スイス鉄道旅行
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

1988年夏 スイス鉄道旅行




●7月28日【3日目】 氷河特急 

 いよいよスイス鉄道旅行の目玉、氷河特急への乗車です。スイス東部にあたる サンモリッツから、スイス中南部にあたるバーゼルまでの、アルプスの山岳を 縫っての旅です。

 ホームに入ると、氷河特急の赤い客車が我々を出迎えてくれました。

 途中からは、「三浦のねーちゃん」も合流。「三浦のねーちゃん」は あらかじめ町で買い込んだ寿司(!)を、なんと、箸を使って食べ始めていました。 金髪の少年が不思議そうに眺めているのに気がつくと、「三浦のねーちゃん」 は、「ジス・イズ・ハッシー!」と言って話しかけ、「アッハハー」と笑っていました。 ポカンと口を開けたままの金髪坊や。彼から見れば、さぞ異様な光景だったことでしょう。

 氷河特急は雄大な眺めの中を進んでいきます。これでもピークの峠越えの部分は かなり以前にトンネルになってしまい、本当の氷河らしい氷河は見られなくなってしまった そうなのですが、それでも山の風景は実に素晴らしい。

見ると、谷底の遥か下に小さな町が見下ろせます。まるで宇宙から見ているかのように 眼下彼方に豆粒のようになって見えている集落。もの凄い眺めだなあ…と思って見ていると、 列車はみるみる、どんどん坂を下っていき、なんと、その町にある駅・アンデルマットへと 着いてしまったのでした。これにはさすがにびっくり。まるで飛行機が着陸していくのを 見ているかのような、一大ページェントでした。

 アンデルマットを発車すると再び列車は山を登ってゆき、車窓には高原の荒涼たる風景が 展開されます。万年雪も ちらほらと点在して、乗客たちの目を釘づけにしてしまう。みな一斉にカメラのシャッターを 押し、ビデオを回し続けます。スイスでは誰でも名写真家になれる。何かのガイドブックで 書かれていたセリフですが、全く実にその通りだなあと思いました。

氷河特急の車窓から

 バーゼルで氷河特急と惜別、インターラーケンを経由して今日の宿泊地、 グリンデルワルドへと向かいました。

 バーゼルからの途中、列車の中で我々を見たのであろう地元の若者のグループが 何やらささやき、笑っていました。その会話と笑い声のなかから「イエローモンキー」 という言葉が含まれていたのを、私は聞き逃しませんでした。そして昨日の イタリア・ティラノでの一件を思い出し、急に腹が立ってきました。この 時に感じたのは、欧州人の間には根強いアジア人蔑視が植え付けられている のだなあ…という思いでした。

 よく日本に来た外国人が「我々はいつでもガイジン扱いされている」と 言うのを耳にしますが、それは何も日本人に限ったことではないようです。 彼らから見れば、我々日本人はテロリストまがいのイエローモンキー、格下の 「ガイジン」なのです。

 ムカムカした私の気持ちとは裏腹に、車窓はすがすがしい高原の香りが 漂うようになり、やがて山岳列車はグリンデルワルドに到着しました。

 日本語の案内もある観光案内所で手に入れた地図を片手に、今日の宿へと 向かいます。スイスでは看板をはじめ、至るところフランス語・イタリア語・ ドイツ語の3カ国語表記。スイスは4カ国語が公用語ですから当然といえば 当然ですが、その全てが解読不能な我々からしてみれば、そこまで親切に 表記するのなら、せめてついでに英語も入れてくれよ、と言いたくなって きます。まあ、それだけに、日本語もある観光案内所は実に有り難いものでした。

いかにもスイスの高原、といった雰囲気のロッジ風ホテルに到着、 スイスでの3日目の旅を終えました。


【4日目】ユングフラウヨッホ へ続く





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