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比較レポート

地方私鉄の割引きっぷ

2007.12.8

【ブラン】朝晩寒い日が続いていますが、皆さんお元気でしょうか。
さて富士急行は、この12月1日(土)から来年3月30日(日)までの土休日、最大32%の割引になる「大月往復きっぷ」を発売します。そこで今日は、地方私鉄の割引キップ、とくに線内の割引キップについて考えてみたいと思います。


     (文中、運賃は大人運賃を使用しています)

【ブラン】所長、そういうことで、早速はじめたいと思います。
地方私鉄の割引キップでまず思いうかぶのは、江ノ電の「のりおりくん」ですね。

【富士三六】1日線内乗り降り自由、というやつだな。

【ブラン】こういうキップでは、料金は全線の往復運賃にあわせる方式が多いようですね。

【富士三六】なるほど、途中下車することを考えれば、これは絶対得だからな。

【ブラン】江ノ島・鎌倉の散策には便利ですよね。

【富士三六】全線フリーのキップを発売しているのは、だいたい路線が短い鉄道会社なんだけど、長い路線を持つ大井川鉄道でも、「大井川自由きっぷ」というのを通年で発売している。

【プラン】これも値段は全線往復運賃と同じですね。こうして見てくるとなかなか面白いですね。

【富士三六】ところで、こういうキップを利用するのは、どういう人たちだろう。

【ブラン】う〜ん。沿線の人たちが乗り降りしながら往復するということはなさそうだし・・・、やっぱり観光客でしょうね。

【富士三六】そういうことだろうな。ところが、岳南鉄道の「1日フリー乗車券」はちょっと違っていて、全線往復700円のところが、400円という価格設定だ。

【ブラン】そうすると岳南原田から吉原まで往復するだけでも、「1日フリー乗車券」の方が得、ということになりますね。

【富士三六】同じようにみえるキップでも、このキップは沿線の人の利用も考えている、ということになるな。
実のところ沿線住民向けの割引キップというのは案外少ないんだ。

【ブラン】なるほどね。同じように見えても観光客向けか、沿線住民向けか、という違いがあるわけですね。沿線住民のための割引キップで何かほかに珍しいものがありますか?

【富士三六】伊豆急行が今年4月から発売している13枚回数券というのはどうだろう。

【ブラン】回数券というと、10枚分の料金で11枚というのが普通だと思うんですが。

【富士三六】それが13枚なんだ。

【ブラン】これは結構お得ですね。

【富士三六】右の表を見てごらん。伊東から伊豆高原へ通勤している人の場合、1か月の勤務日数を20日として計算すると3か月間で、13枚回数券の方が通勤定期より3800円も安い。

【ブラン】週休二日が定着してきたから、こういうことにもなるんですね。それでは、これらをふまえて改めて、富士急行の「大月往復きっぷ」を見てみましょう。

【富士三六】「大月往復きっぷ」は、沿線に住んでいる人たちが東京周辺へ出かけるのに便利なキップとして考案された地元重視型の割引キップだ。JRのホリデーパスと組み合わせれば、例えば富士吉田からだと3700円で黄色の図のフリー区間を行き来できる。知れわたれば利用する人は多いと思うよ。

【ブラン】ところでこのキップは、大月までの距離が長いほど
割引率が高いみたいですね。


【富士三六】河口湖や富士吉田の人に利用しやすいよう、
長距離逓減を取り入れているんだな。

【ブラン】それに高速バスの運賃などとの兼ね合いもある
だろうしね。


【富士三六】それもあるかもな。いずれにしても、選択肢が
増えることは利用者にとってよいことだ。

【ブラン】来年3月30日までの季節限定、ということだけど
長く続けてほしいですね。


【富士三六】本当だな。

種類金額内訳
普通
乗車券
76,800640円×2(往復)×60日
通勤
定期券
62,930料金表による
13枚
回数券
59,0776400円÷13枚×2(往復)
×60日

伊豆急行3か月間運賃比較
      (伊東−伊豆高原)

発売期間2007,12,1〜2008.3.30の土休日
2007.12.31〜2008.1.3
有効期間発売日から2日間

大月往復きっぷ

主な駅からの料金
(大月までの往復)

駅名通常往復運賃大月往復きっぷ
河口湖2,2201,500
富士吉田1,9801,400
文大前1,060900

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