このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

<岬と灯台写真館>

潮岬と灯台(和歌山県)

1989年1月16日と1999年9月13日に潮岬(和歌山県)で撮った写真です。


 潮岬には、今まで5回以上訪れていますが、何度いっても感動を新たにする場所なのです。紀伊半島の南端、串本町へ着くまでもたいへんなのですが、さらの先端の潮岬(しおのみさき)へと至るとほんとうに日本の果てまで来たという感慨に浸るとが出来ます。事実、ここが本州の最南端で、潮岬灯台や潮岬タワーからみると水平線が丸く見え、地球が丸いのだと実感できる場所なのです。周辺は、海蝕崖となり、磯が広がり、白亜の灯台が佇立していて、カメラの被写体にも事欠かない所です。

☆潮岬灯台地図
潮岬灯台(1999年9月13日撮影)
潮岬灯台の概要
番号 2902 [F5994]
位置 北緯 33度26分15秒 
東経 135度45分16秒
塗色 白色  
構造 塔形(円形) 石造
灯器LB-H120型灯器
灯質 単閃白光 毎15秒に1閃光
光度 97万カンデラ(実効光度)
光達距離 19海里(約35km) 
明弧 278度から130度まで
灯塔高 22.51m(地上〜塔頂)
標高 49.47m(平均海面〜灯火)
初点灯 1873年(明治6)9月15日
所在地和歌山県西牟婁郡串本町大字上野字御崎2877
<特徴>
 潮岬灯台は、紀伊半島にある和歌山県の南端、潮岬に立つ、白色の塔形(円形) 石造 の美しい 大型灯台 で、本州最南端に位置しています。また、「 日本の灯台50選 」にも選ばれていますし、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの 保存灯台 ともなっています。周辺は、吉野熊野国立公園に指定されていて、雄大な太平洋のパノラマが展開しています。

<歴史>
 この灯台は、幕末の1866年(慶応2)5月に、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ「改税条約」(別名「 江戸条約 」)によって建設することを約束した8ヶ所の灯台の一つです。これらを 条約灯台 とも呼び、日本で最初に建設された一群の洋式灯台でもあります。これらが順次建設されていったのですが、この灯台も日本の「灯台の父」と呼ばれる R・H・ブラントン が設計・指導して1869(明治2)年4月に 樫野埼灯台 と共に着工、翌年の7月8日<旧暦では6月10日>に完成、仮点灯で業務を開始しました。しかし、本点灯は、1873年(明治6)9月15日と他に比べて遅くなってしまいました。 これには、逸話が残されていて、本当は、建物の完成と共に本点灯する予定だったものの、イギリスから灯台機械を運搬してきていた船が、東シナ海で沈没し、その代わりに、アメリカから蒸気機関車のヘッドランプを輸入し、とりあえずの仮点灯としたためだそうです。このように、この灯台の建設が急がれたのは、ここが古くから、海上交通の要所となっており、また沖合は流れが速く、風も強いため、航海の難所としても知られていたためです。当初の灯台は、八角形の木造で、我か国最初の洋式 木造灯台 でした。しかし、1978年(明治11)4月に、現在の 石造灯台 に改められました。

<現況>
  灯塔高 (地上から塔頂まで)22.51m、 標高 (平均海面から灯火まで)49.47mです。現在では、光源にハロゲン電球を使用し、LB-H120型灯器によって、 光度 97万カンデラ(実効光度)、 光達距離 は19海里(約35km)となっています。また、 無線方位信号所 (レーマークビーコン)も併設されています。ここは、一般公開(有料大人150円、小人20円)されている 参観灯台 で、上まで登ることができますが、灯台上からは太平洋が一望でき、地球が丸く見えるすばらしい眺望です。また、 灯台資料館 が併設されていて、以前使用していた第2等フレネル式不動 レンズ など灯台に関する貴重な資料も展示されています。
潮岬灯台の遠景(1989年1月16日撮影)

☆潮岬周辺の海

潮岬にある本州最南端の碑と周辺の海(1989年1月16日撮影)
潮岬周辺の海食崖と海(1999年9月13日撮影)

 串本節で「潮岬に灯台あれど恋の闇路照らしゃせぬ」と唄われたことで有名な潮岬は、本州最南端(北緯33度26分・東経135度46分)に位置しています。ここから見る太平洋はすばらしく、海から昇る朝日と海へ沈む夕陽が両方とも見られる場所としても有名です。岬の先端部は、広大な芝生で覆われていますが、かつて海軍の望楼が置かれていたことから、今でも「望楼の芝」と呼ばれていて、現在では、潮岬タワーが建っています。その最先端の崖の手前に、本州最南端の石碑が立てられているのです。潮岬は、串本と砂州で結ばれた陸繋島で、この陸繋島全体を潮岬と言っているそうです。ここは、標高60〜80mの隆起海食台地で、周囲の海岸は高さ40m以上の海食崖となっています。従って、海岸線まで下りるには、この崖を下らなくてはなりません。


☆潮岬周辺の磯

潮岬周辺の磯(1999年9月13日撮影)

 潮岬灯台の周辺は、海食崖と複雑な岩礁地帯で、風化によって出来た洞窟がいくつかあります。磯が発達していて、海釣りの好ポイントとしても知られ、釣り人も多く訪れる所なのです。


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