このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

出張レポート(11)

春の足踏み・静岡鉄道

2009.3.29

3月28日(土)、静岡鉄道を訪ねた。今年は春の訪れが早く、桜前線は平年より1週間ほど早いとのことなので出かけてはみたものの、ここ数日の寒さで、肝心の桜は1、2分の咲き。やや拍子抜けではあったが、それでも土手の菜の花などに春の息吹きを感じながら電車を乗り継いだ。

  静岡鉄道線概要
路線距離11.0km
軌間1067mm
復線区間全線
電圧直流600V

1.沿線

新静岡駅は、JR静岡駅から徒歩10分ほどの「新静岡センター」地下に改札口がある。少し分かりにくい場所だが、センター建替え工事のため、4月1日には地平へ仮改札口を設置する予定である。
同駅は、2面3線頭端式のホームだが、工事に伴い、現在2線のみ使用となっている。
新静岡を出た電車は約500mごと、こまめに停車し、車両工場のある長沼に到着する。長沼は、JR東静岡の連絡駅となっているが、両駅は500mほど離れている。
電車は古庄を出ると坂を上り、逆S字をえがいて東海道新幹線と東海道本線を越える。坂を下ったところにある県総合運動場は、2面4線の構造で追越可能であるが、列車種別普通電車のみの現在、追越シーンはない。
2駅先の草薙はJRへの乗り換えが最も便利な駅であるが、それでもJR草薙駅とは300mほど離れている。
狐ケ崎から入江岡までは東海道本線との並行区間である。小さな駅に停車を繰り返す静鉄と、スピードをあげて快走するJRの電車との対比がおもしろい。
入江岡を出て巴川の鉄橋を渡れば2面2線の新清水に到着する。改札口を出ると目の前は国道で自動車が行き交う。JR清水駅までは10分ほど歩かなければならない。

2.運転

静鉄は平日ラッシュ時5分ごと、土休日の終日と平日昼間6分ごとの高頻度運転を行っている。静岡市と清水市の合併により新静岡市が誕生したため、市内交通機関として位置づけられることになった。
起終点駅を含め東海道線の駅と隣接した駅はなく、完全に競合関係にある。新静岡−新清水間20分の所要に対し、JR静岡−清水間の所要時間は12分程度で、速さでは比較にならない。運賃もこの間、静鉄の290円に対し、JRは230円と割安である。静鉄は、駅の多さによる利便性と頻発運転による手軽さでJRに対抗している。
運転はワンマンで、駅側で精算する方式を採用しており、車内での運賃収受はない。無人駅も自動券売機による出改札なので、信用乗車に近い運用である。

3.車両

静鉄の車両は1000系といい、2両固定編成で運転する。東急7200系をベースに製造されたステンレスカーである。
オリジナルカラーのほかに企業広告をラッピングした車両が多数存在し、同一形式の車両に変化を与えている。

新静岡を出発する
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JR線を越えて「県総合運動場」へ向かう
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巴川を渡れば新清水へ到着
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桜橋の並走区間ではJR車両が目の前を通過する
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運転本数の多さが自慢の静岡鉄道
(上=静鉄新清水下り 下=JR清水下り)

自動改札機が並ぶ新清水駅

「静岡まつり」PRに一役買う

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