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○セントレアへのアクセスを利用して
 

 ○セントレアへのアクセスを利用して(12/30 名鉄名古屋10:32→中部国際空港11:00)

 12月30日は早朝から「名古屋の新交通システム訪問」と言う事で、名古屋→藤が丘→(リニモ)→万博八草→(愛知環状鉄道)→高蔵寺→(ガイドウエイバス)→大曽根と名古屋東部地域を回っていました。
 しかし重慶行き航空便が14:35発であり、昼食・ツアー手続・チェックイン・出国審査と言う空港内での一連の動きを考えると、12:30までにはセントレア内の見学を終わらせなければなりません。まして30日は年末の海外旅行出発のピークです。相当な混雑を考えると出発2時間前から出発手続きと言うのはかなりギリギリです。その為前段階の「名古屋の新交通システム訪問」で大曽根に戻るのが10:00頃と言う事から、名鉄名古屋10:32→中部国際空港11:00の快速特急を選択しました。
 流石に年末の出国ピーク日である事を考え、旅行の日程が決まった数日前に東京でチケットを取りましたが、すんなりと取れました。その時には「空港まで30分位だから結構指定席を取らないにかな?」と感じました。
 
 大曽根から中央線を利用して名古屋に着き、JRから名鉄に乗り換えます。名鉄名古屋はJR駅から見ると少し離れているので、旅行用のトランクを持っての乗換はかなりしんどいです。
 JR駅から数分で名鉄名古屋駅に着きますが、元々戦前に狭い土地に造られた駅で入口も分かり辛くコンコースも狭いです。名鉄名古屋駅が名鉄のネックで有る事は有名な話ですが、来るたびに「良く3面2線の駅でこの本数を捌いているな」と感じます。本数的には中部国際空港開業に伴うアクセス列車増発で、運行本数が増えているので過密さは増した感じです。それに国際空港の玄関口の駅としては名鉄名古屋は狭小な感じがします。将来的には名鉄名古屋の大改良も考えなければならないのかもしれません。

    
(左:名鉄名古屋駅コンコース  右:名鉄名古屋駅に入線する1600系快速特急)

 真ん中の特急専用ホームに下りると、数本発車した後に10:32発の快速特急が来ます。快速特急なので最新の2000系かと楽しみにしていたら、空港線運用も視野に入れた汎用特急1600系が来たのでチョットがっくりです。只6両編成できたので、年末出国のピークに対応して増発・増結しているので1600系まで動員しているのかもしれません。だから数日前でも座席指定が取れたのでしょう
 名鉄名古屋では乗車すると直ぐに発車です。停車時間は1分強と感じました。前述のように名鉄名古屋では長時間線路を塞ぐ余裕は有りませんが、大荷物を持った乗降客の多い空港特急なのであわただしい乗降は困りものです。
 名鉄名古屋では5割強の乗車率でしたが、次の停車駅金山でかなりの客が乗車してきて、神宮前を出る時にはほぼ満席になりました。大まかな乗車駅の比率は名古屋5.5(名古屋以遠からの乗客を含む):金山3.5:神宮前1と言う比率です。地下鉄名城線・JR中央線・JR東海道線との接続駅である金山総合駅の比重はかなり高いと言えます。

 
(10:32発中部国際空港行き1600系快速特急車内)

 神宮前を出た後は中部国際空港までノンストップです。通路側の席も乗客が居るので、とりあえず「名古屋の新交通システム訪問」の写真を整理しながら、車窓を見たりして中部国際空港までの道のりを過ごす事にします。
 常滑線沿線は進行左側に住宅地が広がる物の、進行右側の沿海地帯は工場地帯が広がります。この地帯は三菱重工大江工場・三菱自動車大江工場・新日鉄東海製鉄所等の工場が並んでます。意外に臨海工場地域と中部国際空港の間の需要も多いのかもしれません。
 快速特急はかなりの高速で進みます。常滑線では変電所新設及び増設・11箇所の曲線改良・太田川駅と西ノ口駅の待避線新設などの改良が行われ、120km/h運転が行われています。今後とも名和〜大江間高架化・太田川駅周辺高架化なども行われ、常滑線は今回の空港アクセス開始を機会に大幅にレベルが上がった様です。
 神宮前からは、何回か先行列車に詰まる感じでの多少の徐行が有った物の、写真を整理していたらあっと言う間に高架に上がり、高架駅2面4線化した常滑を通過します。常滑を通過すると 中部国際空港連絡鉄道 の新設区間に入ります。
 常滑競艇場を掠めると直ぐ洋上の連絡橋に出て、車窓にセントレアが見えてきます。流石に空港の有る島なので非常に大きく見えます。空港等に入ると右に貨物地域・左に駐車場と建設中の東横インが見えます。駐車場は手前のほうは平面駐車場ですが、車はかなり入っている感じです。そうすると直ぐ減速して中部国際空港駅に到着します。
 
    
(左:中部国際空港連絡橋(帰りの電車から撮影)  右:中部国際空港全景)

 
    
(左:中部国際空港貨物地区(帰りの電車から撮影)  右:中部国際空港駐車場と物流地区(建設中建物は東横イン))

 中部国際空港駅は2面2線のホームですが、将来的には2面4線に拡張可能になっていて、実際旺盛な空港利用客需要に支えられ開業半年強で 2面3線化工事 が着工されています。
 中部国際空港駅のホームは完全ホームドアでは有りませんが、ホームにはガラス製の連続壁があり、ガラス壁内側のホームは空調が効いています。名鉄の場合2ドア・3ドアとドア数・ドア位置が異なる車両が運用されている為、普通のホームドアは設置できません。その制約の中で安全性は落ちますが、快適性は変わらないので、良く考えた方策で有ると思います。またガラス壁までカートを使用できるという点も国際空港駅としては合格点です。
 
    
(左:中部国際空港駅での1600系快速特急  右:中部国際空港駅での1600系快速特急と3300系急行)

 
    
(左:中部国際空港駅ホーム  右:中部国際空港駅改札口)

 
(アクセスプラザから出発フロア・到着フロアへの連絡通路)

 中部国際空港駅のホームは頭端式になっており正面に改札口が有ります。先頭車両に乗っていれば良いですが、一番後ろに乗ると100m以上歩く事になります。フラットなのは便利ですが歩かされるのは考え物です。
 駅の改札口は自動改札ですが、空港駅仕様なのか幅広になっておりトランクを持っての通過も苦になりません。
駅改札を出るとアクセスプラザに出ます。このアクセスプラザは中部国際空港駅に接続しているだけでなく、直下のバス乗り場と・駐車場・港・セントレアホテルと接続していて、旅客ターミナルビル2階到着フロア・3階出発フロアとはスロープ&動く歩道で結ばれています。アクセス機能を1箇所に纏め、ターミナルとスロープで結ぶという配置は非常に合理的で機能的です。
 中部国際空港では駅に限らず、大荷物を持った人々でも簡単に移動できるように各所で配慮がされています。その点は駅配置から総合的に考えられて造られた計画に基づいて駅頭の細部も造られていると推察しますが、その利用者の利便を考えたトータルのマスタープランが素晴しいと言えます。


 ○帰りのアクセス利用状況について(1/3 中部国際空港14:50→名鉄岐阜15:44)

 1月3日の帰りは飛行機の遅延で豊橋に行く時間が無く、目的地を豊橋から岐阜に変更しました。その日も当日セントレアで直ぐ発車の快速特急(因みに新鵜沼行き)は満席でしたが、1本落とせば座席指定が取れ岐阜行き快速特急に乗れたので、何とか「悲願のミュースカイ」に乗る事がで来ました。
 流石に1月3日14:30頃の特急なので、海外からの帰国組で発車直前に満席になりました。行きも快速特急だったので別段珍しい物でも有りませんが、流石にグッドデザイン賞受賞の新型2000系ミュースカイは1600系よりワングレード上の車内です。特に感激は車内の液晶テレビに速度と前面風景が映し出される事です。(私もこう言う所は「鉄オタだな」と感じる・・・)
  
    
(左:中部国際空港駅での2000系快速特急岐阜行きと1200系豊橋行き特急  右:2000系快速特急岐阜行き車内)

 私の帰りの注目は「国府宮・一ノ宮・岐阜まで何人乗るのかな?」と言う事です。今回のアクセスダイヤでは、行き先が豊橋1本・岐阜2本・新鵜沼1本・新可児2本と言う様に、愛知県全域・岐阜県南部へのアクセスも担っているので、その中でも沿線人口が多く一番有望そうな岐阜方面にどれだけ乗るかが注目でした。
 満席の車内でしたが、降車客の比率は見た目の感じでは「神宮前0.5:金山3.5:名古屋5:国府宮&一ノ宮0.5:岐阜1」と言う比率でした。有る程度は予想の範囲内かな?と思いますが、名古屋〜岐阜間の輸送力が勿体無い感じです。この輸送力の有効利用も「対JR競争力の欠如」「岐阜の都市自体の衰退」と言う需要のマイナス要因から考えると厳しいのかもしれません。
 そう考えると対岐阜は普通車連結特急毎時1本だけで十分なのかも知れません。只名鉄名古屋で折返しが厳しいと言う事も有るので、岐阜延長運転は需要的側面より運転的側面で必要なのかも知れません。
 
 中部国際空港出発前に、アクセスプラザ周辺とアクセスプラザ1階のバスターミナルを見てきました。
 アクセスプラザ隣接の「 セントレアホテル 」はアクセスプラザから直接面しており、到着ロビー・出発ロビー徒歩1分と言う正しくエアポートホテルの模範といえる至近距離の立地です。只シングル9,450円〜ツイン22,050円と言うのはチョット高目かな?と言う気がします。今 空港島内に東横インが2006年秋完成で1045室のホテルを建設中 ですが、立地は歩くには厳しい距離でバス送迎になるでしょうが、価格で見ると東横インの方が格安です。
 国際線〜国内線相互間の乗換となると、やはり前泊・後泊が必要なことは往々にして有ります。ですから中部国際空港におけるエアポートホテルの需要はそれなりに有ると言えます。立地とグレードのセントレアホテルor価格と規模の東横イン、どちらが中部国際空港のホテル競争に勝つか注目です。
 バスターミナルは6箇所のバス停があり、 名古屋駅・藤が丘・岡崎・豊田・浜松など色々な方面へのリムジンバス が発着しています。見た感じ名古屋駅行きは空席が目立っていましたが、電車が不便な岡崎・浜松行きなどは満席に近い状況で好調な運行状況でした。多分平日も電車では乗換が必要で、高速道路のアクセスが便利な地域(伊勢湾岸道でバイパス出来る地域)はバスアクセスが有る程度主流になるのでは?と思います。

    
(左:アクセスプラザ1階のバスターミナル  右:セントレアホテル)

 今回訪問で行き・帰りの利用状況を見ると、今回は年数回の最混雑日の利用でしたが、明らかに去年までの名古屋空港バスアクセスより総人数で利用していることは明らかで、名鉄にとっては「名古屋空港リムジンバス収入<空港線でのセントレアアクセス収入+リムジンバス収入」になり、「最高のビジネスチャンスを上手く生かしているな」と感じました。



( 「 ○中部国際空港を見学して 」 へ続く )





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