このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
Vol.5 チザルピーノ
最終回は、ドイツ〜スイス〜イタリアを結ぶイタリアの高速列車、「チザルピーノ」を紹介します。イタリアといえば、高級ブランドや、フェラーリに代表される超高級車で有名ですが、鉄道車両のデザインについても世界に誇れる数多くの名列車を生み出しています。実は、名鉄のパノラマカーや、小田急のロマンスカーのパノラマスタイルも、イタリアの「セッテベロ」という特急列車に大きな影響を受けています。その、デザインの良さの秘密に、大物デザイナーを起用していることが挙げられます。このチザルピーノも、自動車で有名な工業デザイナー、ジウジアーロ氏がデザインしたものです。ちなみに車両は、こちらも自動車で有名な、フィアット社が製作しています。
●「チザルピーノ」の特徴
●国際列車で国際交流?
接続の快速列車を降りると、すでに列車は入線していました。早速乗車し、指定された席に向かいます。車両は日本と同じようなオープン形式で、乗客は1車両2〜3人でガラガラでしたが、指定券の発売順序が悪く、私の向かいの席にはすでに先客が座っていました。チョット気まずい空気の中、列車はシュトゥットガルト中央駅を発車。しばらくして車内改札が始まりました。女性の車掌さんでした。ちなみにこの旅行中に出会った車掌さんは、ローカル・優等の区別無く、男性よりも女性の方が多かったです。ICEに乗車したときも、後ろの席で乗車券のトラブルを一生懸命説明している姿を見かけましたが、非常に熱心で、かつソフトな応対に感心してしまいました。ついでに、「どこの国でも同じだなあ。」という感想も持ちましたが…。このとき、相席になった乗客を空いている席に誘導してくれたので、気まずい空気は解消されました。これで、車窓は独り占めです。このあたりは川沿いを走り、景色が良いのですが、あいにくの天候でした。一息ついてから、気分を変えるべく食堂車に向かいました。
食事をしていると、黒い制服を着た二人組みがやってきて、前の席に座っていた男性となにやら書類を見せつつやり取りをしていました。やってきた二人組みは国境通過の儀式、入国審査の審査官でした。前の席の男性は通関に時間が掛かっていましたが、私はパスポートを見るだけで終了。記念のスタンプが欲しかったのですが、「チューリッヒでもらってくれ」と言われてしまいました。(チューリッヒのどこでスタンプがもらえるのかは知らないのですが…。)
入国審査もあっさり終わり、そのまま食堂車でコーヒーを飲みながらくつろいでいると、先ほどの前の席の男性が「ドゥー ユー スピーク イングリッシュ」と声を掛けてきました。するとドイツの駅の案内所で発行された乗り継ぎ案内書を見せてきて、「チューリッヒ空港への行き方が分からない。」と言うではありませんか。その案内書を見ると私も知らない駅名での乗換えが記されていて、私にも分かりませんでした。「私もこのルートは知らない、でもチューリッヒ中央駅から空港へは行ける。」と怪しげな英語で言うと納得したようでした。それにしても言葉が通じそうな人が他にもいたのに、なぜ私に聞いたのでしょうか? こんな異国の地でも鉄道マニアだと分かったのでしょうか…? なにはともあれ怪しげな言葉でもコミュニケーションがとれたということはうれしかったです。
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