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 天念寺と川中不動 
天念寺と川中不動
豊後高田市の国道29号から、「川中不動」と書かれた木製の看板に従って左の脇道である県道548号に入って少し走ると、 道沿いに小さな川「長岩屋川」が流れています。
その「長岩屋川」の中にある大岩に摩崖仏が刻まれており、「川中不動(かわなかふどう)」と呼ばれています。

▲ 国道29号沿いに見える看板。この左側の道を進む

 ▲ 道路の右側に長岩屋川。中央の建物が「鬼会の里」
天念寺は山号は長岩屋山という天台宗の寺院で、 六郷満山の中山本寺で、寺伝によれば養老2年(718年)に仁聞により創建されたとされいます。 平安・鎌倉時代には修厳と祈願の寺院として栄えました。
天念寺の伽藍は、本堂・庫裡・講堂・六所権現社(現:身濯神社)などがありましたが、 本堂と庫裡は昭和16年の集中豪雨で流出してしまい、現在は講堂と六所権現が残るのみとなっています。

毎年旧正月の旧暦1月7日の夜に「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」(国の重要無形民俗文化財)が行われ、 一年間の五穀豊穣や無病息災を祈ります。 隣接して建てられた「鬼会の里」では、修正鬼会の様子をビデオで見ることができます。
この周囲は奇岩や秀峰がそびえる景勝地として、天念寺耶馬と呼ばれています。

 ▲ 周囲は天念寺耶馬と呼ばれる景勝地

 ▲ 長岩屋川にある川中不動
「川中不動」の通称で知られるこの摩崖仏は、 室町時代に、氾濫を繰り返す川の水害防除の願のために造られたと伝えられています。 真ん中に不動明王、その横に制多迦童子、矜羯羅童子の両脇侍という不動三尊で、真ん中の不動明王は3.7mもあります。

2010年に訪れたときには、摩崖仏の姿がくっきりはっきりとは見えませんでしたが、 2014年に再訪したときには、摩崖仏のお姿が以前よりくっきりはっきりと刻まれて見えました。 恐らく修復されたものだと思われます。

 ▲ 2010年に写した川中不動







 ▲ 2014年に写した川中不動

 ▲ 写真左手に天念寺、奥の建物が「鬼会の里」

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右の写真は、川中不動から見た天念寺です。 写真の左手に写る建物が「天念寺講堂」で、 中央が「天念寺身濯神社(みそぎじんじゃ)」です。 天念寺講堂、身濯神社のすぐ背後にそそり立つ巨岩は20m程の1つの長い岩屋です。

「天念寺講堂」は旧暦1月7日の夜に行われる修正鬼会の舞台となるところで、 中には薬師如来坐像が鎮座しています。 杉皮の上に茅を葺いた屋根で、 嘉永6年(1853年)の峯入りに関する墨書が柱に残されているので、それ以前の建築である事が分っています。

講堂の右隣には「天念寺身濯神社」があり、本殿は文政11年(1828年)、拝殿は嘉永6年(1853年)頃に建てられたものです。 神仏習合の姿を良く伝えています。


▲ 川中不動から見た天念寺。左が講堂、右に身濯神社

 ▲ 天念寺講堂

 ▲ 天念寺講堂

 ▲ 天念寺講堂の薬師如来坐像

 ▲ 天念寺講堂から身濯神社を見る

 ▲ 身濯神社

 ▲ 身濯神社
身濯神社の右側、本堂の左側にあたる場所に、 「国宝堂跡」があります。
明治39年に旧国宝に指定された、6体の平安仏が安置されていた国宝堂と呼ばれる建物があった場所です。
現在は建物はなく、石窟があり、中には数体の石像が安置されています。

 ▲ 国宝堂跡

 ▲ 国宝堂跡
本堂及び庫裡は昭和16年の水害で流されてしまい、現在の本堂は昭和36年に再建された小さなものです。
中には県指定文化財の木造釈迦如来坐像・木造日光菩薩立像・木造月光菩薩立像・木造吉祥天立像が安置されています。

 ▲ 天念寺本堂

 ▲ 本堂の中

 ▲ 天念寺耶馬の無明橋
天念寺耶馬と無明橋
天念寺の背後にそびえる奇岩・岩峰は同じ大分県の名勝・ 耶馬溪 にちなんで天念寺耶馬と呼ばれています。
天念寺耶馬は平安時代以降、六郷満山などの僧侶たちの「行の場」として修行僧たちが歩いた場所です。 今でも約10年に1度のスパンで峯入り行が行われています。
中でも天念寺耶馬のシンボル的な存在であるのが、標高211mの尾根上に架かる「無明橋」という石橋です。 幅1.2m、長さ5.7mのアーチ橋で、手すりなどはありません。
現在の橋は大正時代に作られたもので、それ以前は木製だったとされています。 無明橋は無命橋と標記されることもある危険な橋で、心に邪があれば落下してしまうと言われています。
実際に滑落事故が何件も起こっているそうです。

 ▲ 天念寺耶馬と鬼会の里歴史史料館
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天念寺 DATA
住所大分県豊後高田市長岩屋1152
電話番号0978-23-3100
駐車場あり。無料
公式HP
備考
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last visited : 2014/05/06

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