このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

鉄道模型おきらく研究室:レイアウトと列車のページ

by gyan 様
TCS自動運転ミニレイアウト 〜R140とR103でどこまで遊べるか〜

このレイアウトを作成しようと考えたのは、Bトレインショーティーの京阪1900系が2編成分手に入ったところから始まりました。今まで作ったレイアウトでは、複線区間が一部しかないので、完全複線レイアウトが欲しくなり検討を始めました。
そのうち、いろいろ欲が出てしまい、以下のようなコンセプトで検討しました。
TOMIXのFineTrackにて、R140とR103の完全複線レイアウト(複線間隔37mmをキープ)。
その後、空き空間に分岐行き止まり線を作ることにしたことで大変なことに・・・。
レイアウトのサイズについて
アクリルケースも作成したかったので、その部材の費用の節約(天板と正面を900m×600mm(厚さ2mm)の規格サイズから取る)と、既存の「うの鉄道」の下の棚に格納する可能性を考えて、まずは大まかに決定しました。 天板のサイズ:幅900×奥行420mm
正面のサイズ:幅900×高さ150mmその後、規格サイズのアクリル板は実際には910mm取れることが分かり、急遽、幅を910mmに変更しました。(これによって、駅セクションの中にストレートレールS18.5を1本追加することが出来たのが大きい)最終的に外形は、幅910×奥行約423×高さ162となりました。
TCS(自動運転ユニット、信号機、踏切)を使用。
信号機を『無通電時「赤」モード』に設定することで、TCS交互運転と連動したように見せることができます。
自動踏切は、パワーパックがN-1では容量不足でN-1000-CL以上のものが必要でコストがかかります。また、踏切が閉じるのに約3秒かかるので、このような小型レイアウトでは、閉まりきらないうちに列車が通過することになります。しかし某店でパワーパック共35%オフの値札がついているのを見て思わず手にとってしまいました(^^;。
TCS自動運転の複数のモードに対応させる。
2列車運転の複数のモードや、行き止まり線を使用した往復運転など複数のモードを使えるようにしたいと考えました。ただしそのためには、センサー・ポイントの位置の変更や、電源ケーブルの極性を反転させる必要がある場合もあり、切り替えスイッチを自作しました。
・Bトレインショーティを前提としているので、勾配は作らない。しかし、橋梁を設けたかったので、レイアウトベースを2段構成とする。また、楕円形だとおもしろくないので、橋梁の部分に角度をつける線形を検討する。
・スペースとサイズの関係で、ストラクチャーもTOMIXの物が多く、まるでTOMIXの宣伝のようなレイアウトです(^^;。
・当初はBトレ前提で考えていましたが、レイアウトの作成が進むにつれ、通常のスケールモデルでどこまで出来るか試したくなり、ずいぶん車両にも投資(はずれも含む)することになりました(^^;。
※R140・R103対応、先頭車動力車化などの車両改造の詳細については、別ページ「 R140・R103対応、先頭車への動 力組み込みなどの改造の試み 」にまとめました。



YouTubeにTCS自動運転の各モードの動作例を投稿しています。

TCS自動運転ミニレイアウト 〜R140とR103でどこまで遊べるか〜 http://jp.youtube.com/watch?v=vBkLhdZfPkU

以下、各モードの詳細を紹介します。
レイアウトの全体図です。

TCS自動運転ユニットをレイアウト右端に内蔵しています。
各種ケーブル(電源、TCS、センサー)は一部後で追加・調整したものを除いて、近くのレイアウトの板に穴を空けて下に逃がしています。隠れていますがかなりの数のケーブルが中を這っています。

車両の配置は、以下の動作モードのイメージになっています。 (駅は外側から1番線〜3番線としています)
(1)TCSモード7:エンドレス2列車交互運転モード
1番線 R140:EF65-1000(KATO)+オハネフ25(KATO)
2番線 R140:クハ115(TOMIX)改(TOMIX115系用動力搭載)+クハ115(KATO)
3番線 R103:C56-160(マイクロエース)+オハ31、ワキ5000、ワラ1(KATO)+ヨ8000(TOMIX)

※蒸気機関車であるC56がR103をクリアしたのはびっくりしました。C56は実車でも動輪径が小さいのでR140くらいを期待したのですが、期待以上でした。後述のED61やDD13よりもむしろ安定して走ります。

※2軸貨車はS字やカーブの入り口などで転倒することが多いですが、2軸車の中でも更に小さいワラ1やヨ8000は、少なくともC56やワキ5000の後ろでは比較的安定しています。

※TCS自動運転ユニットを使う場合、DCフィーダーを接続する方向は、TCSのモードによって決められています。パワーパックのディレクションスイッチは、スルーモードを除いて無視されます。また、センサーについては、TCS自動運転ユニットに接続するものは方向は関係ありませんが、TCS自動踏み切り用のセンサーは、向きが決められている(ワンタッチセンサー上のマル印が踏切側に向くようにする)とのことなので、レイアウト決定時に注意が必要です。
詳細図(使用した線路など)は こちら。

線路構成から、これなら幅900mmでも作れるのではないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、厚さ2mmのアクリル板で覆って内径906mmとした場合、カーブでの車体の外側へのはみ出しが大きいので、接触しそうなぎりぎりの状態になります。
断面の構造図です。

FineTrackの高架橋55mmを使用した場合の橋脚底面とレール底面の高さの差は64mm であるため、規格サイズである厚さ4mmのMDF板と60mmの木材を使えばピッタリです。この60mmの空間を活かしてTCS自動運転ユニットを内蔵することで、ケーブルを隠して見付をよくしています。ストラクチャーの高架駅は高さが62mmありますが、一番高いところは両端だけなので、削去は比較的簡単です。

レール面と川面のMDF板の曲線部分は、真夏にノコギリで手で切ったので思いっきり汗だくになってしまいました。
レイアウト裏面に配置したTCS切り替えスイッチです。
左から、電源(外周)の逆転スイッチ、ポイントケーブルの切り替え部、センサーケーブルの切り替え部となっています。特にセンサーケーブルのコネクターは頻繁な抜き差しには向かないので、このような物が必要と考えました。センサーケーブルのメスのコネクター等はとても入手できないので、格好悪いですが、3線を1本ずつワニぐちクリップ付コードに繋いでいます。一応、一番安く作れる方法だと思います。

上記の(1)TCSモード7:エンドレス2列車交互運転モードでは、写真と同じく、以下の設定とします。

なお、レイアウトから外部への配線は、思い切ってシンプルにし、外周用のDC電源・TCS・内周用DC電源の3本のみとしました。ポイントの切り替えは必要なときはレイアウト上で手動で行うことにしました。これは、2番線と3番線との間のポイント(P3)が、TCSのモードによって自動切換えと手動切替えの両方がありうるため、無理に電動コントロールボックスに繋ごうとすると却って面倒になると思ったからです。
電源:
(TCSユニット側)
(レイアウト側)
ポイント:P1P1
P2P2
センサー:S1S1
S2S2
S3S3
S4S4
駅横の道路の奥には、こちらのサイトの記事を参考に、鏡を配置してみました。ちょっと曲がってしまいましたが、奥行感が出せたと思います。この鏡はセンサーレールの目隠しの役目も果たしています。
(2)TCSモード8:エンドレス2列車交換運転モード
1番線 R140:EF65-1000(KATO)+オハネフ25(KATO)
2番線 R140:103系岡山色(マイクロエース)改(TOMIX103系用動力搭載)
3番線 R103:ED61(TOMIX)+コキ10000改(KATO)

TCS設定:

※1番線を右回り、2番線を左回りとするために電源を逆転する必要があります。

※このモードのテストで分かったのですが、EF65(KATO)は右カーブとS字はほぼ問題ないようですが、左カーブでは連結が外れてしまうことが多いです。そのため、動画では全て右回りにしています。

※ED61(TOMIX)はR103で、単機では問題なく走り、牽引する場合は次位の車両をやや重量のある物にする必要があります。例えば、オハ31系(KATO)の場合はウェイトを追加する。セキ6000(KATO)ではバラスト等を積載する。コキ10000(KATO)の台車回転を止める箇所を削去した物では、ウェイトの追加は必要ありませんが、これは1両だけしか牽引できませんでした(コキの後ろに別の車両を繋ぐと、走行中にED61とコキ10000の間の連結が外れました)。
電源:逆(※)
(TCSユニット側)
(レイアウト側)
ポイント:P1P1
P2P2
センサー:S1S7
S2S2
S3S3
S4S4
(3)TCSモード6:エンドレス駅停車モード
1番線 R140:京阪8000系(マイクロエース) ※やや異音あり、S字不可
3番線 R103:阪急6300系(KATO)改(グリーンマックス阪急ミンデン18m動力搭載)

TCS設定:

※阪急6300系(KATO)はオリジナルの動力はR140も通過不可ですが、GMの阪急ミンデン18m動力に換装すると、R103も通過可能でした。ということは、GMの18m級車両もR103通過可能な可能性があると考えられます。ということで既に手元には京阪6000系のキットが・・・Bトレで済ますはずだったのにおかしいなぁ(^^;。
電源:
(TCSユニット側)
(レイアウト側)
ポイント:P1P1
P2P2
センサー:S1S4
S2S3
S3とS4は任意(無視されます)
(4)TCSモード1:単線往復運転モード
2番線 R140:名鉄8800系(TOMIX)
3番線 R103:名鉄モ510・520(MODEMO)

TCS設定:

※名鉄8800系(TOMIX)は、先頭車が動力車となっているため、2両編成が可能です。製品のパッケージにミニカーブレール対応を明記していることもあり、S字含めて問題なく走ります。

※名鉄モ510・520(MODEMO)の2両編成はT車側にウェイトを追加することでR103対応可能でした。
電源:
(TCSユニット側)
(レイアウト側)
ポイント:P1P1
P2P2
センサー:S1S6
S2S5
S2S2
S2S7
(5)TCSモード5:単線往復3列車交互運転モード
1番線 R140:1号機関車A1クラス+客車1両(マイクロエース)
2番線 R140:鉄道コレクション17m大井川鉄道(トミーテック)
3番線 R103:キハ22(TOMIX)

TCS設定:

※このパターンは当初は考えていなかったのですが、TOMIXのミニ電動ポイントが完全選択式(ポイントの中にギャップを内蔵しており、切り替わっていない側のレールには左右とも電流が流れない)であるために可能になったものです。但し、このパターンの場合は、内側の電源ケーブルはパワーパックから物理的に抜く必要があります(パワーパックの電源オフでは駄目です)。また、2番線と3番線の間の両ポイントの間は、まくらぎ2本分の長さにレールを切り出して挟む必要がありました。

※TCS自動運転ユニットの UP/DOWNRATE ADJ. を調節して、分岐線の終端にぶつからないようにしますが、各車の電圧−速度特性がまちまちなので苦労しました。鉄コレは終端にぶつかって止まっているような感じですが、電圧を落とすと今度は1号機関車がポイントを越えられなくなります。

なお、YouTubeの動画には、トレインスコープTC-9による前方眺望も収録しています。R140では左側の線路がかすかに見える程度で、右側は見えません。
電源:
(TCSユニット側)
(レイアウト側)
ポイント:P1P3(極性を反転して繋ぐ)
P2P2
センサー:S1S8
S2S2
S2S3
S2S5
動画には構成上載せませんでしたが、鉄道コレクション17mはR103も通過可能です。鉄道コレクション17mの最近のロットではパッケージにミニカーブレール対応が明記されていますが、それ以上の成績ということです。

18m級車体(小田急)もキープしているのですが、こちらの動力ユニットは今は品切れ状態のようで入手できていません。
鉄道コレクション12m 新潟交通モワ51です。R103通過は単体では可能ですが、貨車(ワキ5000)1両の牽引にも失敗しました。15m級も持っていますが(節操がありません)、共に1台車のみの駆動で、牽引力が弱いです。また、集電板の構造に問題があるので、その上に針金で作ったウェイトを載せて対処しています。17m級はだいぶマシですが。
DD13(KATO)です。R103を単機では問題なく走りますが、牽引する場合は、カプラーをTOMIXのJC-06から切り出した物に交換(このための車両の分解方法はKATOのカタログに記載があります。間違っても台車を引っ張り抜こうとはしないでくださいね)した上で、ED61(TOMIX)と同様、次位の車両をやや重量のある物にする必要があります。但しコキ10000改の牽引は不可でした。




「おきらく研究室:レイアウトと列車のページ」のトップへ
詳細図

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください