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出張レポート(3)
阪神電車体験記
2006.1.28
1月22日(日)、阪神電車の特急を乗り継ぎ、梅田から三宮までを観察した。
JR大阪駅の中央口を出ると正面に阪神百貨店が見え、「阪神電車梅田駅」の案内が目にはいる。左手の阪急百貨店には「阪急電車」の案内があり利用者を誘導している。「○○電車」という言い方は関西では一般的で、私鉄の場合によく使われる。
大阪では、連絡駅でも各社がそれぞれターミナル施設をもっていて、JRほか各線の駅が一体になっていることがない。しかもJRと私鉄では駅名まで違うことも珍しくなく、東京から行った者は面食らう。梅田地区では、JRは“大阪”、私鉄・地下鉄は“梅田”という。
阪神電車梅田駅は地下にあって、地下鉄(四つ橋線)西梅田・(御堂筋線)梅田・(谷町線)東梅田、阪急梅田、JR大阪・北新地の各駅に取り囲まれた好位置にある。
関西では競合路線が多いが、阪神本線は、JRと阪急の各神戸線に競合している。特に西宮以西は3線が接近しており、各社とも顧客争奪にしのぎをけずっている。
ここで梅田(JR大阪)・三宮(JR三ノ宮)間の各線の利便性などを比較してみよう。
路線名 | 比較区間 | 営業キロ | 駅数 | 最速達時分 | 運賃(円) |
---|---|---|---|---|---|
阪急神戸本線 | 梅田〜三宮 | 32.3 | 16 | 特急 27 | 310 |
JR神戸線 | 大阪〜三ノ宮 | 30.6 | 13 | 新快速 19 | 390 |
阪神本線 | 梅田〜三宮 | 31.2 | 32 | 特急 29 | 310 |
梅田・三宮間3線比較
Ⅱ.梅田駅にて
阪神電車は7種類の列車種別があり、しかも同じ種別でも平日と休日で停車駅が違うなど、なれない客はよほど注意して乗る必要がある。また魚崎のように、特急は停車するが急行は通過する駅もある。
休日の朝、下り電車は梅田基準で7時から10時まで12分サイクルのダイヤが組まれており、特急、急行、普通各1本が発車する。10時からは平日と同様10分サイクルになる。
小生が梅田に到着したのは9時30分。阪神梅田駅は5面4線ながら、この時間帯は2番線を特急(直通特急・阪神特急)、3番線を急行、4番線を普通が使用し1番線は使っていない。
乗ったのは9時36分発直通特急山陽姫路行。車両は山陽電鉄の5000系。座席は3列(1+2)の転換クロスシートである。
車内はすいており、座席が7割方埋まっている程度であった。
Ⅰ.競合の阪神間
直通特急の最初の停車駅は尼崎。この駅は西大阪線難波延伸に伴う三宮への直通運転に備え工事が進んでいる。現在2面4線を本線が使い西大阪線は1面1線で折り返しているが、本線下り線が西大阪線の上下線をまたぎ、西大阪線が本線の間に割り込んで方向別になるよう改良する工事と聞く。完成すれば4面6線の大駅になる。同時に近鉄車の乗り入れに対応するためホームの延長も行うとか。
難波延伸は距離にしてわずか3.4kmながら、都心部をはさんで近鉄との相互乗り入れが実現し、西大阪線の飛躍的な発展につながることが期待されている。
この時間帯、2番線が特急、3番線が急行、4番線が普通の指定席である。
山陽電鉄の特急仕様5000系電車。3列シートがめずらしい。
六甲の山並みを望む高架線上を行く。
西宮の緩急接続ダイヤ
先端が狭い御影駅のホーム
三宮へは10時50分着。三宮は地下駅で元町へ通じる1・2番線(3面)のほかに行き止まりの3番ホームがある。ラッシュ時には折り返しに使われているが、この時間帯は使用されていない。
阪神本線は次の元町までで、その先は神戸高速鉄道を経て山陽電鉄まで直通運転しているが、今回の観察は三宮で終わることとした。
地下駅をでると目の前に「大阪へ19分」とアピールするJRの看板が見える。JRはこの3月のダイヤ改正で、新快速の運転時分に余裕をもたせ、大阪までの最速到達時間を20分にするとのこと。
なお「JR三ノ宮」に隣接して「阪急三宮」がある。
バブル崩壊、阪神大震災、JR宝塚線事故といった大きな出来事を経て、阪神電車もJRも(そして阪急電車も)新たな時代を迎えようとしている。
阪神梅田駅(上)と阪急梅田駅(下)の案内
JR三ノ宮駅の案内看板
(※)センターは「尼崎センタープール前」
(※)①〜⑭の番号は電車種別に対応している。
尼崎駅へ入ってくる8000系(急行用)。奥にオーバークロスの工事が見える。
電車種別運行状況
9300系
(急行用)
9000系
(急行用)
5500系
(普通用)
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