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その5・悩ましき梅田リムジン

 

 

● 4月・悩ましき梅田リムジン

  4月も押し迫り、もうじき大型連休というころに急に出張が入りました。連休中にプライベートで上京し、帰路は空路を予定していただけにここでの日帰り出張はなんか恨めしいです。

 出張が確定したのは前日で、特割の料金表とにらめっこして伊丹11時の22便を選択。冷静に考えるとシャトル往復でもよかったんですが、まだ年度始め、経費枠の消化も手探りです。実は会議の時刻を22便で間に合うタイミングに微妙にずらしてもらったりもします。

 その日は出張話が出た瞬間に取り敢えず予約を入れ、上司と打ち合わせて正式に決定して決済処理をしようとしたら、ネットが急に重くなっています。その日はちょうど尼崎での忌まわしい事故があった日で、どうも関西一円のネットが非常に重くなっていたのか、鉄道が乱れたせいで変更関係のアクセスが集中したのか、なかなかアクセスできず、往路、復路と決済したのは昼を跨いで14時くらいにずれこむなど散々でした。

 このあおりで、帰路の 975便から利用しようと考えていた「あいのりタクシー」の予約期限(前日正午)を過ぎてしまいました。ネット障害のようでもあり、ダメもとで ANAのデスクに電話したところ、「障害の連絡は受けていません」「予約は正午までです」という繰り返し。ネットの状態がおかしい(特定のサイトだけ重いので、当社側ではなく明らかに ANA側では?)と食い下がると、システム担当へ回されましたが、そちらでは「なぜウチに?」という有り様で、半ば呆れて「もういいです」と電話を切りました。

 デスクは関西にはないようで、そこで自社のサイトにアクセスしても状態はわからないでしょうし、そういう状態で顧客に合理的に ANA側の無謬を説明し得るのか、ちょっと心配です。

 

 翌日はアクセスに悩みました。三宮まで戻るのは手戻りが過ぎますが、伊丹市営バスルートは列車事故の影響でJRは不通、阪急も混乱してるでしょう。蛍池経由も同様ですし、尼崎リムジンも道路事情が心配、ということで、梅田リムジンを使いました。

 阪神で梅田に着き、リムジン乗り場を探しましたが、マルビルの乗り場を示す表示はなく、ハービスの乗り場案内だけがあります。関空便はハービスでいいんですが、伊丹便はハービスだと毎時 1本の直通便以外はマルビル経由、しかもマルビルからは始発や新阪急ホテル始発が加わるため、マルビル発というのが定番です。多分こっちのほうと歩いて至りましたが、ちょっと不案内過ぎます。

 新阪急からのリムジンに席を占めると、大阪駅の北側に出て福島ランプへ。なにわ筋からの右折でランプに入るのですが、反対車線の車列がランプへの進入路を空けずにと待ったりとなかなか曲がれません。上がっても加島付近までノロノロでしたが、結局は早着ですから、かなり余裕はあるようです。

 今回は決済を別々にしたので、伊丹でチェックイン機から出てきたのは22便だけ。 975便も続いて搭乗券を出しましたが、まだチェックインされていない状態でした。

 順調に離陸した22便は、いつも通り伊丹昆陽池の上を大きく左旋回しますが、そのうち列車事故現場の上空を通過します。TVの画面越しにお馴染みとなったマンション、そして赤い重機、銀色に光る 207系電車が小さいながらはっきりと見えました。合掌。

 ベルト着用サインが消え、さっそく空弁を開くと、通りかかったCAが「お飲み物はいかがですか?」と聞いてきました。以前隣席の人が受けていたサービスそのものですが、いざ自分が受けると嬉しいものですね。ありがたく頂戴しました。

 小振りな空弁を食べ終わる頃には眼下にはセントレア。雲が増えてきて大島上空から房総半島野島崎が見えてきて、ここで左に切って木更津かな、と思ったら曲がりません。視界が利かなくなり密雲の上を何時までも進む様子に心配になりますが、どうも御宿あたりで「調整」をする予定の行動のようです。

 降下とともに雲中飛行になり揺れが出てきます。雲の下に出るとどうも江戸川沖からお台場方面を迂回して北から降りるようです。おまけに着陸後は正面に着けずに離れた57番ゲートに着いてしまいました。

 「飛行コース変更のため遅れまして……」というアナウンスもさることながら、降機からの時間も食い、京急駅に着いたときには13分のエア快はおろか20分の急行も出た後。33分のエア快になってしまい(会議はそれでも間に合うように設定)、どうも冴えない行程でした。

 

 さて帰路は 975便。A320の機内は満席で、しかも 3+3の 3列の真ん中で両脇が中年男性(→お前もだ!)とあって息苦しいです。幸い、海南への短絡コース+淡路島迂回で関空に着いたのは定刻でした。

 さてここからのアクセスが難物です。三宮リムジンは家に着くのが早いが高い。尼崎リムジンは阪神がかったるい。悩みながら乗り場に行くと22時20分の梅田行きの阪神電鉄バスがまだおり、これならどうだろうと衝動的に乗ってしまいました。

 湾岸線を快調に飛ばし、どのくらい早着して阪神は何に乗れるかが楽しみだったのですが、阿波座あたりで降りて四つ橋筋でも北上するかと思ったら、そのまま環状線南行きに入り、なんば経由の大迂回。池田線に入っての出入橋でも降りず、梅田で降りて大阪駅北口のヨドバシの前を通り阪急三番街の新阪急ホテルに着きました。

 そこから今度は大阪駅の南側を通りハービス大阪のバスターミナルへ。それでも50分を切ったのは上出来ですが、梅田からの乗り換えを考えたら、出入橋で降りてくれれば阪神方面は10分は早く着くはずで、阪神のバスに乗っていながらこの仕打ちはあんまり、とぼやきたくもなります。

 ターミナルに着き、さて阪神梅田はいずこと見ますが通路がありません。たぶん駅につながっているであろう四季劇場の入口はしまってるようで、帰りかけていた係員に聞くと片隅のエレベーターを使うとのこと。確かに降りると阪神梅田への通路に出ましたが、梅田の阪神系高速バスの拠点を謳う割には不案内です、というか、梅田駅からはハービスに誘導しながら、ハービスでは梅田が分からないのは困りものです。

 ケチのついでにエレベーターも槍玉に挙げると、地上道路からフラットでターミナルに着いたはずなのに、エレベーターに示されたターミナルのフロアは「B1」で、これも「地下」の阪神駅にいく際、何回を押したらいいのか惑います。

 結局梅田23時26分の特急三宮行きですから尼崎リムジンと同じ結果です。実は23時の特急の後、12分頃に特急が入らずに 6分に高速神戸行き急行が出るというイレギュラーなダイヤなんですが、乗り換え無しで青木に着けるとありがたがってたこの急行も、パターン通り12分頃に特急として出てくれれば 975便からの帰宅が楽だった、という恨み節の対象になるわけです。身勝手なもの言いといわれればそれまでですが……。

 

 

 

 

 

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