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出張レポート(16)

2010.9.23

小田原ハブ・ステーション

小田原駅は、旅客営業を行う鉄道事業者5社が集中する南関東の主要駅である。
2003年(平15)、東西自由通路が完成し、2005年(平17)、東口に駅ビル(小田原ラスカ)がオープンして近代的な駅に生まれ変わった。同一構内で様々な車両を観察することができ、鉄道ファンなら一度は訪ねてみたい駅である。

1.乗り入れ鉄道路線

・東海道本線(JR東日本)
・東海道新幹線(JR東海)
・小田急小田原線(小田急電鉄)
・箱根登山鉄道線(箱根登山鉄道)
・大雄山線(伊豆箱根鉄道)

2.駅の構造
・高架駅        東海道新幹線
・地上駅(橋上駅)  東海道本線
             小田急線・箱根登山鉄道
             大雄山線

ホームの番号は、鉄道会社にかかわらず
通し番号になっている。
・1・2番線      大雄山線
・3−6番線     東海道本線
・7−11番線    小田急・箱根登山鉄道線
・13−14番線   東海道新幹線

3.伊豆箱根鉄道・大雄山線
駅ビル2階に改札口があり頭端式ホーム2面2線を使用している。1番線のみ降車ホーム(番号なし)がある。
大雄山線の車両が大場工場で検査を受ける際は、小田原−三島間をJR貨物により甲種輸送が行われる。
このため、小田原駅2番線と東海道貨物線との間に渡り線がある。

ペデストリアンデッキで駅ビルと
結ばれている小田原駅東口

頭端式の大雄山線小田原駅
道了尊(最乗寺)の天狗が迎える

2番線に到着する大雄山線5000系電車
東海道貨物下り線との間に渡り線がある

大雄山線の時刻表は、早朝深夜を除き12分間隔のパターンダイヤで分かりやすい
10時12分と48分の電車が「運休する場合がある」(赤字)のは、検査入出場の甲種輸送があるため
なお、検査出場時は、小田原で貨物下り本線へ転線できないため相模貨物駅で折り返す

4.JR東日本・東海道本線
東海道本線は島式ホーム2面4線で、3〜6番線を使用している。旅客線の外側を貨物線が通っているが、東海道貨物線は当駅が終端である。
自由通路南側に改札口があり、東海道新幹線とは、小田急・箱根登山鉄道駅をまたいで連絡通路でつながっている。1枚の入場券で、双方を行き来することができる。
当駅は、湘南新宿ラインや特別快速、朝夕運転されるライナーの始発・終着駅であるほか、普通列車の多くも当駅を始発・終着としている。
また、特急「踊り子」の全列車が停車し、「スーパービュー踊り子」の一部列車が停車する。

↑小田原提灯がシンボルのJR小田原駅改札口

←下りに比べ、上り列車の本数が多い時刻表
当駅始発・終着の列車が多いことが分かる
東海道本線は、普通列車でも15連の長大編成で運転される (クリックで拡大)

2001年(平13)、湘南新宿ラインの運転が始まり、小田急では快速急行で対抗するなど、速達化による競争が激化した。小田原駅の乗降客数は、JR東日本、小田急ともに6万5千人程度で拮抗している。
一例として小田原−新宿間の所要時間、運賃等を示したので優劣をみてみよう。
表の項目以外にも、運転頻度、快適性、最終目的地などの要素も加われば、どちらを選択するかはケースバイケースということになろうか。

路線種別所要時間運賃・料金
小田急線ロマンスカー74分1720円
快速急行83分850円
湘南新宿ライン特別快速74分1450円

小田原−新宿間比較

(※)平日日中の上り列車の標準的数値

5.小田急電鉄小田原線・箱根登山鉄道線
小田原駅は小田急小田原線と箱根登山鉄道線の接続駅だが、一体で運用されている。箱根湯本までは小田急ロマンスカーと各停電車のみの運転であり、両社の外観上の分岐駅は箱根湯本駅となつている。
7〜11番線を使用するが、ホームの形状は右図のとおり独特である。新宿方と箱根湯本方に折返し用の頭端式ホームがある。8番線は降車用である。

写真左上=小田急線・箱根登山鉄道線の改札口
自由通路の北側にある

写真上=改札内コンコースからホームを望む
右が7・8番線、左が9・10番線ホーム
9番ホームから8000形電車が新宿に向けて出発した

写真左=7・8番ホーム箱根寄りから11番ホームに入ってくる折り返し箱根湯本行1000形電車

6.JR東海・東海道新幹線
相対式ホーム2面2線使用だが、ホームの間に2本の通過線をもつ典型的な新幹線形途中駅である。
「こだま」は全列車が停車するが、「ひかり」も2時間に1本程度停車する。もっとも東京行「ひかり」は、この先各駅に停車するので速達効果はない。
下りの「ひかり」は早朝の新横浜発広島行を除き、名古屋まで途中無停車、名古屋から各駅に停車する新大阪行である。

300系こだまを追い越すN700系のぞみ

相対式ホームの中央に通過線がある
静岡方にはトンネルがある

朝の東京行の本数の多さが新幹線通勤の
盛況を物語る(四角の枠は休日運休)
小田原から東京まで、わずか36分である
(クリックで拡大)

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