スイス鉄道旅行
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

1988年夏 スイス鉄道旅行




●7月26日【1日目】 マイエンフェルト 

 スイス鉄道旅行の出発地は、チューリッヒ。
 8日間有効の「スイス・ホリデーパス」を持って、鉄道旅行へ出発です。

 スイス国鉄の赤い客車に乗り込みます。1等・2等がハッキリと分けられているあたりは、 やはり階級の明確なヨーロッパらしいところ。我々は当然、2等車両に乗車。車内放送 などという親切なものは何もないまま、「ゴウン」と発車しました。

 行先は、知る人ぞ知るマイエンフェルト。この名前を聞いてピンと来た方は、かなりの “通”といっていいのではないでしょうか。
 皆さんもご存知でしょう。スイス・アルプスの大自然を舞台に描かれた名作アニメ、 「アルプスの少女ハイジ」。あの素晴らしい風景のなかでのびのびと育ったハイジが、 ある日デーテおばさんに引っ張られて、クララのいるフランクフルトへと連れられていく ことになります。アルムの山を降り、ふもとのデルフリ村を通り、駅にたどり着いて フランクフルトまでの長い鉄道の旅に出るのですが、その時最初に汽車に乗る駅こそが、 今日の我々の目的地、マイエンフェルトなのです。

 そう、「アルプスの少女ハイジ」に出てくるマイエンフェルトは、実在の駅なのです。
 そして、そのマイエンフェルトを降りると、本物のデルフリ村があって、そこからは アルムの山へと続くハイキングコースがあるのです。

 我々はハイジの家を目指して、マイエンフェルトからそのハイキングコースを歩いて行くのです。

 チューリッヒからマイエンフェルトへと続く車窓には、雄大な眺めの山々が連なり、いい景色 でした。まさにスイスを旅行している実感に浸ることが出来るのですが、外国の鉄道というのは 日本のようにダイヤ通りに運行されることはめったにありません。日本のように親切な(そして やかましい)車内放送も全くなし。駅を過ぎるごとに、なぜか駅名が見づらい看板に目を凝らし、 時刻表と照らし合わせて「そろそろだな、マイエンフェルトは」と確かめるしかなく、ぼんやりとは できません。

マイエンフェルト駅。 駅舎のあたりにサダと三浦ねーちゃん、山形先生の姿が見える

 たどり着いたマイエンフェルトは、スイスの中でもローカルな小駅。まるでペーターのような、 朴とつとした何の変哲もない田舎駅なのです。その雰囲気を、我々はすっかり気に入ってしまいました。
 “我々”…そう、このスイス鉄道旅行には仲間がいたのです。
 まずひとりは、大学の同級生・N。(若い頃のさだまさしに似た風貌なので、ここではサダと 呼ばせてもらいます。)20日間の旅行中、常に行動を共にした、今回の旅行のパートナーです。
 そして、山形から来た高校の先生。東北訛りが印象的な好人物。この人、ドイツでは常にビールを 2杯飲んでいました。理由は簡単で、最初に憶えたドイツ語が「ツヴァイ」=2だったからです。
 もうひとりは愛知から来た三浦のねーちゃん。あちこち海外旅行を楽しんでいる、お気楽独身30歳 です。さらに横浜から来た23歳のねえちゃん。横浜は西谷に住んでいる「ミス西谷」。この3人は いずれもツアー先で知り合ったメンバーです。スイス旅行中も、ついたり離れたりすることになります。

彼らに私を含めた5人で、マイエンフェルトからハイキングコースをウォーキング。デルフリ村には、 アニメで見た通りの広場と泉がちゃんとありました。コースには「ペーターの小屋」「 アルムの家」もあるそうです。

 ハイキングコースはあれど、元来は素朴なデルフリ村。観光客らしき人影は殆ど見当たりません。 のどかで静かな山道を歩いていくと、ぽつりと農家があり、老夫婦が庭に佇んでいました。おじいさんは ヒゲを蓄え、一見いかつい顔つきですが、実際は気のいい人柄。まさにハイジのおじいさんのようです。 我々に、しぼりたてのミルクを差し入れてくれました。「どうもありがとう。」とお礼を言ったつもりが、 老夫婦は「?」とばかりに苦笑いしてます。
 他のメンバーがすかさず「おいおい、ありがとうはダンケ・シェーンでしょ。」 どうやら私は、 ありがとうと言うつもりで「グーテンターク!(こんにちは)」と言ってしまったようです。

 「ペーターの家」を経由して、頂上にあるアルムの家へ。頂上は、アニメから連想していたよりも 低所にありました。もっと物凄い氷河や万年雪なんかがあるところかと思っていましたが、意外に こじんまりした景色。ただ、小屋の後ろに高いもみの木があるあたりは、ハイジの家そのものです。
 青い空と緑の草原、白い雲に包まれた山々に囲まれ、気分は爽快。アルムおじいさんが俗世を離れて 住み着いてしまったのも肯けるような気がします。

マイエンフェルトはスイスののどかなローカル駅

 ハイキングコースを再び下り、マイエンフェルトへ。マイエンフェルトでは、私が是非とも確かめたかった ものを見に、トイレへ。駅の公衆便所は、汲み取りではありますが、やはりちゃんとした洋式便所でした。 こういうヨーロッパのローカル地での公衆便所はどうなっているかが興味あったのですが、やはり ヨーロッパ。ただし、中は汚れていて、とても座って用を足す気なれませんでしたが。

ここでサダと私は、他の3人と一旦離れ、別々の方向へ。我々はサンモリッツまで行き、深夜のなか ホテルにチェックイン。スイスの1日目が終わりました。


【2日目】ベルニナ急行 へ続く







「雑草鉄路」の先頭へ戻る

「スイス鉄道旅行」の先頭へ戻る


トップページに戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください