このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

<岬と灯台写真館>

野島崎と野島埼灯台(千葉県)

1998年3月15日と2004年3月13日に野島崎(千葉県)で撮った写真です。


 房総半島の最南端にある野島崎(のじまさき)には、何度も訪れたことがありますが、周辺には、磯が広がり、白亜の灯台が佇立していて、どの方向からも格好の被写体となるのです。周辺をぐるっと巡りながら、いつも写真を撮っています。ここは、300年ほど前は島だったそうです。しかし、1703年(元禄16)12月31日<旧暦では11月23日>に起きた元禄地震によって隆起して、陸と繋がってしまったとのことです。また、1923年(大正12)9月1日の関東大震災でも2mほど隆起し、その時に初代の野島埼灯台も倒壊しています。

☆野島埼灯台地図
野島埼灯台 (1998年3月15日撮影)
野島埼灯台の概要
番号 1910 [F6456]
位置 北緯 34度54分06秒 
東経 139度53分18秒
塗色 白色  
構造 塔形(八角形) コンクリート造
レンズ 第2等フレネル式
灯質 単閃白赤光 毎15秒に1閃光
光度 73万カンデラ(実効光度)
光達距離 17海里(約32km) 
明弧 254度から101度まで
灯塔高 29m(地上〜塔頂)
標高 38m(平均海面〜灯火)
初点灯 1870年(明治3)1月22日
所在地千葉県安房郡白浜町白浜630
<特徴>
 野島埼灯台は、千葉県房総半島の最南端の岬に立つ、白亜の八角形をした美しい 大型灯台 で、「 日本の灯台50選 」にも選ばれました。周辺は、南房総国定公園に指定されていて、雄大な太平洋のパノラマが展開しています。

<歴史>
 この灯台は、幕末の1866年(慶応2)5月に、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ「改税条約」(別名「 江戸条約 」)によって建設することを約束した8ヶ所の灯台の一つです。これらを 条約灯台 とも呼び、日本で最初に建設された一群の洋式灯台でもあります。これらが順次建設され、 観音崎灯台 に続いて、日本で2番目、1870年(明治3)1月22日<旧暦では明治2年12月18日>に 初点灯 しました。このように、野島崎は東京湾に出入りする船舶に とっては、昔からの重要ポイントだったのです。 F・L・ヴェルニー を首長とするフランス人技師たちの設計によって建設された当初は、白色八角形の レンガ造灯台 でした。基礎から灯火までが30mの高さで、フランス製の第1等 フレネル式レンズ を使用した 第1等灯台 で、石油灯器の6、500カンデラだったそうです。しかしながら、関東大震災で、地上6mの所で折れて、大音響と共に倒壊してしまいました。 現在の白色塔形(八角形)コンクリート造 りの灯台は、その後1925年(大正14)8月15日に、再建されたものですが、1945年(昭和20)太平洋戦争の攻撃で大きな被害を受け、1946年(昭和21)11月12日に完全復旧したものです。尚、野島埼とあるは昔の書き方で、1962年(昭和37)に埼を崎と改め、サキをザキと呼ぶようになったそうですが、灯台の方は以前の呼び方のままです。

<現況>
  灯塔高 (地上〜塔頂)29m、 標高 (平均海面〜灯火)38m、第2等 フレネル式レンズ を使い、 光度 73万カンデラ(実効光度)で、 光達距離 は17海里(約32km)です。また、 無線方位信号所 (レーマークビーコン)も併設されています。ここは、一般公開(有料大人150円、小人20円)されている 参観灯台 で、上まで登ることができますが、灯台上からは太平洋や遠く伊豆半島までも見渡すことが出来、すばらしい眺望です。また、 灯台資料館 (愛称「きらりん館」)が併設されていて、以前烏帽子島灯台で実際に使われていた第2等 フレネル式灯台レンズ など貴重な灯台関係資料も展示されています。
野島埼灯台のプレートと旧霧信号所 (2004年3月13日撮影)

☆灯台資料館(きらりん館)

灯台資料館(きらりん館)とF・L・ヴェルニーの胸像 (2004年3月13日撮影)
烏帽子島灯台で使われていた第2等フレネル式レンズ及び灯台用の灯器 (2004年3月13日撮影)

  灯台資料館 (愛称「きらりん館」)が併設されていて見学したのですが、初代の野島埼灯台の建設に関わった F・L・ヴェルニー の胸像や以前烏帽子島灯台で実際に使われていた第2等 フレネル式灯台レンズ など貴重な灯台関係資料も展示されていて、目を引きました。


☆野島崎周辺の磯

野島崎周辺の磯 (1998年3月15日撮影)

 灯台周辺の岬一帯は、野島崎公園となっていて、磯遊びに最適な岩場が広がっています。ここには、1周15分ほどの遊歩道が整備されていますが、そこを巡りながらいろいろな角度から灯台を眺め、磯に打ち寄せる高波を写真に撮りました。


☆野島崎西の磯

野島崎の岩礁に押し寄せる波 (1998年3月15日撮影)

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