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その2・恐怖の爆弾低気圧
●12月復路・爆弾低気圧の渦中に
復路は羽田20時55分発のANA975便。伊丹の始発、関空の最終が ANAということもあって ANA派です。
用事を一通り終えたのは夜の新宿。時間が少しあったので埼京〜りんかい線で天王洲アイルへ出て、東モノに乗り換えという非常に贅沢なコース。天王洲アイル駅のりんかい線乗り換え口は下りホームからだけなんですが、上下ホーム間の連絡通路を設けており、上り列車からそこを通って改札に向かう人も目立ちます。
ちょうど快速が来ましたが、有意に混んでいるわけでもなく淡々と羽田へ。前年夜間の快速が増発されたときに試乗した時には車内の次駅案内表示が快速運転に対応しておらず、浜松町行きが天王洲アイルに着くまで延々と次は新整備場のサインを出していましたが、今回はなおってました。終着の「羽田空港第二ターミナルビル」駅は2面3線ですが1面は細く予備ホームのようです。
日帰りの場合、特割だと往路の伊丹でチェックインが済んでしまうのですが、変更可能なシャトルの場合はここでチェックイン。時間があるので二タミ探検がてら地下の連絡通路で一タミに行ってみましたが、ベルト式の動く歩道はローラーか何かの出っ張りを拾うのでたまに足下に変な衝撃が入ります。その通路、要は京急駅の上、京急駅の改札階と同一平面であり、距離自体はたいしたことはありません。連絡バスに敢えて乗る必要も無い感じです。
さて空港内をウロウロしていると自宅から電話。神戸は風雨が激しいそうで、航空機が飛ぶかを心配しています。季節外れの台風が九州に来ていることは知ってましたが、その台風崩れの低気圧のスピードが上がったようです。実は空港に着いた時、出迎え客らしい集団が「欠航だって」と言うのが聞こえ、えっ?と思い見ると高松、徳島、鹿児島からの到着便が欠航になっています。まあ 975便は運行とあるので、安心していましたが、どうなるのでしょう。
程々の時間となりセキュリティエリアに向かうとこれが長蛇の列。最終21時45分の 977便は別として、21時の ADO札幌行きと我が 975便しかないためかブースを 2つしか空けていないうえに、伊丹と違い航空券を目視ではなく機械に通すことも原因のようです。伊丹便は目の前の60〜64番ゲートなのに、 975便は最遠の54番ゲート。動く歩道が 2列あるのはいいんですが、片方が高速運行なのに表示が見づらく「鈍行」に乗ってしまいほぞを噛みました。
その 975便はA321で 6割ほどの入り。通路側に陣取ったオッサンが大きな台車付きのカバンを荷棚に入れたら蓋が閉まりません。結局故障判定でそこに入れていた私を含む乗客の荷物は空席や前席の下に入れるように案内がありましたが、なんともはた迷惑です。よしんば荷棚に入ったとしても、後述する事態を鑑みると荷物の落下と言うようなことも考えられ、迷惑どころか危険です。
さて離陸して30分くらい経ったとき、CAではなく操縦席から放送が入りました。なんでも、21時42分頃から相当揺れます、とのことで、安全には問題ないということですが、荷棚の故障と合わせ、嫌な予感です。それでも14便が揺れが予想されるのでコールドドリンクのみと言ってたのに 975便はホットも出たので楽観視してましたし、「運命の」42分以降もやや強い揺れ程度でした。
それが暗転したのが雲が切れ、和歌山あたりの灯が見えてから。CAは機長指示で着席での案内でしたが、「着陸に入ります。激しく揺れますが当機の安全には問題ありません。気分が悪くなった方は座席前ポケットの紙袋を……」という追いうちのアナウンスが入りました。
「激しく」って、と訝しむうちに始まった揺れは半端じゃありません。関空に向かい北上するために姿勢を変えたために激しい西風を真横に受けるようになり、風に流され横に大揺れし、縦揺れも入り、エアポケットの如く落ちるのも何度かあり、遂には機内に悲鳴が上がるほどでした。あまりの難航に、窓の外に見える泉州平野が傾きのせいか丘陵地に見え、姿勢が取れずに神戸沖あたりを岡山あたりへダイバードしているのかと思ったくらいでしたが、大揺れのまま関空になんとか着陸しました。
それでも定刻に遅れることは10分もないのは意外でした。22時半の三宮行きリムジンで帰りましたが、雨こそほぼ上がってはいましたが空連道は強風でバスは激しい蛇行を繰り返し、湾岸線に入ってようやく安定しました。
翌朝、新聞を開いて驚いたのはそのすぐ後の50分頃から鉄道は運休したそうで、代行バスが出たとあるのでリムジンは出たのでしょうが、ダイヤは乱れたでしょう。和歌山の突風は23時過ぎに45メートルを記録と、相当ヤバい状態の中に着いたようで、後で聞くと最終23時着の 977便は途中で羽田に引き返しましたし、 5分あとのJAL 1321便は羽田発の時点で引き返しも有り得るという前提で出たそうですが、無事に着いたのでしょうか。
この悪天候は、台風崩れの低気圧が本州南岸上で急発達していわゆる「爆弾低気圧」になった所為でした。この荒天は翌日羽田に舞台を移し、終日大混乱を招きました。そう考えると、散々なフライトではありましたが、もし羽田に帰っていたら、翌朝は大混乱と踏んだり蹴ったりだった訳で、着いただけもうけと言うか、空連道の状況とあわせると、幾重ものトラップを潜り抜けた格好でした。
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