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駅周レポート(1)
城下町を歩く(谷村町駅〜都留市駅)
11月19日、谷村町(やむらまち)駅から都留市(つるし)駅までを散策した。このあたりは谷村地区といい、江戸初期に秋元氏が3代にわたって治めた城下町である。1633年(寛永10)、秋元但馬守泰朝入封以来、2代越中守富朝を経て1704年(宝永元)、3代喬朝(たかとも)が川越へ転封になるまで、郡内地方(山梨県東部・富士五湖地方)の政治・経済・文化の中心として栄えた。その後天領(徳川幕府直轄地)となったため、谷村の城下町としての歴史は幕を閉じたが、代官の役宅である陣屋が置かれるなど、この地の中心都市であることに変わりはなかった。
このため、都留市には現在でも裁判所・法務局、振興事務所など国や県の出先機関が集中している。
谷村町駅は住宅地の中にあり閑静なたたずまいである。
付近に高校があり、利用客は比較的多い。また、ここから甲府方面へ通学する高校生もいて、駅前広場中央に設置されている自転車置き場はいつも盛況である。
駅舎入口の右手にはタクシーの営業所があり、また左奥には中華料理店もあるが、いかにものんびりとした風情である。
駅前の四つ角には「ミュージアム都留」がある。ここの展示の目玉は八朔祭で使われていた「新町屋台」である。新町屋台は梁間1間、桁行2間で、舞台前部と楽屋後部の2間で構成されている。周囲は後幕や水引幕といった飾幕で豪華に彩られている。この屋台は昭和初期まで使われていたものを補修復元したもので、平成10年に完成した。
「ミュージアム都留」の入館料は、後程紹介する「増田誠美術館」とあわせて300円と割安である。
駅前広場を左に折れるとすぐ都留市役所がある。この敷地内を流れる家中(かちゅう)川に最近、水車で発電する「小規模水力発電所」が完成した。自然エネルギーを活用した施設として注目を浴びている。水車は、国内屈指の大きさの直径6mで、36枚の羽根はドイツ製の松の板を湾曲させて作った。最大出力は20kW。来年4月に運用が始まれば、市庁舎の電気料金が年間約170万円節約でき、二酸化炭素排出量も最大80t削減できるという。また、約4300万円の建設費の一部を市民公募債である「つるの恩返し債」で調達したことも特筆される。
国道をはさんで展示庫と向かいに「都留市商家資料館」がある。もともと桂川流域は「郡内縞」と呼ばれる織物の生産が盛んであった。この資料館は大正年間に建てられた織物買継問屋で、土蔵づくりの外観のほか積荷のための16畳の玄関や洋風の応接間など見るべきものが多い。入館無料であるが休館日が多いので確認が必要。
美術館を後にして国道へ出たところに和菓子の店「すがや」がある。ここのおすすめは「八端最中」。大納言、黒こし、白こしの3種類があり、甘さを引き立てる塩味が独特だ。
お値段はいずれも1個126円。お土産用に箱詰めもある。
この付近、国道から少し奥まったところにはいくつもの寺が並んでいる。いずれも小さな寺ながら境内は掃除が行き届き気持ちが良い。ここまで来れば都留市駅はすぐそこだ。
市内随一の商店街である高尾町通りを通って駅へ向かう。この通りもかつての賑わいを思えば寂しさは否めないが、どことなく懐かしさが香ってくる商店街だ。
都留市駅は以前「谷村横町」という名称であった。昨年11月、都留文科大学前駅の開業により特急停車駅の座は譲ったが、駅前からは市内各方面へのバスが発着するなど、市の中心駅としての地位は保っている。
2005.11.27
都留市駅前に白壁のレトロモダンな建物がある。もともと旅館だったと聞いているが、今でもよく手入れされていて前を通る者の目をひく。いつまでも残ってほしい、と思わせる建物だ
自転車置き場のある谷村町駅前
直径6mの水車による発電施設
ミュージアム都留に展示されている「新町屋台」
八朔祭屋台展示庫
都留市商家資料館
増田誠美術館の玄関
和菓子の店「すがや」
3種類の八端最中
幼稚園もある円通院
日蓮宗の東漸寺
高尾町通りの商店街
モダンレトロな元旅館
バスターミナルのある都留市駅
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