このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



「1」岐阜中心市街地の状況は? (名鉄岐阜駅前〜徹明町・柳ヶ瀬〜JR岐阜駅前)
 

 1月3日セントレア着の海外旅行の帰りに名鉄岐阜駅に到着したのは4時過ぎでした。正月休みの最終日の夕方と言う事も有るのか、列車の利用客も街中の人も多くありません。
 駅ビルから駅前の交差点に出ると、すっきりしたと言うかチョット寂しい感じです。見ると名鉄岐阜市内線の架線が撤去されています。軌道は未だ残っている物の、廃止から9ヶ月ですでに施設の撤去は着々と進んでいます。
 

(3)新岐阜駅前からJR岐阜駅方面を望む       (4)新岐阜駅前から徹明町方面を望む
      


 新岐阜の駅前から国道157号線を、岐阜のもう一つの中心市街地の徹明町・柳ヶ瀬へ向って歩きます。岐阜の2大中心街間を結ぶ1km程度の道路で、十六銀行本店・岐阜信用金庫本店や各金融機関支店等の金融機関が並ぶ道ですが、小規模店舗に関してはシャッターが閉まっている店が並ぶシャッター通りで歩く人も疎らな状況です。只何箇所かで建設計画のお知らせが出ていたり、建設中の建物が有りました。これが上手く活性化に寄与するテナントが入る建物なら良いのですが・・・。
 歩いて7〜8分で徹明町の交差点に着きます。徹明町交差点の角に名鉄メルサが建っていますが、エントランスに殆ど人が居ません。規模的にはかなりの規模で駐車場付きのテナントビルですが、エントランスには閑古鳥が鳴いています。中心地幹線道路の角に有る大型テナントビルとしては寂しい限りです。
 また交差点周辺にはそんなに人が居ません。2年前に訪問した時には、年末の29日だった事もありもう少し賑やかでしたが、今回はそのときと比べて明らかに寂しくなっています。特に国道248号線東方面(競輪場前方面)は殆ど店も開いておらず人も居ない為、ゴーストタウン状態です。


 (5)国道157号線(新岐阜〜徹明町)         (6)徹明町交差点(名鉄メルサ)
      


 (7)国道248号線(徹明町交差点から西側を見る)   (8)国道248号線(徹明町交差点から東側を見る)
      


 徹明町の交差点から、柳ヶ瀬のアーケードの商店街に入っていきます。国道256号線側から入り高島屋〜劇場通りを通り、国道157号線に抜けるルートで商店街を見て回りました。

徹明町周辺の地図 (ゼンリンデーターコム)」

アーケードの商店街は殆ど歩行者天国状態になっていますが、通行人はそんなに多く有りません。店も洋品店等が多いもののハイセンスな感じの店と言うより日用品・中高齢の女性向けの店が多い感じがします。アーケード内には長崎屋が撤退した後の店舗が、シャッターが閉まったままの空き店舗として残っています。その為に少ない人通りと合わせ閑散感を醸し出してしまっています。
 同じアーケードの中でも、その先に有る高島屋はなかなか好調のようです。 岐阜高島屋 は1街区丸ごとビルにした長方形の店舗で、11階と若干高い物の百貨店としては理想的な店舗です。岐阜高島屋は昨年大改装を行い、未だ「改装効果」が出ているのでしょうが、かなり人が出ていたと言えます。今回の岐阜訪問で一番人を見ました。
 この街の問題は、賑やかさが高島屋と高島屋正面の劇場通りアーケード一部に限られていて、町全体に波及していないことです。商店街と高島屋の役割分担が出来ていない側面も有ると思います。「買い物はすべて高島屋で済んでしまう」「街中には買う店・楽しむ店・寛ぐ店が無い」と言う状況では、街は活性化されないでしょう。


 (9)アーケード街と長崎屋跡地            (10)高島屋岐阜店前
     


 (11)高島屋南入口と商店街              (12)劇場通り入口(国道157号線側)
     


 その後来た道を戻りながら、名鉄岐阜駅前・JR岐阜駅前と言うもう一つの中心市街地に向います。
 名鉄岐阜駅前には閉店した新岐阜百貨店の他に昔の名鉄岐阜支配人室建物跡及び各務原線名鉄岐阜駅の所にロフトの入ったビルと、道路を挟んで向かいにパルコの入ったビルと言う様に2つの専門大店が有ります。パルコは大幅な売り上げ減少と建物の老朽化の為に、来年8月末での閉店が決まっています。
 それでも徹明町地域(除く岐阜高島屋)に比べると、未だ人出も多く賑やかな感じです。その地域に有るパルコ・新岐阜百貨店が閉店と言う事は、岐阜中心市街地の衰退は極めて重症であると言う事が出来ます。


 (13)名鉄岐阜駅ビルのロフト             (14)名鉄岐阜駅前のパルコ
     


 最後にJRに乗る為にJR岐阜駅に向います。岐阜の鉄道における名鉄とJRの地位は完全の逆転しています。名岐間の線形の差等に起因して、最大の需要地対名古屋で所要時間がJR450円18分:名鉄540円25分と言う差がついています。加えてJRは西美濃地域の穂積・大垣からも客を運んでくる事もあり、岐阜市街地における駅としての機能は完全にJRの方が上になっています。
 

 (15)JR岐阜駅北東方向(名鉄岐阜駅方面)を見る   (16)JR岐阜駅西方向を見る
     


 JR岐阜駅前は柳ヶ瀬・徹明町や名鉄岐阜駅前と比べると、重要差が増した時期が遅いためか、オフィスビル等は有る物の、JR高架下のアスティ以外に目立った大規模商業集積がありません。
 現在JR岐阜駅前では、 駅前広場の改良工事 が進んでいます。これが出来上がると路線バスの拠点も、名鉄岐阜隣接のバスセンターからJR岐阜駅前に移る事が予想されます。同時に 駅前地区で複数の再開発 も進んでいます。JR岐阜駅と名鉄岐阜駅を結ぶ動線上に有る「大岐阜ビル」や駅西地区の「岐阜市シティ・タワー43」等のビジネスビル・オフィスビルの開発は順調に進んでいます。
 その中で商業施設の開発は高架下のアスティ以外全然進んでいません。名古屋の衛星都市と化してきた岐阜で、しかも名古屋駅まで電車でわずか18分と言う環境では、バス等で岐阜市各地からの集客が出来たとしても、大規模な商業誘致・成功は難しいでしょう。岐阜の玄関口であるJR岐阜駅前で商業誘致が成り立たない状況が、岐阜の商業が置かれた環境の厳しさを示していると言えます。


 ( 「2」 岐阜→名古屋への流失の状況は? (JR岐阜〜西岐阜〜名古屋)  へ続く )





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