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出張レポート(12)

2009.7.1

6月28日(日)、浜松で開催された鉄道友の会静岡支部の年次総会のあと、天竜二俣駅の見学会が行われた。
今回の出張レポートでは、見学会場への移動に利用した遠州鉄道(西鹿島線)と天竜二俣駅の転車台・扇形庫などを紹介する。
     
        (天竜浜名湖鉄道の皆様、ありがとうございました)

遠鉄経由「天竜二俣駅見学会」

Ⅰ 遠州鉄道線

遠州鉄道線は、新浜松−西鹿島間17.8kmを32分で結ぶ全線単線の路線である。平成の大合併により浜松市域が広がったため、営業範囲は市内のみとなっている。
起点の新浜松駅はJR浜松駅の東側、遠鉄百貨店の裏側にある高架駅。階段を上ると2階がコンコースになっていて改札口があり、百貨店とは連絡橋でつながっている。ホームはさらにその上の3階であるが、地上からホームまでエレベーターとエスカレーターで行くことができる。
運賃表を見ると、初乗り運賃が100円。短い距離でも手軽に利用できそうだ。切符を自動券売機で購入し、駅員さんにハサミを入れてもらう。切符が自動改札になっていない一方でICカードは導入されている。
新浜松駅の線路配置は相対式2面2線だが、通常は1線のみの利用のようで、使用していない2番線には湘南電車の顔を持つ30型1編成が留置されていた。
遠鉄は、早朝深夜を除き12分間隔運転である。新浜松へ到着した電車は4分後に西鹿島へ向けて折り返す。朝のラッシュ時でも運転間隔を詰めることなく、通常2両のところを4両で運用し、対応している。
新浜松を出た電車は高架線上を進んでゆく。高架下は遊歩道や公園などに整備されており、途中駅のつくりからも都市モノレールのような外観である。
高架は助信駅手前まで続いているが、そこから先も高架工事が進んでいる。
乗っていて気がつくのは交換駅の多さである。中間駅16駅のうち13駅が交換可能である。実際、日中時間帯に交換が行われる中間駅は5駅のみなので、かなり贅沢な感じがする。確かに、“安全装置”としての駅設備に余力があるに越したことはない。
そうこうしているうちに、終点の西鹿島へ到着した。天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線(天浜線)との接続駅で、遠鉄の車両基地がある。
駅構内は改札口、ホーム連絡通路とも両線の区分はないが、ホームは別になっており、両線間に連絡線はない。 

Ⅱ 天竜二俣駅の登録有形文化財

天浜線は日中1時間に1本程度の運転本数で、1時間に5本を運転する遠鉄線と比べ、急にローカル色が強くなる。西鹿島の天浜線ホームで待っていると、TH3000型がやってきた。
天竜川を渡り、天竜二俣駅に到着。この駅は天浜線の拠点駅で戦前からの施設の多くが現役で使用されている。このため、転車台・扇形庫のほか運転司令室や浴場なども登録有形文化財に指定されている。
(※)これらの施設は、現在一般公開はされていない。

転車台には運転室がついていて、電動で回転する仕組みである。車庫への入出庫のほか、転線のための折り返しにも使われる。
扇形庫は、もともと6区画あったとのことだが、老朽化のため一部撤去し、現在は4区画が使われているとのこと。
駅舎をはじめ、天竜二俣駅の建造物は、すべからく、といってよいくらい木造である。それらの建物が長い年月を経て現役として使用されている。
現役車両は16両で、うち13両が運用に入るという。運転は単行が基本だが、ラッシュ時には2連になる。技術的には3連運転まで可能とのこと。車両は新しく清潔だ。

天竜二俣駅で交換のために並んだ
TH3000型(左)とTH2100型(右)

奥の建物は運転司令室
手前の車両はTH9200型「宝くじ号」

新浜松を出た電車は、ビルの間を縫って高架線上を進む
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新浜松駅のコンコース

モノレール駅を思わせる遠州病院駅

新浜松に留置中の30形電車

遠州病院駅に到着する1000形電車

天竜二俣駅構内の登録有形文化財を紹介するパンフレット
  
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天竜二俣駅の玄関
鉄道本社も同居している

現役で使用されている扇形庫
訪れたときは2両が入庫していた

TH2100型車両を載せた転車台

転車台には運転台がついていて一緒に回転する

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