宅地開発が行われているようです。

 美濃町線は古い集落を貫いて運行されていたのですが、はっきり言って人口の増加を期待できない地点の停留所の積み重ねで、じり貧になるのは分かっていたのではなかったでしょうか。

 これに対して名鉄や行政が何かをしたのか、私は不勉強にしてわかりませんが、そういう環境であっても乗客の増加のための工夫はあったのではないかとも思えるのです。例えば若い人に対するサービスとか、高齢者に対するサービスですね。農家もニュータウンの新住民も車を持っているのは当たり前ですから、家庭に車のない時間や、車を使わなくていい用事に電車を使ってもらう工夫といったこともできたのではなかったか、と思うのです。

 これだけ道路が整備されてしまって、どうこう言うのは遅いのですが、人口密度の低い農業地域の人々に電車を使うことは、生産基盤を守ることになるという教育も必要だったのかもしれませんね。農家の人がP&R出来るようになれば、まだ日本も捨てたものでないと思えます。

 

8−5 工業流通地域

 国道21号バイパス沿線は新しい工業流通地区として旧市街地の機能が移転してきている地域です。こういった地域こそ、LRTを必要としていると言えましょう。

 働く人々の多くが旧市街地から通勤する人々であれば、通勤による道路渋滞が起こるはずですね。もちろん前述の里山のニュータウンからの人もいるでしょうから、電車の出番になるであろう事は明らかです。特にこの妄想では、加納町南の流通地区へ路線を延ばすよう主張していますので市街の北東西から人を集めるツールとして電車を捉えてもらえれば幸いです。

 田神の名鉄岐阜工場も工業団地の一角に交通企業の1社として工場を構えたわけで、新しい路線が南へ延びたときには、流通地区の一角に工場を構えることが出来ればいいでしょう。

 通勤のための交通流が確保できれば、新企業の定収が確保できるので、これを元手に業態を拡大することもできるでしょう。

 

 

 

 

 

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