このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

大陸横断は果たしましたが、旅はまだまだ続きます

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さらに南へ、アメリカ発祥の地へ


 今日はアメリカの最初の首都となっていた「Philadelphia(フィラデルフィア)」へ向かいます。
 車社会のアメリカでは地下鉄以外に一般の人が気軽に利用する「普通列車」は走っていないと思われがちですが、NY近郊は別です。なんと100kmほど離れたフィラデルフィアまではアムトラックでなくても、民間の鈍行列車(ローカル列車)で移動する事が出来きます。本数も1時間に3〜4本ほど走っているので、気軽な鈍行列車の旅が味わえます。
 フィラデルフィアの途中の町「Trenton(トレントン)」まで「NJ Transit(ニュージャージー・トランジット)」が走っており、アムトラックと同じ線路の上を走ります。アムトラックと線路や駅の一部は共用していますが、列車を運行しているのが別企業という分りにくい(マニアックな話題になるので・・・)位置づけですが、要はアムトラック=特急・急行 NJトランジット=快速・各駅停車と説明した方が分りやすいかもしれません。アムトラックと違って予約が不要で券売機で切符が買えます。
 これから乗るのは9:01発のトレントン行き快速列車です。車内もアムトラック(予約が必要な急行列車)と違って簡単な造りになっています。利用者もかなり多く、日本の電車に近いものがあります。
(画像にカーソルを当てると車内の様子が見られます)
 ガイドブックやTVでも紹介されない衝撃の事実をお伝えします。世界に名だたるメガロポリス「New York City」から列車で10分も走ると、このような壮大な湿原が広がっており、突然にド田舎になります。東京のように郊外へ出てもひたすら街が続くのとは違います。
 ド田舎になるとはいえ所々に大きめの街があり、駅も日本と似た造りとなっています。
 列車を待っている人の様子も日本の郊外の光景と変わらず親近感が湧きますね。
 車や飛行機、グレイハウンドバスだけがアメリカの移動手段ではありません!旅行者は乗る機会が少ないアメリカの鈍行列車に乗った気分になりませんか?
 55秒あたりから英語のアナウンスが流れて、臨場感たっぷりです。
(動画をクリックして下さい)
 この列車の終着トレントンに到着。ここでフィラデルフィア近郊の鈍行電車「SEPTA」に乗り換えます。
 ここ「Trenton」駅はNJトランジットが管理しているので、フィラデルフィア行きの「SEPTA」線の切符は窓口で買う事になります。もしかするとNJトランジットの券売機でも買う事が出来るかもしれません。ちなみに左側の3台がNJトランジットの自動券売機、右の2台がAmtrak(アムトラック=アメリカ版JR特急)の券売機です。アムトラックの券売機は操作が複雑で、クレジットカードが必要であったりと初心者には分りにくいのでお勧めしません。
 これがSEPTA(セプタ)の車内。NJトランジットよりも簡素な造りで、座席が固定式となっています。
 車両の管理が良くないのか、窓が汚れているのが残念。景色はNJトランジットと変わらず、アメリカの普通の町を走っているような感じでした。
※途中に「North Philadelphia(ノース・フィラデルフィア)」と言う駅がありますが、ここはスラム街でかなり治安が悪いそうなので絶対に途中下車しないで下さい。
 「Philadelphia」の中心駅「30th Street Station」に着きました。SEPTAは北米では非常に珍しい電車(EMU)が使われています。外見も日本の私鉄電車に似ています。
 この駅はアムトラックでは「Philadelphia」と呼ばれていますが、街では「30th Street Station」と呼ばれるのが一般的です。30番目の通りに位置するからでしょうか。
 ここからは「SEPTAの地下鉄」に乗り、ダウンタウンまで移動します。先ほど乗ってきた近郊電車のSEPTAとは走行している路線や運賃体形が違うので、全くの別です。乗車方法も「トークン」と呼ばれる専用の硬貨を買わなければなりません。
 このSEPTA地下鉄の機械が意地悪な事!トークンは2枚以上でないと販売されず、片道だけ使う人には損です。おまけに5ドル紙幣を入れてトークンを2枚買ったら、お釣りとトークンがごちゃ混ぜになって出てきました。銅色のラインが入った硬貨がSEPTAのトークンです。25セント硬貨と大きさが似ているから間違えやすく、慣れない旅行者にはとても不便です。日本の地下鉄を見習ってSuicaのようなICカードを導入しろ〜!!
 フィラデルフィアの地下鉄には何故かトロリー(路面電車)も地下を走っています。途中の13thあたりの駅ではトロリーの線路がΩ型になっている箇所があり、鉄道マニアには大変興味深い所ですが、ここの地下鉄は一昔前のNYのようにかなりアンダーグラウンドです。人種構成も黒人が非常に多く、アジア人は少ないので下手に写真撮ったりしていると絡まれるかもしれません。
 非常に面白い線路配置なので、口喧嘩が出来るくらい英語でが堪能で空手などの心得があり、危険を回避する自信のある海外旅行に慣れた鉄道ファンの方は是非行ってみて下さい。
 「地球の迷い方」を参考にリーズナブルなB&B(アメリカ流の民宿)を探したのですが、何処にも見当たらずお世辞にも治安が良いとは言えないこの街を、20kgのザックを背負って歩き回りました。相当堪えたので、妥協して古いホテルにチェックインしました。料金は安かったのですが、日本全国と台湾、そして今回のカナダとアメリカを含めて自分が今までに泊まったホテルで最上級のボロでした。1960年代、いや50年代、いやいや1940年代のアメリカのホテルがそのまま現代に残ったような感じで、エアコンは無し。部屋の照明はぶっ壊れているので、スタンドで代用。壁はヒビだらけ。ドアはベニヤ板のようなので蹴り飛ばしたら簡単に壊れそう。従業員は全て黒人(別に黒人が悪いという訳ではないのですが、アジア人が自分だけだったので心細く感じた)なので、居心地は最悪でした。それでもしっかり掃除してくれていたので、寝床としては何とか我慢できるレベルでした。
 そんな1940年代のホテルに居ても嬉しくないので、荷物だけ置いて市内観光に出ました。
 フィラデルフィアは歴史の街だけに古い建造物が多いです。
 壁画が多いのもフィラデルフィアの特徴。これでもうちょっと治安が良ければなぁ・・・
(画像にカーソルを当てるともう一つの壁画が見られます)
 美術館が多く集まるミュージアム地区へ行くと「ロダンの考える人」の像がありました。ロダン博物館は休みでしたが・・・
 今日一番の目的だったフィラデルフィア美術館が閉館日!しかも工事中!!かなりショックです。
 この像のバンザーイを見ても嬉しい気持になれません。昨日の自由の女神の件と言い、なんてタイミングが悪いのでしょう!!
 (でも、NYではパレードが見られたしナイアガラではライトアップと花火が見られたじゃん!)
 気を取り直して別の場所へ移動しました。
 ここはインディペンデンス国立歴史公園の近くで、画像に写っている家は独立宣言書が書かれたとされる家だそうです。アメリカの独立宣言が18世紀の事なので200年以上も経った建物のはずです。しかし意外と新しく見えてしまうのは気のせいでしょうか?
 アメリカ合衆国の独立宣言が行われた独立記念館で、世界遺産にも指定されています。ワシントンDCに首都機能が移転される前はフィラデルフィアがアメリカの首都だったのです。
 フィラデルフィア商品取引所の周辺の道は独立当時を模した石畳になっていました。
 合衆国最初の銀行とされる建物、もちろんU@Jやみず@、ゆう@ょ銀行のカードは使えません。
 デラウェア川には軍艦が留置されていました。見物したかったのですが、この時は既に19時を回っており、体力的にも限界が近かったのでホテルへ戻る事にしました。
 その途中で見かけた不思議なS-10。ブレイザーの兄弟のようですが、調べてみれば 「Oldsmobile Bravada(オールズモビル・ブラバダ)」 と言う名前だそうです。
 日本のアメ車ファンに見せたら注目されそうですが、正直言うとシボレー・ブレイザーの方が全然カッコイイ。適度にアメ車らしいから日本人ウケするんだろうな。


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