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訪問レポート

沿線 見どころ寄りどころ
     (シリーズ)

2007.1.12

富士急沿線の立ち寄りスポットを、管理人が実際に訪問して紹介します。
大月駅からはじめて河口湖駅まで、毎月1回程度のペースで進める予定です。

1.星野家住宅(大月・上大月駅下車)   2.尾県郷土資料館(田野倉駅下車)    3.落合水路橋(禾生駅下車)
4.川茂堰堤(禾生駅下車)   5.都留市商家資料館(谷村町駅下車)    6.十日市場・夏狩湧水群(十日市場下車)
7.浅間公園(下吉田駅下車)     8.旧外川家住宅(富士吉田駅下車)    9.カチカチ山ロープウェイ(河口湖駅下車)

1.星野家住宅(大月・上大月駅下車)〈2008.1.12〉

星野家住宅は大月駅から徒歩20分ほど、上大月駅からは15分ほどのところにある江戸時代の建物。甲州街道花咲宿で本陣を務め、甲州勤番をはじめ大名や幕府の役人などが宿泊した歴史的建造物である。また、1880年(明13)に明治天皇が京都へ行幸する際には、休憩所として利用されている。
母屋は1853年(天保6)に焼失したが、その後再建され今日に続いている。1976年(昭51)、本陣建築の形態がよく保存されているとして、国の重要文化財に指定された。

国道に面した潜戸を入ると広い土間になっている。声をかければ、奥様が出てきて案内してくれる。
内部は、8畳から15畳ほどの部屋が続いていて、奥まで見通すことができる。手前の部屋を通って次の部屋へ行く、といった具合である。
建物そのものもさることながら、展示してある内ち掛けや道具類も興味深い。

    休館日/木曜日・年末年始 
      入館料/大人300円 中高生150円

星野家住宅(花咲本陣)の母屋前景

大名の寝室「上段の間」
明治天皇の「御小休所」(おこやすみじょ)としても使われた

土間から奥を望む
突き当たりの部屋(玄関の間)の左が大名用の玄関である

2.尾県郷土資料館(田野倉駅下車)〈2008.2.10〉

尾県郷土資料館は、1887年(明10)に完成した尾県学校を活用した施設である。尾県学校は当時の県令(藤村紫明)の名をとって「藤村式」といわれる建物のひとつである。
藤村式は、外観は洋風だが日本の伝統工法による擬洋風建築で、山梨県内では役場や学校など100棟ほどが建てられたという。
尾県学校は、間口・奥行ともに7間(12.7m)方形の総2階に塔屋がついている。建築以来130年を経ているが保存状態がよく、1975年(昭50)、山梨県有形文化財に指定された。
建物内部1階には、明治期の教室が復元されているほか、同時代の教育資料が展示されている。
また2階は、大正・昭和期の教育資料の展示や、子どもの遊び道具の展示などがある。
館内は写真撮影禁止となっているので、ここにご紹介できないのは残念なところ。
最寄の田野倉駅からは徒歩で15分ほどかかり、細い道が入り組んでいて分かりにくいが、中央道を目指して行けばたどり着くことができる。
また、ここから山梨リニア実験線の見学センターまでは、徒歩5分足らずである。

明治モダンの旧尾県学校(2007.11.25撮影)

開館日:火・木・土・日・国民の休日(12.28〜1.4までは休館)
開館時間:10:00〜16:00           入館無料

3.落合水路橋(禾生駅下車)〈2008.3.9〉

落合水路橋は1907年(明40)、東京電灯(現東京電力)駒橋発電所関連施設として朝日川を渡る地点に建設された煉瓦造りのアーチ橋。全長56m、幅員8.5mの大規模な構造物で、河床部分が3連、土手部分が4連のアーチになっている。
建設以来100年を経過してなお現役で使用されており、「再現することが容易でない」という基準により登録有形文化財(建造物)に指定されている。
落合水路橋へは禾生駅から徒歩10分ほど。

この辺でB級グルメ情報をひとつ。
禾生駅近くで昼食なら「山もとうどん」(写真下)がお勧め。吉田のうどん風の硬い麺だが、ダシがよくでていてうまい。値段も300円からとリーズナブル。

100年を経て現役の落合水路橋

4.川茂堰堤(禾生駅下車)〈2008.4.12〉

川茂堰堤は、富士急沿線随一の桜の名所。時期には、川茂橋から川茂発電所にかけて、約300本の桜が咲き誇る。
晴れた日には背後に富士山を見ることもできる絶景のお花見場所である。
見ごろは、東京などより10日ほど遅れる。
禾生駅で下車して踏切を渡り、直進して突き当りを左折したところ。駅から徒歩で、わずか5分ほどである。

排水路脇の桜

ブランも一緒に花見をした

5.都留市商家資料館(谷村町駅下車)〈2008.5.25〉

都留市商家資料館は、織物の産地として栄えた都留市に何軒かあった絹問屋のうちの一軒で、都留市指定有形文化財に指定されている。
玄関先で案内を請うと係の人が出てきて説明してくれる。
建築年は大正年間とされるが、書院造りの和風部分に大壁造りの洋風部分もあり、当時とすればかなりモダンな建物であった。
玄関の間、奥の間、茶の間、応接間など、それぞれ特徴のある部屋に往時の工芸品や仕事道具、生活用品などの展示物があり、興味深い。
なお、谷村町駅前には、市営のミュージアム都留があり、こちらへも寄るように勧められた。

   開館日:火・木・土・日 入館料:無料

千本格子を背にした玄関の間

堂々とした構えの資料館全景

展示されている甲斐絹(かいき)の羽織

モダンなつくりの洋間

6.十日市場・夏狩湧水群(十日市場駅下車)〈2008.6.7〉

「十日市場・夏狩湧水群」は6月4日、和歌山県の「那智の滝」や甲府市の「御岳昇仙峡」など著名な観光地とともに、環境省の「平成の名水百選」選ばれた。
選定理由は水そのものもさることながら、約300年にわたる住民の環境保全活動が高く評価された、とのこと。
湧水の様子を見るには、十日市場の永寿院の池がおすすめ。直径10mほどの小さな池だが、水面がさざ波立って、水の湧き出ているのがわかる。
永寿院へは、駅から国道をまたいで集落へ入り、5分ほどの道のりだが、場所がわかりにくいので地元の人に尋ねるとよい。

湧水池のある十日市場の永寿院

7.浅間公園(下吉田駅)〈2008.8.2〉

下吉田駅近くの新倉山中腹にある公園。下吉田駅から見上げれば、最近整備された雛壇状の遊歩道が縞模様に見える。
下吉田駅からは、駅裏にまわって中央道をくぐり、冨士浅間神社を目指す。神社の脇にある階段を上っていくと五重塔(忠霊塔という)が見えてきて公園に行き着く。
この公園の売り物は眺望のよさ。富士吉田市街と富士山が一望できる絶景だ。桜の名所でもあり、五重塔と桜と富士山をとりこんだ写真は、富士吉田市を紹介するさいの定番である。
鉄道趣味人向けには、富士山を背景に走る富士急行線を撮影することができるスポットだ。
もちろん夜景も美しい。
公園のシンボル「忠霊塔」

すぐ下に下吉田駅が見える

富士山と富士吉田市街の眺望

8.旧外川家住宅(富士吉田駅)〈2008.8.23〉

江戸時代、全国各地に富士講ができ、富士山信仰は隆盛を極めた。吉田の御師は浅間神社の神職であるとともに、信仰登山する人々(道者)に自らの自宅を宿坊として提供し、登山の世話をおこなった。
外川家住宅は、そうした御師宿坊のひとつ。間口が狭く奥行きの深いつくりは、どこか京都の町屋ににている。建物は主屋と裏座敷に分かれ、裏座敷には「御神前」という神殿が設けられている。宿坊に到着した講員は御神前に座り、富士の神に向かって祝詞や御神歌を唱和したという。裏座敷には「上段の間」という床が一段高い客室があり、賓客を迎えた。裏座敷は、建物全体が神聖な場所ととらえられていた。
旧外川家住宅へは、富士吉田駅から徒歩で10分ほど。
気をつけながら歩けば町並みのそこここに、かつての面影を見出すことができる。

旧外川家住宅は、富士吉田市歴史民族博物館付属施設で、入館料は100円。
写真は門前から主屋をうかがう(6月撮影)。
なお、館内は撮影できない。

9.カチカチ山ロープウェイ(河口湖駅)〈2008.9.23〉

カチカチ山ロープウェイは、河口湖駅から徒歩10分ほどのところにある河口湖畔駅と、天上山の富士見台駅を3分で結んでいる。
富士見台駅周辺は公園になっていて富士山の眺望が素晴らしい。
眼下には富士急行線の列車が模型のように見え、ついカメラのシャッターを押してしまう。
帰り道、歩いてくだればちょっとしたハイキングになる。これから秋が深まるにつれ紅葉が美しい。一方7月ころは、中腹にあるアジサイの群生が見事である。
河口湖へ行ったら寄ってみたい場所のひとつである。

区分往復片道
大人700円400円
小人350円200円

ロープウェイ料金

富士見台からの富士山 中央を貫いているのは
中央高速とそれに続く東富士五湖道路
左下には富士急ハイランドが見える

眼下に河口湖を見ながら標高差約200mを上る

富士急ハイランドを出て河口湖へ向かう
ホリデー快速河口湖1号

     
 【この写真はクリックで拡大】

天上山にある富士見台駅は標高1075m

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