このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

9.妄想企業設立?

 

 

 この一連の廃止騒動で、鉄道会社の限界と可能性が大分見えたのではないでしょうか。

 名鉄の撤退に際し、様々な意見や活動が広がって、海外企業まで登場したという展開は今までの日本の交通企業や交通行政の発想を超えた出来事だったのかもしれません。これは規制緩和によって、鉄道業も参入退出のハードルが低くなったからでしたね。わたしたちマニアは、真剣に考え、勉強するほど交通に関していろいろな事を知らなければならなくなっているわけです。一方、規制が緩くなったのなら、環境や都市計画などの新しい課題に、課題解消のための補助制度などを組み合わせて、鉄道商売をうまくやれるのではないかとも思えるのです。

 岐阜の場合、既存路線がまとまっていた事もあって、誰かがやれるんじゃないかという期待も広がったのですが、やはり、地方都市の交通企業の運営ですから、各種の立場から厳しい条件や環境が明らかになり、結局手じまいという結論になったわけですね。

 ただ、このまま終わらせるのはあまりに惜しい。そこで、こんな妄想鉄道を描いてみたわけです。言えることは

  ・人口30万人の岐阜市と隣接する町村、人口 4万 5千人の関市を結ぶ軌道線が廃止される。
  ・岐阜市内の路線は市街地であることも相まって、まとまった利用者が見られ、サービスに
   よっては利用者を維持出来る可能性が0ではない。
  ・大手私鉄の名古屋鉄道による、これらの路線の経営は破綻している。
  ・県も市も、この路線に限らず固定施設による公共交通機関の経営意志を持っていない。
  ・岐阜市民は路線廃止に反対する署名を約10万筆集めた。

 と、いったところでしょうか。鉄道マニアの妄想としては、既存路線の維持、新路線の建設を期待したいのですが、その為には、行政も名鉄もあてには出来ないわけですね。そこで、もし妄想が実現するとしたら…を考えて本論を終わりにしましょう。

  ・どのような人たちのために、軌道系交通を維持するか見直す。
  ・都市計画を書き直し、バスを含め既存公共交通網を活かす。
  ・廃止のための費用を負担し、軌道整備のための補助を受ける。
  ・現代的な安価な車両を用意し、輸送のクオリティーを上げる。
  ・自動車交通と軌道系交通が両立できる交通政策を確立する。

 これらのことが出来た都市は軌道系交通を活かした発展ができるでしょうし、出来なかった都市は違う道を進むことになるのでしょう。

 私たちの今までの考察は、どこの街でこれらが出来てどこの街が出来なかったか、ずいぶん明らかになりましたね。また、その後の検証も怠りなくやっていければいいですね。まあ、もっとも岐阜市は昭和40年代前半の時点で「軌道廃止決議」をしていたんでしたね。

 

 

 

 

 

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