このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください



○中部国際空港を見学して
 

 ○中部国際空港内部を見学して(12/3011:00〜12:30・1/314:00〜14:40)

 中部国際空港駅に着いたら早速ターミナルビルの見学に移ることにしました。でも手荷物を預けるには勿体無い時間であり、12/30はトランクを引っ張りながらの中部国際空港見学になりました。(1/3は早速トランク宅配の手続きをしたので、手荷物だけだった)
 アクセスプラザから出発ロビーまで、連絡通路のスロープを昇ると視界が開け吹き抜けの出発ロビー・チェックインカウンターです。出発ロビーアクセスプラザからのスロープを中心に「右に国内線」「左に国際線」と分かれています。チェックインカウンターの所だけが3階+吹き抜けになっており、出国審査・出発ロビーの所は4階フロアが有り「レンガ通り」「ちょうちん横丁」と言う2つのショッピング街が広がっていて、正面から階段・エスカレーター・エレベーターで昇れる様になっています。

    
(左:3階チェックインカウンター  右:3階チェックインカウンター正面のショッピング街への階段・エレベーター)

 先ずは4階に上がりスカイデッキに出てみます。スカイデッキは丁度国内線・国際線の駐機スポットを分ける様に滑走路に向って真っ直ぐ突き出ていて、屋根は無く冬は寒い物の、飛行機を見るには最高の立地です。12月30日で寒い日で有るにも関わらず、マニアだけでなく家族連れやカップル等かなりの見学客が居ました。この風景を見ると一般客でもかなりの見学客を集めているのが分かります。
 只せっかくの面積の有るスカイデッキなので展望しながら楽しめて休憩も出来るカフェテリアが有れば、もっと利用していて楽しいデートスポットになるでしょう。展望レストランの「 クイーンアリス&トゥーランドット 」が高級で予約主流と言う事から、その様な気軽な施設も有ると多様性が有り良いのではないかと思います。

   
(左:スカイデッキの様子  右:滑走路に着陸したコンチネンタル航空ボーイング737)

 
    
(左:国内線発着スポットの様子  右:国際線発着スポットの様子)

 スカイデッキで見ていると、特に国際線でノースウエスト・ユナイデット・キャセイ・中国国際航空など常連の会社に加えて、珍しい航空会社の飛行機も見かけます。名古屋が産業の集積が多く大需要地であるのと同時に、日本乗り入れの第一歩を飛行場の容量に余裕があり着陸料の安い中部国際空港に求めたと言う事も有るのでしょう。
 常連の他に目面しい航空会社も集まるという事は、それだけ中部国際空港が乗り入れの需要を集めているという事でしょう。東京の利用者は成田から直行便が無ければ、国内で有る空港に移動するか、途中で乗り換えるかの選択を迫られます。今回の私は正しく前者の行動をしていますが、「目的地への直行便が有る」と言うだけでその空港を利用する理由になります。オリエントタイ航空の場合バンコク路線ですから、何処からでも発着していますが、重慶線のような「中部国際空港」しか発着していない路線を作ることも、空港利用増加を目指す方策として好ましいと言えます。
 
    
(左:重慶行き中国国際航空ボーイング737  右:バンコク行きオリエントタイ航空ボーイング747)

 スカイデッキを一通り見た後、昼食方々隣接のショッピングゾーンに入ります。 4階のショッピングゾーン は真ん中の「イベントプラザ」を挟んで、スカイデッキに向って「右→ちょうちん横丁(和風)・左→レンガ通り(洋風)」と言う2つの飲食を中心としたショッピングゾーンに分かれています。


(4階中央イベントプラザの様子)

 
    
(左:「レンガ通り」の様子  右:「ちょうちん横丁」の様子)

 この日はイベントプラザでは「年末大抽選会」と言うイベントが開かれていました。「抽選会」と言うのは「商店街の福引」の様で何か洗練されていないドメスティックな感じがしますが、購買意欲をそそる様なイベントをする事自体は重要な話です。
 もうこの段階で12時近くになったので、ショッピングゾーンで昼食を取る事にします。流石に12月30日だけあり何処の店も込み合っています。仕方なくトランクを引いて、お店の見物方々開いている店を探してちょうちん横丁・レンガ通りをフラフラします。
 どちらも基本的には目立つ所には飲食店が多く、一番目立つイベントプラザ沿いは喫茶・軽食・カフェ系の店、その裏手のチョット入った所に普通の飲食店、一番動線から離れた所(一番東側)に物販店と言うのが大まかな店舗配置です。一番空港利用客のニーズが高そうな店が一番目立つ所に有るのは使いやすい感じです。
 但し、レンガ通り→洋風・ちょうちん横丁→和風のコンセプトで分けたのは良いですが、レンガ通りに洋館の造りで回転寿司が有り、ちょうちん横丁に和風の佇まいのスターバックスが有るのはチョット興が引けます。せっかくコンセプトを明確に分けて造ったのに、それが生かされていません。和風のちょうちん横丁に「中部地方の名産品の店」が入り、良い意味で地域のアピールをしているなどの素晴しい工夫が有るのに比べチョットお粗末な気がします。(そのアンバランスが良いと言う人も居るのでしょうが・・)
 只人気店の混雑はかなり激しく、本当はひつまぶしを食べたかったのですが、ひつまぶしの店には大行列が出来ており、とてもタイムリミットに間に合わない感じがしたので、涙を呑んでカフェテリアの「スープストックTokyo」でスープとご飯の軽食で我慢しました。せっかく名古屋の空港なのですから、名古屋名産のひつまぶし・味噌煮込みうどん位は複数の店舗を入れておいて欲しい物です。(せめて「ひつまぶし→蓬莱陣屋・味噌煮込みうどん→山本屋」位の名古屋の名店を誘致して欲しい物です。その名店の味を気軽に余所者に食べてもらい、名古屋の魅力を知ってもらう事も名古屋の観光にとって重要な事です)

 食事の後携帯で連絡を取り合い友人と合流し、JTBのカウンターでチケットを受け取ります。( 3階出発フロア平面図 )その後チェックインカウンターに向いますが、何故か窓口が4つ開いているのに大混雑です。重慶行はボーイング737ですから、150名強しか乗らないはずですから、そんなに大混雑しない筈です。係員の手際が悪い感じもしないのですが、何故か混んでいます。
 しかし混んでいたのはチェックインカウンターだけで、出国手続き・セキュリティチェックはスムーズに流れます。(私はセキュリティチェックで引っかかり時間が掛かったが・・・原因は気付かずポケットに入れていた乾電池でした)名古屋空港時代に比べてゲート数が増えた感じがします。その効果は大きい様です。


(搭乗ロビーそば免税店&休憩所)

 
    
(左:搭乗ロビー内状況(東側)  右:搭乗ロビー内状況(南側))

 予想より早く出国関係の手続きが終わってしまった為、ロビーで休憩をします。免税店等はかなり大きい店が入っていて充実していますが、流石に中国まで荷物を持って行き、そのまま荷物を持って帰る訳にはいかないので、此処での購入は諦めます。(本当はブランド品は日本の免税店のほうが信用が置けるのだが)
 何故か出発フロアには免税店が有るのですが、到着フロアには有りません。これは中国でも一緒ですが、旅行者の本心としては「ブランド品お土産の最後の砦」として到着ロビーに免税店が有ると非常に助かります。まして今回は重慶国際空港に免税店が殆ど無く、有っても朝早くて閉まっていたので、その様な辺境からの旅行客用に到着フロアにも免税店が欲しい物です。この需要は必ず有るはずです。(私はなんぜRMBを1000元も日本に持ち込んでいる程余らしているので、最終的には再両替しましたが、日本の空港に「最後の外貨放出場所」が有ると良いと思います。)
 又搭乗カウンターそばにはスターバックスがあり、時間が余った時や出発が遅くなった時に、時間調整に最適です。その他にも臨時の出店(売店)も出ていましたが、セントレアで驚きなのはショッピングフロアを含めて、「街中と同じ値段」で売っていることです。関空はボッタクリ価格で酷いという話を聞きましたが、下心が有れば高い金額で売ろうとするはずです。その様な事をせず、正札商売をしてしかも儲けると言うこの姿勢には、正直言って拍手したいと思います。


 ○中部国際空港の到着フロアーと乗換について

    
(左:到着フロア入国審査場前の乗り継ぎ案内所  右:税関及び手荷物受取所)

 到着フロアーに関しては1月3日重慶からの到着時にじっくり見ました。到着フロアーなので、出発フロアーと違いこじんまりと纏められています。飛行機からボ−ディングブリッジを降りるといきなり入国審査場に導かれる導線になっています。
 入国審査所手前には国内線への乗継案内所が設けて有ります。国際線航空機遅延時などは多分此処で便宜を図ってくれるのでしょう。国内線と国際線の乗換を重視する空港であるのならばこの様な施設は重要です。(少なくとも名古屋空港には無かった)
 入国審査場・税関ともゲートが増えた感じで、滞りなくスムーズに流れています。又手荷物も待たされずに出てきます。只前にも述べた「到着フロアに免税店」と言う考えですが、手荷物を受け取ってから税関の間に有ればかなり便利だと思います。「税関の目の前の免税店」ならば脱税もしにくく良いと思うのですが・・・
 中部国際空港ではボーディングブリッジを渡ってから20分程度で全部の手続きを済ませられます。動線が単純で入国審査・税関で渋滞しない事が大きなプラスです。この様なスムーズさも国内外乗継には重要な事です。
 実際に到着出口を出たところでトランクを宅急便で送る為に友人と別れた後、国際線出口→国内線チェックインカウンター間を実際に歩いてみたら僅か3分程度でした。このことから考えて飛行機遅延のリスクを考えなければ、1時間程度の時間で国際線〜国内線の乗換は可能ですし、移動距離は思ったより短いと言えます。
 国内線と国際線のハブ空港としての役割を考えた時「短い乗換時間」「少ない移動距離」と言うのは重要な事であるともいます。只難点は羽田・大阪便が無いため、東京・大阪からのハブ空港としての利用は非常に不便で有るということです。特に1時間半の新幹線利用を迫られる東京に対しては、重慶便等の特殊例を除き、中部国際空港はハブ空港として機能しないのは明白です。(私とて「セントレア訪問」「ツアーが名古屋発」と言う要因が無ければ、成田〜上海乗換〜重慶のルートを選択したでしょう。今回も複数の人に「何で名古屋から飛ぶの?」と言われました)
 それ以外の項目で考えれば、中部国際空港はハブ空港として合格で有ると思います。


 ○中部国際空港を上海浦東空港と比較して

 この様に規模としては極端に大きくない物のコンパクトに纏まり使いやすく、空港利用以外に色々な魅力の有る中部国際空港ですが、国外の他の空港と比較するとどういう感じでしょうか?規模として比較が好ましいかは疑問ですが、今回の旅行で中国への出入国審査で途中下車した 上海浦東空港 と比べたいと思います。
 


(上海浦東空港国際線出発ロビー)

 
    
(左:上海浦東空港全景  右:上海浦東空港駐機エプロン)

 やはり空港の規模だけを単純に比較すると今はときめく中国最大級の都市で経済発展著しい上海の玄関口であるので、上海浦東空港の方が規模は大きいです。滑走路はパラレル発着可能な間隔で2本有り、ターミナルビルは南北に細長く伸びていて移動に大変そうなものの、搭乗用のボーディングブリッジは極めて多数有り、それこそ世界中の航空会社が乗り入れています。
 それだけの搭乗場所が有るにも関わらず、我々の名古屋〜上海〜重慶便は一番南側の駐機スペースで乗降させられ、バスでターミナルビルに連れて行かれました。あれだけの規模が有るにも関わらず、飛行機を僻地に止めて降機させる状況から考えて、既に上海浦東空港は能力的にかなり厳しい状況なのかもしれません。
 只使いやすさと言う点では疑問が有る空港です。我々の出入国検査は特殊なパターンでしたが、ビルの中色々な所を引き回されてそれだけで小一時間掛かりましたし、飛行機が止まる所が僻地の駐機場では、名古屋〜上海・上海〜重慶の利用客(半分ぐらいの乗客)にとっては不便極まりない筈です。(只これは特殊事例かも知れないが・・・)それに一昨年の上海旅行では、あの広い出発ロビー内の免税店で買い物をしていて、自分の搭乗口まで戻るのに移動に苦労した記憶もあります。(名古屋便は1階からバスで飛行機に運ばれての搭乗のケースが多い)
 加えて上海は東京・大阪と同じく、原則は国際線→浦東・国内線→虹橋と空港が分かれていますので、浦東にも国内線が発着しますが、現状では全ての国内線が浦東に集まっている訳ではないので、国際線〜国内線のトランジットも大変であると推察します。( 虹橋〜浦東間の移動 は東方航空無料リムズンバスかトランスラピット+地下鉄2号線での移動位しか無い)
 この様に考えると、便が集まるというメリットが有る事は百も承知な物の、乗換の利便性を考えると、あまりに大きすぎる規模の空港も国内線〜国際線のハブ空港としては不適当なのかも知れません。その様に考えると、コンパクトに纏められ機能的な中部国際空港は国内線〜国際線の乗換空港としては理想的な大きさ・配置の空港なのかもしれません。
 ましてや日本では中国のように「土地は公有で簡単に接収できる」と言うような状況では有りません。(そうであれば「成田闘争」は起きなかった)そうなると上海浦東の様に陸上に巨大な空港を造る事は今の日本では不可能で、必然的に金を掛けて土地を作る海上空港になります。そうなると巨大な空港を造るには天文学的費用が掛かる事になり、それを防ぐ為には有る程度既存空港と役割を分散させるか、需要に有った大きさの中でコンパクトに機能的な空港を造るしか有りません。
 その様な点から考えると、中部国際空港は日本の国情と中部の経済力を勘案した中で造られた、可能な限りコンパクトで利便性の高い空港で有ると言えます。100点満点とは言いませんが、かなりの高得点を付けられる空港ではないでしょうか?



( 「 ☆何故トヨタは中部国際空港建設に深く関与したのか? 」 へ続く )





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