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SUNDAY TALK2012
第13回:もっと道路に興味を持とうよ〜「いまからいくけんどう」終了に思う〜(2012年〔平成24年〕3月25日公開)
春はいろいろ物事が変わる季節である。今月22日付中国新聞朝刊に広島県の教職員の人事異動の記事が掲載されていたのだが、それに目を通してみると高校卒業当時の担任の女性教諭(英語担当)が退職したとあった。この女性教諭は私のいたクラスの担任だった当時30代後半(ちなみに独身)だったから今春で定年退職したということになるのだが、高校卒業からそんなに時間が経ったのか…と思いを新たにしたものである。
そして本サイトも今春一つの節目を迎えることになった。本サイトではテレビ新広島(TSS、広島市南区出汐〔でしお〕二丁目)の平日午前中の生活情報番組「ひろしま満点ママ!!」で毎週水曜日に放送されている「いまからいくけんどう」で取り上げた広島県の県道路線の一覧表(
路線番号順
・
放送順
)を公開しているのだが、その「いまからいくけんどう」が今月21日の放送をもって最終回となったのである。2006年(平成18年)10月のコーナー開始から5年半、回数にして252回(注1)、取り上げた路線数は246(主要地方道68路線、一般県道178路線(注2))となるのだが、2008年(平成20年)9月に「ひろしま満点ママ!!」の放送回数が2,000回を突破した時それを記念してこのコーナーについての文庫本が出版されたり、2010年(平成22年)3月と2011年(平成23年)3月に一週間にわたってコーナーの再放送が行われたりしたことを考え合わせるとコーナーの人気の高さがうかがえる。
一つの県道路線を巡り、その沿線にある店や珍しいもの、面白いものを訪ね、その沿線に住んでいる人と触れ合う—都道府県道は国道よりは身近な存在であり、市区町村道よりは路線識別手段(注3)が整備されているためにあり得そうな企画ではあった。しかし、なかなか企画するところは出てこなかった。音楽を入れてある道路の走行風景を1分ほど流すコーナー(注4)とか番組放送中ずっと走行風景を流すという企画(注5)はあったが、やはり知名度が低いとか路線識別手段が十分ではないとか道路地図への記載が十分ではないという点で見送られていたのだろう。そういう中で「いまからいくけんどう」が企画されたわけであるが、5年半続く人気企画になったのはやはりレポーターがその沿線にある店や珍しいもの、面白いものを訪ね、その沿線に住んでいる人と触れ合うことで県道路線が身近なものであることを視聴者に印象付けたからであろう。
ならばテレビ新広島の放送区域である広島県の県道路線に対する方針はこの5年半の間に大きく変わったのかというとそんなに変わった印象は受けない。路線方向表示(注3)の設置や三次(みよし)市内で完結する一般県道路線(注6)の三次市への移管などはあったが、次に挙げる点で進歩が見られないままになっている。
・まだまだ路線識別手段や案内が不十分な路線が多い。
・区域未決定箇所が存在する路線が多い。
・通行支障箇所に関する案内が不十分な路線が多い。
・情報公開が進んでいない。
・他の政令指定都市を有する近隣の県(兵庫県・岡山県・福岡県)に比べて路線数が少ない(注7)。
・瀬戸内海にあり、本土と自動車で往来できる島の中に橋が県道路線になっていないために国道・県道のネットワークから孤立しているところがある(注8)。
・広島県や市町の財政事情もあるのだろうが県道路線の新規認定が最近少なくなっている(注9)。
・県道に指定されている自転車道が一つしかなく、しかも本土には存在しない(注10)。
特に都道府県道を身近なものにするために必要なのは路線識別手段や案内の充実である。私が住んでいる福山市を通る県道路線について考察すると下表の通りになる。
主要地方道(10路線)
路線 番号 | 路線名称 | 状況 |
---|---|---|
3 | 井原・福山港線 | ・県道標識は何本も設置されてはいるのだが、いずれも1979年度(昭和54年度)の設置であり、老朽化が著しい。 ・県道標識の下にある補助標識には設置場所の地名しか書かれておらず、路線名称が分からない。 ・広島県道244号福山港線との切り替え点が分かりづらい。特に下り方向(西行き)には何もないのでいつ広島県道244号福山港線に替わったのかが分からない。 |
21 | 加茂・油木線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている(但し全てではない)。 ・小田川にかかる新西田橋(福山市立山野中学校〔福山市山野町山野〕のすぐ東側にある橋)を過ぎたところから狭隘箇所が始まるにもかかわらずそこまでにそのことを予告した標識がない。 |
22 | 福山・鞆線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・福山市水呑(みのみ)町での経路が全く明示されておらず、分かりにくい。下り方向(南行き)は三新田(北)交差点を直進するものと、上り方向(北行き)は福山商業高校入口交差点を直進するものとそれぞれ思われがちだが、下り方向は三新田(北)交差点を右折するのが、上り方向は福山商業高校入口交差点を左折するのが正解となる。 |
26 | 新市・七曲・西城線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・しかし福山市新市町常にある県道標識の補助標識には未だに「芦品郡新市町常」と記されているものがある。 ・福山市新市町金丸以北は離合に難渋する狭隘区間になるが、そのことを注意した標識がない。 |
47 | 鞆・松永線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・福山市鞆町の狭隘箇所に関する注意を喚起した標識の整備が不十分。ある事情によりよく知られているせいもあるのだろうが…。 |
48 | 府中・松永線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている(但し全てではない)。 |
53 | 沼隈・横田港線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・終点は福山市内海町/新睦橋西詰交差点だが、そこには終点を示す物件も、接続する道が県道387号横島循環線であることを示す物件もない。 |
54 | 福山・尾道線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 |
72 | 福山・沼隈線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 |
76 | 神辺・大門線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・ただ、路線の序盤、すなわち福山市神辺町平野/平野入口交差点(起点)〜福山市神辺町下竹田/竹田橋南詰交差点(信号機・交差点名標なし)間は離合に難渋する箇所があるがそのことを注意した標識がない。更にその区間には案内が不十分な箇所もある。 ※福山市坪生(つぼう)町にも離合に難渋する箇所があるが、こちらは近くバイパスが開通する予定である。 ・上り方向(北行き)の福山市坪生町四丁目/坪生町交差点の手前にある案内標識は右折・左折とも広島県道379号坪生・福山線である旨の記載があり、広島県道76号神辺・大門線神辺方面はどちらに進めば良いのか分かりにくい(注11)。 |
一般県道(39路線)
路線 番号 | 路線名称 | 状況 |
---|---|---|
102 | 下御領・井原線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。ただ、それがあるのは上り方向(西行き)だけであり、しかも岡山・広島県境を過ぎてすぐのところに続けざまに二つあるだけである。 ・途中で広島県道189号福山・上御領線と重用する箇所があるが、何の案内もない。 |
103 | 七曲・井原線 | ・起点で接続する広島県道21号加茂・油木線にある案内標識に県道番号入り案内標識がある以外路線識別手段がない(注12)。 ・路線の序盤は新七曲トンネル開通により旧道となった県道21号加茂・油木線を継承しているのだが、昨年11月に七曲隧道が封鎖されたにもかかわらず途中に未だに広島県道21号加茂・油木線の県道標識が残されている。 ・起点で接続する広島県道21号加茂・油木線にある案内標識には狭隘箇所に関する注意書きがあるが、上り方向(北行き)については一切狭隘箇所に関する注意書きがない(注13)。 ・福山市神辺町三谷で広島県道390号三谷・神辺線を分岐するが、何の案内もない。 |
104 | 坂瀬川・芳井線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・途中で広島県道21号加茂・油木線や広島県道418号井関・加茂線と重用するが、そのことが明示されていない。 |
157 | 松永・新市線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている(但し全てではない)。 ・何箇所か離合に難渋する箇所があるが、芦品広域農道以北に存在する離合難渋箇所に関する案内が不十分である。 ・福山市新市町相方(さがた)で広島県道158号尾道・新市線と合流するが、何の案内もない。 ・なぜか最近の「国・県道路線一覧表」では区域未決定箇所があるとの記載がある。 |
158 | 尾道・新市線 | ・路線識別手段は路線方向表示が何箇所かあるだけである。しかも道を間違えやすいところにないことが多く、不十分である。 ・福山市本郷町〜福山市芦田町上有地間に異常気象時通行規制区間があるが、上り方向(南行き)には電光掲示板はあるのにそのことを案内した標識がない。 ・途中で広島県道48号府中・松永線や広島県道396号柞磨(たるま)・駅家線と重用するが、そのことが明示されていない。 ・終点で広島県道157号松永・新市線に合流するが、上り方向(南行き)から来た場合、案内がないので道を間違える恐れがある。 |
181 | 下御領・新市線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている(但し全てではない)。 ・何箇所か離合に難渋する箇所があるが案内が不十分である。 ・福山市駅家町万能倉〜福山市駅家町中島間では最近経路が変更されたが、そのことに関する案内がない。 |
189 | 福山・上御領線 | ・路線識別手段は路線方向表示が何箇所かあるだけである。しかも接続する国道313号線(国道486号線重用)や広島県道76号神辺・大門線で見られるのみで、路線上では全く路線識別手段を見ることはない。 ・現在のところ福山市神辺町下竹田/誠和ハイツ入口交差点(信号機・交差点名標なし)以北しか区域が決定していないが、そのことを明示した標識もなければなぜ福山市神辺町下竹田/誠和ハイツ入口交差点(信号機・交差点名標なし)以南の区域決定がなされないままなのかきちんとした説明がないのがどうかと思う。 ・途中で広島県道102号下御領・井原線と重用する箇所があるが、何の案内もない。そのため正しい経路でたどることが困難である。 |
213 | 横尾停車場線 | ・全く路線識別手段がなく、沿線住民でない限り県道であることが分かりにくい。 |
214 | 神辺停車場線 | ・全く路線識別手段がなく、沿線住民でない限り県道であることが分かりにくい。 ・終点で接続する国道313号線にある案内標識には県道番号の記載がない。 |
215 | 道上停車場・中野線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・広島県道181号下御領・新市線との重用区間を境に状況に格差が生じている。重用後の区間は道路の整備はほぼ終わっているし路線識別手段もあるのに対して重用前の区間には路線識別手段や狭隘箇所があることを注意する標識がない。 |
216 | 戸手停車場線 | ・全く路線識別手段がなく、沿線住民でない限り県道であることが分かりにくい。 ・途中でJR福塩線を踏切で渡るのだが、そこには大型車通行禁止規制がかけられている。しかし、終点で接続する国道486号線にはそのことを注意した標識がない。 |
217 | 新市停車場線 | ・路線識別手段は終点で接続する広島県道26号新市・七曲・西城線下り方向(西行き)にある案内標識だけである。よって路線上には県道番号を知る手段はない。 |
244 | 福山港線 | ・県道標識は上下各一箇所ずつだけだが設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・入江大橋北詰交差点を境に案内の整備に差が出ている。入江大橋北詰交差点以東では全く県道標識がない上にどこで広島県道3号井原・福山港線から切り替わるのかが明示されていない。 |
251 | 後山公園・洗谷線 | ・県道標識は一つだけ、広島県道72号福山・沼隈線から入ってすぐのところにある。通常のものより大きいのが特徴だが、補助標識がないことや設置から既に40年近く経過しているのに新調されないのがどうかと思う。 ・唯一の県道標識や県道47号鞆・松永線と合流する手前にある鞆の浦方面に狭隘箇所があることを記した標識など老朽化が著しい標識が少なくないのがどうかと思う。 |
260 | 福山港・松浜線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・ただ、福山市道との切り替え点が明示されていないのがどうかと思う。 |
378 | 御幸・松永線 | ・県道標識は一つだけ、上り方向(北行き)の芦田川左岸土手にある(福山市立幸千中学校〔福山市御幸町中津原〕の少し北西)。 ・路線の大部分は山陽道(西国街道)を踏襲しているのだが、どこで右折または左折すれば良いか明示されていないことや福山市山手町以西に存在する狭隘箇所に関する注意を喚起した標識がないことがどうかと思う。 |
379 | 坪生・福山線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。ただ、それがあるのは下り方向(西行き)だけであり、上り方向(東行き)には路線名称を記した補助標識のある県道標識が全くない。 ・福山市春日町浦上や福山市西深津町に狭隘箇所があるが、そのことを注意した標識がない。 |
380 | 水呑・手城線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・一つだけ苦言を呈するとすれば広島県道22号福山・鞆線との切り替え点が分からないことである。 |
381 | 熊野・瀬戸線 | ・県道標識は随所に設置されているが、路線名称を記した補助標識のある県道標識は上り方向(南行き)に一つしかない。 ・県道標識の老朽化が著しい。ニチエー瀬戸店(福山市瀬戸町山北〔さぼく〕)のそばにある県道標識は補助標識こそ新しいのだが、県道標識は新調されないままになっている。 ・瀬戸池以南に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 |
382 | 熊野・松永線 | ・県道標識は何本も設置されてはいるのだが、その下にある補助標識には設置場所の地名しか書かれておらず、路線名称が分からない。しかも福山市熊野町から福山市沼隈町にかけての地域には全くない。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。かつては存在したのだが、新調もされないまま撤去されてしまった。 ・福山市金江町では経路が明示されていないために道に迷う恐れがある。 |
385 | 内浦・箱崎港線 | ・路線識別手段は路線方向表示が起点にあるだけである。どこで右折または左折すべきなのかとかどこが終点なのかが全く明示されていない。 ・狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 |
386 | 田島循環線 | ・路線識別手段は路線方向表示や県道番号入り案内標識があるだけである。どこで右折または左折すべきなのかが全く明示されていない。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 |
387 | 横島循環線 | ・全く路線識別手段がなく、沿線住民でない限り県道であることが分かりにくい。 ・横島西岸部に区域未決定区間が存在する。ところが、「国・県道路線一覧表」ではそのことが明記されていない上区域未決定区間に距離標がなぜか設置されている(注14)。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 |
389 | 草深・古市・松永線 | ・県道標識は随所に設置されているが、路線名称を記した補助標識のある県道標識は下り方向(西行き)に一つしかない(福山市内の場合。尾道市内には何箇所かある)。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 ・路線名称の読みがよく分からない。「くさぶか・こいち・まつながせん」なのか「くさぶか・ふるいち・まつながせん」なのか。 ※「古市」は尾道市浦崎町の小字。広島県道389号草深・古市・松永線に広島県道365号戸崎・下組線が合流する辺りにあったが最近の国土交通省国土地理院(茨城県つくば市北郷)発行の地形図には掲載されなくなっている(注15)。 |
390 | 三谷・神辺線 | ・県道標識は広島県道393号粟根・神辺線と合流するまでの区間にいくつかあるだけだが、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・全般的に案内が不十分である。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 |
391 | 加茂・福山線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 ・福山市御幸町森脇(もりわけ)/森脇(西)交差点から南に延びる新道について県道標識が上り方向(北行き)に一つしかないなど案内が不十分なところがある。 ・この新道は現在福山市御幸町中津原で途切れているが、その先をどうするのかがはっきりしていないのはどうかと思う。 |
392 | 中野・駅家線 | ・路線識別手段は県道番号入り案内標識があるだけである。福山市駅家町法成寺に狭隘箇所がある以外整備が進んでいるのに県道標識が全く設置されていないのが残念である。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 ・途中で広島県道181号下御領・新市線と重用する箇所があるが、何の案内もない。 |
393 | 粟根・神辺線 | ・県道標識は一つだけ、上り方向(北行き)にある(福山市立中条〔ちゅうじょう〕小学校〔福山市神辺町東中条〕の西方)。 ・全般的に案内が不十分である。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 ・途中で広島県道390号三谷・神辺線と重用する箇所があるが、何の案内もない。 |
395 | 川南・近田線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 |
396 | 柞磨・駅家線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・ただ、県道標識が整備されているのは芦品広域農道の整備に合わせて改良された区間だけであり、それ以外の区間には全く見当たらない。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 |
397 | 福田・戸手線 | ・県道標識は一つだけ、下り方向(北行き)にある。その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、終点で接続する国道486号線から入ってきた場合、福戸橋を渡ってその取り付け道路を下ったところ(そばに飛鳥という高齢者介護施設がある)まで分からない。 |
398 | 新山・府中線 | ・路線識別手段は路線方向表示がいくつかあるだけである。どこで右折または左折すべきなのかが全く明示されていない。 ・福山市駅家町助元〜福山市新市町下安井間に通行不能区間があるが、そのことを予告した標識が老朽化したり(新山側)撤去されたり(府中側)している。 ・新山側はまだ車道端点に到達していないところで「この先通行不能」という標識を掲げている(注16)。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない。 ・福山市・府中市境が明示されていない(芦品郡新市町在りし頃からそのようになっている)。 |
399 | 金丸・府中線 | ・県道標識は何本も設置されてはいるのだが、その下にある補助標識には設置場所の地名しか書かれていない。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない(但し解消に向けてバイパス建設が進められている)。 ・福山市・府中市境が明示されていない(芦品郡新市町在りし頃からそのようになっている)。 |
400 | 藤尾・井関線 | ・全く路線識別手段がなく、路線名称は起点のそばにある電光掲示板でしか分からない。 ・どこで右折または左折すべきなのかが全く明示されていない。 ・全般的に離合に難渋する道なのにそのことを注意した標識がない。 |
402 | 金丸・市場線 | ・路線識別手段は路線方向表示が起点にあるだけである。どこで右折または左折すべきなのかが全く明示されていない。 ・起点に大型車の通行が困難である旨の注意書きが記された標識が設置されている点だけは評価できる。 |
418 | 井関・加茂線 | ・県道標識は随所に設置されている上、その下にある補助標識にはきちんと路線名称も記されている(但し全てではない)。 ・途中で広島県道104号坂瀬川・芳井線と重用するが、そのことが明示されていない。 ・福山市山野町矢川から福山市加茂町北山にかけての狭隘箇所に関する注意を喚起した標識がない。 |
419 | 坂瀬川・駅家線 | ・路線識別手段は路線方向表示や県道番号入り案内標識があるだけである。どこで右折または左折すべきなのかが全く明示されていない。 ・上り方向(北行き)について、異常気象時通行規制区間が始まる地点にあった異常気象時通行規制区間があることを記した標識がある時期からなくなってしまった。その手前で異常気象時通行規制区間があることが伝えられているだけまだ良いのだが…。 ・福山市駅家町服部本郷以北の狭隘箇所に関する注意を喚起した標識が狭隘箇所に入る手前までない。平成時代初頭にはかなり駅家寄り(福山市駅家町服部永谷)にもあったように思うのだが…。 |
462 | 百谷・新市線 | ・路線識別手段は路線方向表示があるだけである。どこで右折または左折すべきなのかが全く明示されていない。 ・途中で広島県道419号坂瀬川・駅家線と重用するが、そのことが明示されていない。 ・広島県道419号坂瀬川・駅家線と重用した後にも狭隘箇所があるのにそのことを注意した標識がない。 ・福山市新市町戸手で案内がないために道に迷いやすい箇所がある。 |
463 | 津之郷・山守線 | ・路線識別手段は路線方向表示が起点にあるだけである。 ・福山市津之郷町津之郷〜福山市駅家町今岡間に通行不能区間があるが、そのことを予告した標識が老朽化したり(津之郷側・山守側)旧道にあるのにバイパスにはなかったり(山守側)している。 ・津之郷側の通行不能予告標識が車道端点の少し手前にある。 ・途中に狭隘箇所がいくつかあるが、そのことを注意した標識がない(特に津之郷側。山守側は狭隘箇所があることを注意する標識はあるがそれがあるのは旧道である)。 |
市販の道路地図でも都道府県道路線の経路が誤って記されている例があるし、インターネット地図でも最新情報がなかなか反映されない例があるが、やはり行政の努力がまだまだ足りないことが大きいように思われる。「沿線住民だけが知れば良いこと」とか「路線識別手段を全ての路線で整備しろというのはマニアの考えること。人間や地域にも格差があるように道路にも格差があって当然だ」とか「財政の都合で費用対効果が見込めるところだけ整備したほうが良いと考えている。そうでないところは我慢して欲しい」という声もあるのだろうが、市販の道路地図に都道府県道番号や路線名称が記されるようになった今日、経路や路線番号、路線名称、地名、通行上の注意を明示することを怠るのは管理者として責任を完遂していないのではないかと思いたくなる。
道路の価値は上から目線で臨んでは絶対に分からない。私はそのように考えている。「百聞は一見にしかず」ということわざがあることでも分かるように現地に赴いて実際に走行し、沿線に何か興味をひかれるものはないかを探し、現地の方に話を聞いてようやく分かるものである。「いまからいくけんどう」の目的や人気の理由と重なるものがあるのだが、本サイトを含めてそういう形で道路に迫るサイトは残念ながら皆無に近い状況にある(私が気付いていないだけかもしれないが)。「そこまで迫るほど暇じゃない」とか「道路の状況を伝えることこそが第一義。沿線のことなどどうでも良いだろう」という声もあるところであるが、本サイトを含めて沿線住民や閲覧者からの批判を浴びる現実を考えればもう少し沿線住民の目線に立った道路系サイトがあっても良いのではないかと私は考えている。そういうサイトを志向しているところなのだがなかなか時間がとれず、中身の充実が図れないでいるのが現実である(大変申し訳ない…)。
道路は毎日何らかの形で使うものである。故にどうでも良い存在と見る人も少なくない。しかし、もう少し興味を持っても良いのではないかと私は感じている。例えば我々のあずかり知らないところで都道府県道路線の認定・廃止や市町村への移管が行われている現実はもっと知られて良いことだと考えている。「興味を持つための契機がない」という声もあるが、例えば自分が通学・通勤で毎日通る道についてどこに通じるのかとか沿線に何があるのかとかどのような歴史を持っているのかなどに興味を持ったらそれで十分である。道路に関する資料は都道府県立図書館や都道府県庁の資料閲覧室に置いてある他各都道府県の公式サイトで路線一覧表や管内道路図、道路台帳を公開しているところも少なくない。歴史に関しては図書館にある市区町村史や郷土誌、記念誌、新聞、市区町村広報などを読むとある程度のことは書いてあるが、やはり実地踏査を経た上でそれらの資料を調べるのが良いであろう。まあどこまで知るかは個人の自由であるが…。
この度本サイトは開設6周年を迎えた。そして今年7月1日には本格運用開始5周年を迎える。前にも記したように自身の都合などもあり充実がなかなか図れないでいるのだが、今後も試行錯誤を繰り返しながら地域や道路を多くの方々に知って頂くためのサイトを目指していきたいと考えている。決して人気サイトに育てようとは考えていないが、今後もご愛顧頂きたい。
(注釈コーナー)
注1:今年3月14日及び3月21日に放送された総集編「見たい! 食べたい! 会いたい! ひろしまの宝スペシャル」の回数を含み、逆に2010年(平成22年)3月15日〜3月19日と2011年(平成23年)3月21日〜3月25日に放送された再放送の回数は含んでいない(詳細は本サイトの 「『いまからいくけんどう』紹介路線一覧表・放送順」 をご覧頂きたい)。
注2:「いまからいくけんどう」で取り上げた県道路線の一覧は本サイトの 「『いまからいくけんどう』紹介路線一覧表・路線番号順」 をご覧頂きたい。
注3:国道標識(正式名称は国道番号)・都道府県道標識(正式名称は都道府県道番号)・路線方向表示・国道番号入り案内標識・都道府県道番号入り案内標識を指す。
※路線方向表示は道路系サイトではよく「そとば」と呼ばれている標識である。正式名称は国道用(赤色)が「国道番号」、都道府県道用(主要地方道用は緑色、一般都道府県道用は橙色)が「都道府県道番号」となっている。どのようなものかは下に二つ写真を掲載したのでご覧頂きたい。
国道用(上。国道432号線)と一般県道用(下。広島県道468号河内停車場線)の路線方向表示(東広島市河内町中河内)
主要地方道用(上。広島県道37号広島・三次線)と一般県道用(下。広島県道227号志和地停車場線)の路線方向表示(三次市下志和地町)
注4:九州朝日放送テレビ(KBC、福岡市中央区長浜一丁目)制作の平日朝の情報番組「モーニングモーニング」(1986〜1998年〔昭和61年〜平成10年〕放送)や広島ホームテレビ(HOME、広島市中区白島〔はくしま〕北町)制作の平日朝の情報番組「HOMEフレッシュモーニング」(1987〜1995年〔昭和62年〜平成7年〕放送)にそういうコーナーが存在した(「モーニングモーニング」での題名は「朝を走る」、「HOMEフレッシュモーニング」での題名は「モーニングストリート」)。
※なぜ類似のコーナーができたのかという話になるのだが、広島ホームテレビは九州朝日放送から支援を受けていたか関係が深いことがあるからではないかと思われる。九州朝日放送と広島ホームテレビの関係の深さをうかがわせる事実は次に挙げるようにいくつもある。
・広島県を放送区域とする民間テレビ放送局は東京・大阪・福山に支社を置いているが、広島ホームテレビは更に福岡にも支社を置いているから(設置したのは1991年〔平成3年〕以降。「広島ホームテレビ20年史」〔1991年〈平成3年〉広島ホームテレビ20年史編纂委員会編集〕に福岡支社の記述はない)。
・広島ホームテレビはかつて博多祇園山笠(毎年7月1日〜15日)の最終日、すなわち7月15日に開催される追い山を中継する九州朝日放送テレビ制作の番組「走れ! 山笠」を放送していたから。
・広島ホームテレビはかつて九州朝日放送テレビ制作の釣り番組(「栗之助の釣りランド」など)を放送していたから。
・広島ホームテレビは九州朝日放送テレビ制作の長寿深夜番組「ドォーモ」を定期ネットしたことはないが、「山本かよの妊娠日記」を放送したことがあるから(地上波デジタル放送完全移行前は福山市で視聴可能で、同じく「ドォーモ」を定期ネットしたことのない瀬戸内海放送〔KSB、高松市西宝町一丁目〕で放送していたかどうかは確認していない)。
・広島ホームテレビはAKB48のメンバーで福岡県糸島市出身の篠田麻里子が出演した九州朝日放送テレビ制作の「福岡恋愛白書6」(2011年〔平成23年〕放送)を放送したから(瀬戸内海放送で「福岡恋愛白書6」が放送されたのは広島ホームテレビが放送してから8ヶ月も後の昨年暮れだった)。
※広島ホームテレビは更にAKB48→HKT48のメンバーで大分市出身の指原莉乃が出演した「福岡恋愛白書7」(2012年〔平成24年〕放送)も放送している。
・広島ホームテレビが開局した時点で九州朝日放送テレビとは同じ系列になっていたから。
・九州朝日放送テレビは定期ではないが広島ホームテレビ制作の深夜番組「アグレッシブですけど、何か?」を放送したことがあるから(「ドォーモ」の出演者が「アグレッシブですけど、何か?」によく出ている)。
注5:「ドォーモ」で1992年(平成4年)に福岡〜鹿児島間の走行映像(無論早回し)を音楽を入れた上で番組の最初から最後までずっと流したという企画が放送されたことがある。
注6:現在三次市が管理する一般県道路線は下表の通りである(2007年〔平成19年〕10月25日広島県告示第1,057号に基づいて2007年〔平成19年〕10月26日から実施)。
路線 番号 | 路線名称 | 起点 | 終点 | 備考 |
---|---|---|---|---|
222 | 甲奴停車場線 | 三次市甲奴町本郷 | 三次市甲奴町本郷 | |
223 | 吉舎停車場線 | 三次市吉舎町三玉 | 三次市吉舎町三玉 | |
224 | 三良坂停車場線 | 三次市三良坂町三良坂 | 三次市三良坂町三良坂 | |
225 | 塩町停車場線 | 三次市塩町 | 三次市塩町 | |
227 | 志和地停車場線 | 三次市下志和地町 | 三次市下志和地町 | |
228 | 三次停車場線 | 三次市十日市南一丁目 | 三次市十日市中二丁目 | 事実上の終点は三次市十日市南一丁目。 |
229 | 神杉停車場線 | 三次市高杉町 | 三次市江田川之内町 | |
425 | 梶田・三良坂線 | 三次市甲奴町梶田 | 三次市吉舎町知和 | かつては三次市三良坂町棗原(なつめばら)が終点だったが、灰塚ダム建設に伴う道路付け替えにより現在地に終点が変更され、三次市三良坂町を全く通らなくなった。路線名称変更を行っていないので広島県道78号三良坂・総領線と重用していることも考えられるが詳細は不明。 |
426 | 太郎丸・吉舎線 | 三次市甲奴町抜湯 | 三次市吉舎町三玉 | |
429 | 若屋・秋町線 | 三次市粟屋町 | 三次市秋町 | |
430 | 糸井・塩町線 | 三次市糸井町 | 三次市塩町 | |
431 | 和知・塩町線 | 三次市和知町 | 三次市塩町 | |
432 | 青河・江田川之内線 | 三次市青河町 | 三次市高杉町 | |
433 | 穴笠・三次線 | 三次市西河内町 | 三次市十日市東五丁目 | 全線区域未決定。但し三次市三次町〜終点間については区域に編入されると思しき道路は存在する(終点で接続する国道375号線の三次市十日市東四丁目での拡幅事業が完成した後区域決定が行われるという情報もある)。一方で起点〜三次市三次町間については今のところ具体的な計画は決定しておらず、起点が三次市君田町東入君になる可能性もある。 |
434 | 和知・三次線 | 三次市和知町 | 三次市三次町 | |
435 | 木呂田・本郷線 | 三次市君田町東入君 | 三次市君田町東入君 | 「本郷」という小字は実際には存在しない。三次市君田町東入君で完結する路線であることや終点付近は三次市君田地区の中心地になっていることから終点付近の小字である東入君郷を路線名称に用いず、その代わりに本郷とした可能性が高い。 |
436 | 香淀・三次線 | 三次市作木町香淀 | 三次市三原町 | 三次市作木町大山〜終点間は区域未決定。但し区域に編入されると思しき道路は存在する。 |
437 | 大津・横谷線 | 三次市作木町大津 | 三次市布野町横谷 | |
440 | 羽出庭・三良坂線 | 三次市三和町羽出庭 | 三次市三良坂町三良坂 | 事実上の終点は三次市有原町。 |
470 | 三次インター線 | 三次市西酒屋町 | 三次市西酒屋町 |
※広島県道424号甲奴インター線については起点が三次市甲奴町宇賀、終点が三次市甲奴町西野であり、三次市内で完結する路線でありながら現在のところ三次市の管理路線にはなっていない。上表の20路線の管理権限が広島県から三次市に移管された時点で広島県道424号甲奴インター線となるであろう道路(品農免農道)自体は完成していたのだが、区域決定の要素となる尾道自動車道甲奴インターチェンジ(仮称。三次市甲奴町宇賀)の供用がいつ始まるかはっきりしていなかったために対象外になったものと思われる。尾道自動車道甲奴インターチェンジの供用開始は2014年度(平成26年度)の予定となっており、供用開始の直前に区域決定の告示がなされるものと思われるが、管理者が三次市と広島県のどちらになるのかは今のところ分かっていない。
注7:兵庫・岡山・広島・福岡各県の県道路線数は下表の通りである。
※面積の単位は平方キロメートル(データは2012年〔平成24年〕全国都道府県市区町村別面積調による)。
※路線数のデータは2013年(平成25年)5月15日現在。なお、兵庫県と福岡県には政令指定都市の市道が主要地方道になっているところがあるが、それは主要地方道路線数と合計には含めていない(あくまでも県道である路線でのデータとしているため)。
県名 | 面積 | 主要地方道 路線数 | 一般県道 路線数 | 合計 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
兵庫県 | 8,396.39 | 98 | 393 | 491 | |
岡山県 | 7,113.23 | 68 | 305 | 373 | 玉野市と香川県香川郡直島町の境界が確定していないため面積は推定値。 一般県道路線数と合計には津山市阿波(あば)と鳥取県八頭(やず)郡智頭(ちづ)町口波多を結ぶ目的で鳥取県が1976年(昭和51年)に認定しながら岡山県側が未だに認定しようとしていない鳥取県道303号大高下・口波多線を含めている。 |
広島県 | 8,479.73 | 76 | 285 | 361 | |
福岡県 | 4,979.30 | 101 | 355 | 456 | 田川郡添田町と大分県中津市の境界が確定していないため面積は推定値。 |
広島県がこの4県の中で最も面積が大きいのだが、反対に県道路線数は最も少ない。その要因として私は次の点を挙げたい。
・広島県は主要地方道を広域路線と位置付けていること。
・広島県には工業を主力産業として発展した都市が多くあること。
・広島県にある人口10万人以上の都市はいずれも工業を主力産業として発展したところであること。
その状況が垣間見られるのが私の住んでいる福山市である。その状況は次の通りである。
・1954年(昭和29年)1月20日建設省告示第16号で広島県を通る主要地方道路線は23路線が指定されたが、福山市を通る路線は4路線も指定されていること。1954年(昭和29年)1月20日建設省告示第16号で指定された主要地方道路線のほとんどが広島県で認定された1954年(昭和29年)9月17日時点で広島県に存在した市の中では下表で示した通り最多なのだが、背景には広島県東南部の中心都市として発展する可能性があったにもかかわらず福山市を起終点とする二級国道は当時全く指定されなかったことが考えられる。
都市名 | 通過路線名称 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
一級国道 | 二級国道 | 主要地方道 | ||
広島市 | 2号 | 182号広島・松江線 183号広島・米子線 186号広島・浜田線 | (なし) | 二級国道183号広島・米子線と二級国道186号広島・浜田線は市内では全区間二級国道182号広島・松江線と重用(二級国道183号広島・米子線の事実上の起点は三次市、二級国道186号広島・浜田線の事実上の起点は安佐郡可部町)。 |
因島市 | (なし) | (なし) | 尾道・因島線 | |
大竹市 | 2号 | (なし) | 大竹・加計線 | |
尾道市 | 2号 | 184号松江・尾道線 | 尾道・因島線 | |
呉市 | 31号 | 185号呉・三原線 | 呉・西条線 呉・倉橋島線 | |
庄原市 | なし | 183号広島・米子線 | 庄原・新見線 福山・庄原線 | |
福山市 | 2号 | (なし) | 福山・井原線 福山・東城線 福山・鞆線 福山・庄原線 | 主要地方道福山・東城線と主要地方道福山・庄原線は市内では全区間主要地方道福山・井原線と重用(主要地方道福山・東城線の事実上の起点は深安郡千田村、主要地方道福山・庄原線の事実上の起点は深安郡御幸村)。 |
府中市 | (なし) | (なし) | 福山・庄原線 | |
松永市 | 2号 | (なし) | (なし) | |
三原市 | 2号 | 185号呉・三原線 | 三原・東城線 | |
三次市 | (なし) | 182号広島・松江線 183号広島・米子線 184号松江・尾道線 | 大田・三次線 出雲・三次線 | 二級国道183号広島・米子線と二級国道184号松江・尾道線はともに起点から三次市までずっと二級国道182号広島・松江線と重用していたため、どちらも三次市が事実上の起点となる。 主要地方道出雲・三次線は市内では全区間二級国道182号広島・松江線と重用(主要地方道出雲・三次線の事実上の終点は島根県飯石郡来島〔きじま〕村〔つまり三次市だけでなく広島県内に単独区間は全く存在しなかった〕。そのためか認定は1956年〔昭和31年〕までずれ込んだ)。 |
・1954年(昭和29年)1月20日建設省告示第16号で指定された、福山市内を通る主要地方道4路線のうち3路線までがその後の国道再編で国道路線の一部になったために廃止されたこと。福山・井原線は全区間が国道313号線に、福山・東城線は全区間が二級国道182号新見・福山線(1963〜1965。現:国道182号線)に、福山・庄原線は(福山市には直接関係しないのだが)一部区間が国道432号線にそれぞれ再編されたために廃止されたのだが、国道に移行した時期は異なるものの広島県が主要地方道を国道予備軍として位置付けていた様子がうかがえる。事実、1954年(昭和29年)1月20日建設省告示第16号で指定された、広島県を通る主要地方道路線23路線のうち、現在も残っているのは福山・鞆線と三原・東城線、浜田・八重・可部線、厳島(いつくしま)公園線の4路線だけになっている(他の19路線は全て全区間または一部区間が国道路線の一部になったため廃止。残った4路線のうち三原・東城線と浜田・八重・可部線にはその後の国道再編で国道路線と重用する箇所が生じたため全く国道再編と関係なく存続しているのは福山・鞆線と厳島公園線だけになっている)。
・福山市内のJR山陽本線の駅の駅前広場を起終点とする県道路線、すなわち広島県道190号福山停車場線(1960〜1974)と広島県道191号備後赤坂停車場線(1960〜2010)、広島県道192号松永停車場線(1960〜2005)が2010年(平成22年)までに全て廃止され、福山市に移管されていること。いずれも駅前周辺の整備が理由であり、福山市が1960年代以降著しく発展したことで財政事情が良くなったことから福山市が管理しようということになったのではないかと思われる。しかし、移管後に地下道や市営地下駐車場が整備された広島県道190号福山停車場線はともかく、広島県道191号備後赤坂停車場線や広島県道192号松永停車場線の周辺の整備は未だに着手されないままになっている。どちらも民家密集地の中を通っているので整備が順調に進むとは思えないのだが、私としてどうかと思うのは一般市民がこういうことを知る機会も意見を言う機会も全く与えられていないことである。都道府県道路線の改廃は都道府県議会での議決が必要なのだが、その前に説明し、意見を聞く場を設けても良いのではないかと思うのは私だけであろうか。
福山市営駅南口駐車場。広島県道190号福山停車場線が廃止されたのはこの駐車場の建設が主たる理由だった。
広島県道191号備後赤坂停車場線(左)と広島県道192号松永停車場線(右)だった道の写真
都道府県道路線の数は面積が大きいから、人口が多いからそれに比例して多くなるというものではない。例えば広島県より面積が広い岐阜県や鹿児島県の県道路線数は広島県のそれより少ない(岐阜県…292路線〔主要地方道75路線+一般県道217路線〕、鹿児島県…279路線〔主要地方道61路線+一般県道218路線〕)し、広島県より人口が多い静岡県の県道路線数も大阪府の府道路線数も広島県のそれより少ない(静岡県…316路線〔主要地方道73路線+一般県道243路線〕、大阪府…198路線〔主要地方道50路線+一般府道148路線〕)。それぞれの都道府県の事情もあってそうなるのではないかと思うのだが、果たしてどうなのだろうか。
注8:高根島(尾道市)と大崎下島・鹿島・上蒲刈島・豊島(以上呉市)が該当する。高根島には広島県道370号高根島線、大崎下島には広島県道355号大崎下島循環線、鹿島には広島県道285号宮ノ口・瀬戸線(広島県最南端の県道路線)、上蒲刈島には広島県道287号上蒲刈島循環線と広島県道356号豊浜・蒲刈線、豊島には広島県道354号豊島線と広島県道356号豊浜・蒲刈線がそれぞれ通っている(広島県道356号豊浜・蒲刈線は豊島と上蒲刈島を結ぶ路線)。
注9:2000年代に入ってからの広島県の県道路線の認定状況は下表の通りである。
年月日/告示番号 | 認定路線名称 | 備考 |
---|---|---|
2000年(平成12年)1月13日 広島県告示第42号 | 県道474号温品・二葉の里線 | 広島高速5号線の受け皿道路。沿線住民の反対により工事が進んでおらず、未だに供用には至っていない。 |
2000年(平成12年)11月27日 広島県告示第1,069号 | 県道424号甲奴インター線 | 道路自体は品農免農道として開通済だが、尾道自動車道甲奴インターチェンジ(仮称)が供用を開始するまで区域決定は見送られている。 |
2009年(平成21年)2月5日 広島県告示第118号 | 県道303号上筒賀・津浪線 | JR可部線・可部〜三段峡間廃止(2003年〔平成15年〕12月1日)により存在意義が消滅した広島県道241号筒賀停車場線(1969〜2009)と広島県道303号上筒賀・筒賀停車場線(1969〜2009)を再編して発足した路線。なお、「筒賀停車場」とはJR可部線・加計〜三段峡間開業前に筒賀駅を名乗っていた田之尻駅(山県郡安芸太田町中筒賀。1956〜2003)を指す。 ※ならば広島県道241号筒賀停車場線は広島県道241号田之尻停車場線に、広島県道303号上筒賀・筒賀停車場線は広島県道303号上筒賀・田之尻停車場線にそれぞれ改称すれば良かったのではないかと思う方もいるかもしれないのだが、これら2路線の認定時期が初代筒賀駅の田之尻駅への改称の1ヶ月ほど前だったこと(広島県道241号筒賀停車場線と広島県道303号上筒賀・筒賀停車場線はともに1969年〔昭和44年〕5月30日広島県告示第428号により認定。初代筒賀駅の田之尻駅への改称は1969年〔昭和44年〕7月1日実施)に加えて1960年代後半から可部駅以遠の廃止問題が取り沙汰されていたこと、可部線活性化の切り札になるはずだった広島〜浜田間の鉄道建設計画が進展しなかったことから改称は見送ったのではないかと思われる。 |
注10:広島県にある県道路線に指定されている自転車道は広島県道466号向島・因島・瀬戸田自転車道線だけである。
注11:下の写真はその案内標識を撮影したものである。右折後の道(神辺・笠岡方面)は広島県道76号神辺・大門線と広島県道379号坪生・福山線の重用区間になるためこれでも実は間違いではないのだが、当然のことながら広島県道76号神辺・大門線が優先権を有するので右折後の道(神辺・笠岡方面)の路線番号は76に改めるのが通常である。坪生町交差点以南の広島県道76号神辺・大門線には狭隘箇所があることもあって今まで誰も何も言わないでいたのだろうが、この狭隘箇所を迂回するバイパスが近く開通することから苦情が出る恐れが浮上している。
注12:2012年(平成24年)秋にようやく福山市神辺町三谷に県道標識が設置されたが、広島県道21号加茂・油木線を継承した部分には未だに広島県道21号加茂・油木線の古びた県道標識が残されたままになっている。
ようやく広島県側でも設置された広島県道・岡山県道103号七曲・井原線の県道標識(左:下り〔南行き〕用/右:上り〔北行き〕用)
事実上広島県道・岡山県道103号七曲・井原線の一部になった今も残っている広島県道21号加茂・油木線の県道標識
注13:2012年(平成24年)秋にようやく福山市神辺町三谷の広島県道390号三谷・神辺線との交差点に山野方面に狭隘箇所があることを示した標識が設置された(下の写真)。
しかし、2012年(平成24年)11月に広島県公式サイトの「県政へのご意見」に道路状況からして「山野方面大型車通行困難」では不適切であるとの投稿がなされたことにより2013年(平成25年)春に修正が行われている(上の2枚は2013年〔平成25年〕2月10日、下の2枚は2013年〔平成25年〕5月6日にそれぞれ撮影)。
注14:下の写真はその距離標を撮影したものである。広島県道387号横島循環線が認定される前にその辺りの道が県道だった記録はないため、なぜ設置されたのかは全く分かっていない。
注15:尾道市浦崎町で住民に尋ねたところ、「古市」は「こいち」と読むのが正しいとの回答を得た。よって、福山市沼隈町草深の福山市役所沼隈支所前にある県道標識の補助標識のローマ字表記が誤っているということになる。
広島県道389号草深・古市・松永線の県道標識。「古市」に相当する部分のローマ字表記が異なることに注目(正解は左のもの)。
注16:下の写真はその標識を撮影したものである。右の写真でもうかがえるように標識の手前に広島県道398号新山・府中線からそれる道(但しこの道も狭い)があるのだが、その道が新山側車道端点に到達する前の最後の脱出路ということでここで通行不能を宣言しているのではないかと思われる。
※下の写真は広島県道398号新山・府中線の新山側車道端点を撮影したものである。新山側車道端点から左に延びる道が見えるのでそこに立てれば良いのではないかという意見もあるのではないかと思うのだが、新山側車道端点の手前は軽自動車一台がやっとの狭い道になっていることからむやみやたらに入り込んで頂きたくないという考えでかなり手前の地点で通行不能を宣告しているのではないかと思われる。
(AFTER TALK)
道路は身近な存在なのになぜ親しまれていないように見えるのだろうかとかあまりにも知られていないことが多いのではないかと思うことがよくある。同じ陸上交通路である鉄道と比べると関連書籍または映像ソフトがあまりにも少ないことや一部(高速道路や国道路線)を除いて路線名称があまり知られていないこと、公害・環境破壊・景観破壊の元凶とされていること、そこで起きる事故が毎日のようにあり、その悲惨さに堪えなくなっていること、報道機関によって費用対効果がない存在とか税金の無駄遣いの象徴とされていることなどがあるのだろう。
しかし、鉄道建設でも反対運動は起きていることや鉄道路線にも費用対効果がない存在とか税金の無駄遣いの象徴とされているところ(どの路線かは沿線住民の感情を害したくないので記さないでおく)があること、道路にも鉄道と同じく景観が良いところが多数あることを考えればやはり身近すぎるということよりも道路管理者の情報公開・整備が不十分なことと地図出版会社に未だに精確さを欠く点が見られること、そして報道機関がその魅力をあまり伝えていないことが原因ではないかと感じたくなる。テレビの生活情報番組やタウン情報誌の特集企画である道路の沿線の観光地や店舗を紹介することはあるが、国道路線や開通したばかりの高速道路がほとんどであり、都道府県道路線や市区町村道はあまり取り上げられない。路線数や延長は市区町村道>都道府県道>主要地方道>国道>高速道路となるが、知名度は全く逆になるのである。知名度が低いということは取り上げても売り上げや視聴率、聴取率は見込めないということであり、それ故出版社や放送局は取り上げることをためらうのだろう。
そういう中でテレビ新広島は平日午前中の生活情報番組「ひろしま満点ママ!!」で広島県内を通る県道路線の沿線を取り上げる企画を始めたわけであるが、無論企画立案の段階で「路線識別手段のない路線が多いから人気が出ず、短期間で終わるのではないか」という声はあったと思う。しかし、結局は5年半続く人気企画となった。「ひろしま満点ママ!!」が人気番組であり、他の追随を許さない存在になっているからだろうという声もあるが、これはレポーターが毎回一つの路線についてその沿線にある店や珍しいもの、面白いものを訪ね、その沿線に住んでいる人と触れ合うことで県道路線が身近なものであることを視聴者に印象付けたことが大きかったからだと考えている。更に5年半の間に路線数の変動はあったものの、自動車が通れない箇所がある路線や積雪期は閉鎖される路線、道路状況が芳しくない路線、あまりにも短すぎる路線、建設中の路線、起終点は広島県にあるが途中で他県を経由する路線を取り上げており、県道路線の奥深さを視聴者に伝えたのも良かったと言って良い。惜しむらくはコーナー終了前の2012年(平成24年)2〜3月の6回について過去に取り上げた路線を再度取り上げたことであるが、このままやって行けば取り上げないままの路線は短距離路線(○○停車場線や○○港線というような重要施設に通じる路線)ばかりになり、コーナーが成り立たなくなることは目に見えていたことを思うとこれで良かったのかもしれない。
ちなみに「いまからいくけんどう」の後継コーナーは広島県内の鉄道駅とその周辺をレポーターが巡る「あの町へ駅んさい」である。こちらも1年以上続いており、人気が高いことをうかがわせている。
ところで、サイトの運営を開始して7年以上が経過したが、多くの方々が道路に対して興味を持って頂くに当たって私として気になっていることが二つある。そのことについてここから触れていくことにする。
一つ目は道路管理者の情報公開が不十分なことである。私は現在富山県・岐阜県・愛知県・静岡県以西の各府県(2府28県)の国道・県道または国道・府道の一覧表を作成することを企図しており、既に富山・石川・佐賀・長崎各県以外は完成させているのだが、各府県の公式サイトや道路系サイトなどを元に作成していく中で次のような事実に気付いたのである。
・公式サイトで公開している例規で府道路線または県道路線の認定告示を公開しているところ(公開しているのは大阪府と石川・福井・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・奈良・和歌山・鳥取・愛媛・大分・宮崎・鹿児島各県)があるが、現存するのに掲載していない路線があるところや廃止されたのに削除していない路線があるところ、それ以降にも認定された路線はあるのにある時期から更新をやめてしまったところが多いこと。例規に掲載している事柄は最新のものであるべきことを考えるとなぜこのようにしているのだろうか。
・府道路線または県道路線の一覧表を公式サイトで公開しているところが少ないこと。中には福岡県のようにある時期から公開を取りやめたところもある。
・道路台帳を公式サイトで公開しているところがほとんどないこと。私が知る限りでは島根県だけである。公開すれば道路施設(橋梁・隧道など)の名称や距離が分かるなど大変便利なのだが…。
・現在はどの府県も公報が公式サイトで閲覧できるようになっているが、閲覧開始時期がまちまちなこと。できれば大阪府や三重県、鳥取県のように発行開始時点から閲覧できるようにして欲しいと考えているのだが…。
・区域未決定路線を存在しない路線としているところがあること。現在は閲覧できなくなっているが、福岡県公式サイトで以前福岡県の県道路線の一覧表が公開されていた時、福岡県では未だ区域決定がなされていない大分県道・福岡県道114号前津江・星野線が掲載されていなかった。広島県にも同じような路線はあるのだが…。
・政令指定都市のある府県で政令指定都市の中で完結する路線については路線一覧表に掲載しなかったり距離欄に距離ではなく「○○市管理路線」という但し書きを入れたりするなどぞんざいに扱っているところがあること。特に1950〜1960年代に政令指定都市に移行した都市がある京都府や大阪府、兵庫県、福岡県でこういう対応が見られる。
・公式サイトで公開している路線網図に掲載されている路線一覧表で作成しようとしたところ、拡大すればするほど文字が見づらくなり、結局諦めたことがあること。どの県のことかはここでは書かないでおくが、なぜこうなるのだろうか(ちなみにその路線網図はPDF文書である)。
・公報で路線の認定告示や廃止告示、改称告示を行う際、路線番号を記さなかったり都道府県道標識(正式名称は都道府県道番号)導入前の路線番号を記したりするところがいくつかあること。路線番号がない路線はないわけではない(阪神高速道路や鹿児島県内の自転車道)が、そういうことをする府県は路線番号をどのようなものと考えているのだろうか。
・府県庁や府県立図書館で資料をあさることがあるが、資料を長らく発行していないところや全く発行しないところがあること。中国地方の場合、毎年きちんと路線の認定年月日を記載した資料を発行しているのは島根県と広島県だけである(広島県の場合は過去3年間の分は公式サイトでも閲覧可能)。
・路線の改廃基準が不透明なこと。例えば鳥取県では2012年(平成24年)7月に鳥取県道272号智頭(ちず)停車場線を廃止し、八頭郡智頭(ちづ)町に移管させたが、その約2年半前の2009年(平成21年)12月に廃止された鳥取県道180号伯耆溝口(ほうきみぞぐち)停車場線と鳥取県道222号岸本停車場線と異なるのは鳥取県道272号智頭停車場線の起点があるJR因美線・智頭急行智頭線智頭駅は特急列車停車駅であり、鉄道路線の分岐駅であることや平成の大合併でも独立を貫いた自治体の中心駅であること、鳥取県道272号智頭停車場線の廃止と引き換えに認定した県道路線がないことである。鳥取県としては生活路線だったのである程度の整備をした上で八頭郡智頭町に移管させたとしているのだが、だったら何のために鳥取県道272号智頭停車場線は認定され、結局廃止されたのだろうか(ちなみに鳥取県道272号智頭停車場線は1969年〔昭和44年〕に認定されたのだが、路線の大半は国道53号線の旧道であり、国道53号線の改良による旧道処分が認定理由の一つになったものと思われる)。
・「区域未決定路線」についてなぜそのようになっているのか具体的な説明がなされていないこと。中には県道路線に編入すると思しき道があるのになぜ編入を見送っているのかと考えたくなるところがあるのだが、どのように考えているのかが分からないのはどうかと思う。
・府県によって路線識別手段の整備状況に差がありすぎること。複数の府県に跨って通る路線を通るとその差の激しさを痛感させられることがある。
「国道ほど重要じゃないから良いだろう」とか「いずれ再編するつもりだから今はこれで良いだろう」とか「マニアのために良いようにするつもりはない」などと言うのだろうが、都道府県道路線も生活に密着した路線であり、重要な路線である。たとえ路線識別手段が全くなく、山の中の民家の手前で途切れる路線でもそこの住人と話をしてみたら「ああ、この道は県道ですよ」と言われた経験もある。記すまでもなく管理者の上から目線な態度が垣間見えるのである。
確かに明かしづらい問題もあるかとは思うのだが、情報公開が不十分なことで迷惑を被るのは我々である。更にある道路について「この道は要らないのではないかと感じた」とか「観光行政の失敗作だ」とか「○○県はこの道を一刻も早く××市に移管し、県道としては廃止したほうが良い」というような、沿線住民を不快にさせるような評価が道路系サイトでなされる一因にもなっている(自分もかつてそのようなことをしていたので決して他人のことは言えないのだが…)。どの府県も財政事情は厳しいことは分かるのだが、重要機密と位置付けられる道路はまず存在しないのだから府民または県民に分かりやすい道路行政を展開することを強く求める次第である。
二つ目は道路状況をありのまま伝えるのはそこを通ろうと思う方に対する情報提供になるので一向に構わないのだが、それを通り越えて「酷道」とか「険道」という当て字(揶揄表現)を用いてその道路のひどさを伝えたり「この路線は存在意義が感じられない」とか「この道が国道(県道または府道)である必要はあるのだろうか」というような評価を下したりする道路系サイトがあまりにも多いことである(お断りしておくが私はそういうサイトの存在や思想を否定する意図でこのようなことを書いているわけではない)。私は元々「酷道」とか「険道」という表現は好きではないし、前にも記したように以前はそのようなことをしていたが自身の考えと矛盾することや閲覧者の方から抗議を受けたこと、更に昨秋パソコンを買い替えたためにサイトを一から再構築する必要が生じたこと(OSがWindowsXPからWindows7に替わっただけで表示がかなり変わってしまったため。Windows8導入は考えていないわけではない〔導入可能なパソコンなので…。無論既にインストールはできるようにしているがまだしないでいる〕がWindows8導入後はどうなるのだろうか)などから現在はやめているし今後もするつもりもないのだが、私として思うのは道路は何のためにあるのかを考察し、地域目線に立った道路系サイトは考えられないのだろうかということである。
7年以上サイトを運営してきて感じたのは、道路は何らかの目的を持って計画・建設されていることと路線識別手段がなくても未改良箇所が多くても沿線住民には大切な交通路として認識されており、ぞんざいな評価を下すことは沿線住民の感情を害する恐れがあること、現在でも未改良箇所や通行不能箇所がある路線があるのはそれ相応の理由があるからであり、昔はそういう道路ばかりだったことを考えるとバカにするのはいかがなものかと考えていること、そして道路には誰にも冒すことのできない尊厳があることである。いずれもサイトを運営してきた中で気付いたことであるが、同時に如何に我々は自分視点、言い換えれば上から目線で道路を見てきたかということを痛感させられる。まあ報道機関も政治家も一般市民もみんな上から目線で道路を見てきたのだからそうなっても致し方ないのかもしれないのだが、そういう考えはそろそろ卒業すべき時が来たのかもしれない。
「そんなことはどうでも良いだろう」と言う人がいるかもしれない。けれど、無生物ではあるが何らかの目的を持って生まれた道路は多くの人々に利用され、親しまれることに誇りを持ち、「あなたはもう要らないから…」などと言われて切り捨てられることや「この道路はひどい。何のために(例えば)国道になったのか分からない」などと否定されるような評価をされることでものすごく傷付く。それをなぜ我々は分かってやれなかったのだろうか。いろいろな経験を経てようやく自分も分かってきたのだが、(それが正解というわけではないのだろうが)自分が目指してきた「道路系サイトの新機軸」は結局利用者の目線と沿線住民の目線、そして道路そのものの目線に立ってある一つの道路を紹介し、道路が持つ熱い思いを伝えることではないのだろうか。(決して自分は彼のマネをしたわけではないし自分が草分け的存在だと主張するつもりも一切ないのだが)最近九州地方を中心に高速道路を紹介しているサイト「ぐるぐるアンバランス」(2014年〔平成26年〕3月末で閉鎖)の管理人が「道にも魂(こころ)がある」という主張を始めたが、重なる点や異なる点はあるがこういう考えを持つ方が出てきたことは喜ばしいし、励みにしたいと考えている。
現在は個人的な都合もあり、取材活動は休止し、各種一覧表や年表の整備に重きを置いている。しかし、取材活動を再開したらその道路の状況や問題点、課題、沿線情報、そしてその道路の抱く思いや生まれてきた理由を伝えていこうと考えている。別に私のやり方をまねて欲しいとは思っていないのだが、本サイトを通じてもっと道路に興味を持ち、親しみを持ってもらえるようになったら…と今思っているところである。
(2013年〔平成25年〕5月15日追記)
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