このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

<岬と灯台写真館>

塩屋埼と灯台(福島県)

2003年12月13日昼に塩屋埼(福島県いわき市)で撮った写真です。


 急に海が見たくなって、常磐方面へ1泊2日の旅に出ることにしました。それで、土曜日の朝7時過ぎに自宅を出て、常磐自動車道を北に走ったのです。たいした渋滞にもぶつからず、順調に走って、福島県境を越え、9時過ぎには、いわき四倉インターで下りました。それからは、太平洋に沿って南下し、四倉舞子温泉「よこ川荘」へ立ち寄り入浴後は、天然記念物の大鰻が生息する沼内弁財天に参拝してから、塩屋埼(しおやさき)へと至ったのです。ここは、美空ひばりの「みだれ髪」という歌で一躍有名になったところで、断崖絶壁上に白亜の灯台がそびえていました。残念ながら、工事中で灯台まで上ることが出来ず、内部は見学できなかったのですが、いろいろな角度から写真を撮ってきました。美空ひばりの碑があって、その前に立つと自動的に「みだれ髪」の歌が流れてくるので、驚きました。

☆塩屋埼灯台地図
塩屋埼灯台 (2003年12月13日撮影)
塩屋埼灯台の概要
番号 1801 [F6512]
位置 北緯 36度59分42秒 
東経 140度58分55秒
塗色 白色  
構造 塔形(円形) コンクリート造
レンズ 第3等大型フレネル式
灯質 単閃白光 毎15秒に1閃光
光度 44万カンデラ(実効光度)
光達距離 22海里(約41km) 
灯塔高 27.32m(地上〜塔頂)
標高 73.0m(平均海面〜灯火)
初点灯 1899年(明治32)12月15日
所在地福島県いわき市平薄磯字宿崎33
<特徴>
 塩屋埼灯台は、福島県いわき市の塩屋埼に立つ、白亜の美しい 大型灯台 です。周辺は、磐城海岸県立自然公園に指定され、太平洋に臨んで、北に薄磯海岸、南に豊間海岸と海水浴の適地に恵まれ、マリンスホーツファンにも人気のスポットです。また、「 日本の灯台50選 」にも選ばれています。

<歴史>
 この灯台は、1899年(明治32)12月15日に、煉瓦石造で建てられ、 初点灯 されました。この辺一帯は、昔から潮の流れが激しく、暗礁も多い、海上交通の難所として知られていました。そのため、江戸時代から、狼煙台がつくられ、灯台の設置もいち早く行われたのです。しかし、1938年(昭和13)11月5日に、福島県沖地震のため破損し、1940年(昭和15)3月30日、鉄筋コンクリート造に改築されました。ところがさらに、太平洋戦争末期に、たびたび米軍の標的となり、飛行機の攻撃を受けて破壊され、灯台としての機能を失ってしまいました。その時に、灯台職員の方もが殉職されています。その後、1950年(昭和25)4月7日、戦災復旧工事によって レンズ や灯器か修復されました。 木下惠介監督の「 喜びも悲しみも幾歳月 」(1957年松竹作品)は、灯台職員とその家族が転勤で地方の灯台をまわりながら、積み重ねる喜びと悲しみを描いた映画作品として有名ですが、当時の塩屋埼灯台長夫人、田中きよさんの手記「海を守る夫とともに20年」(雑誌「夫人倶楽部」寄稿)をもとにしたものなのです。しかし、灯台職員の労苦によって守られてきて灯台も、1993年(平成5)2月に、無人化されています。

<現況>
 現在の灯台は、白色塔形(円形)コンクリート造りで、 灯塔高 (地上から塔頂まで)27.32m、 標高 (平均海面から灯火まで)73.0mで、第3等大型 フレネル式レンズ を使い、 光度 44万カンデラ(実効光度)、 光達距離 22海里(約41km) です。また、 霧信号所 (ダイヤフラムホーン)と 無線方位信号所 (レーマークビーコン)も併設されています。一般公開(有料150円、小人20円)されている 参観灯台 で、上まで登ることができますが、灯台上からは太平洋が眺望でき、北には薄磯海岸から新舞子、そして南は豊間海岸が一望できます。また、 灯台資料展示室 が併設されていて、灯台に関する貴重な資料も展示されています。

☆美空ひばりの碑

美空ひばりの「みだれ髪」の歌碑美空ひばりの遺影碑

 塩屋埼灯台下にあり、灯台と太平洋を望む小公園「雲雀乃苑」には、美空ひばりの「みだれ髪」の歌碑と遺影碑が建ち、その200mほど北には、永遠のひばり像も建立されています。故美空ひばりが、最後にレコーディングした「みだれ髪」には、塩屋埼が歌いこまれていて、一躍有名になったのです。遺影碑の前に立つと、センサーが自動感知して、美空ひばりの歌う「みだれ髪」が流れてきます。


☆薄磯海岸の風景

薄磯海岸から塩屋埼灯台方向を望む
薄磯海岸の風景

 塩屋埼灯台の北に広がる薄磯海岸は、1994年(平成6)に選定された「日本の渚100選」にも選ばれました。この辺りでは、勿来と人気を二分するマリンレジャースポットとなり、塩屋埼に立つ白亜の灯台を望む景観が秀逸です。


☆二見ケ浦の風景

二見ケ浦から塩屋埼方向の眺望
二見ケ浦の風景

 豊間、合磯(かっそ)海水浴場の沖に浮かぶ2つの島は、伊勢二見ケ浦の夫婦岩に似ているところから、「二見ケ浦」と名付けられたそうで、初日の出の参拝地としても知られています。ここは、北は塩屋埼、南は合磯岬にはさまれた海岸線で、海鳥たちが海辺で遊んでいました。また、サーファーの好みのスポットでもあるそうです。


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