このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

静岡鉄道

 

ハ1-4

静岡鉄道のボギー客車ハ1-4です。もと中遠鉄道の大日本軌道製のロボ1−4がルーツです。もとは同じ形態だったのでしょうが、末期は細部がそれぞれ異なっていました。

 ハ1

 

今回最も苦労した1台。ハ3,4に比べ2段窓風(横桟が入っているだけのようです)になった窓だけに気を取られがちですが、妻板の窓は一段下がっていたり、前後の妻板の形態が前後で微妙に異なっていたりします。ベンチレータも車体中心側に寄っています。

北総レール倶楽部のHPに両側の写真が載っているのですが、ブレーキハンドル側の形態がよくわからず、2人の先輩に写真や図面など資料を提供していただきました

 

 

 

 

ブレーキハンドル側の妻板。窓柱が反対側より細く、幕板の補強も反対側と差があります。

  

 反対側の妻板。窓柱がやや太くなっていたようです。

ブレーキハンドル側の出入り台。腰板内側に縦の補強があるほか、出入り口上部の側板は妻板手前で継いであります。

 ブレーキハンドルがない側。腰板内側に縦の補強がなく、出入り口上部の側板が妻板前端まで伸びています。この腰板の補強の有無の差は、いただいた写真で判明しました。

 

ハ2

3両のうち、唯一の半流?車。全高も高いようですがどこで高さの違いを生じたかわからず、ハ2とハ1の連結した写真がないか手持ち資料を片っ端からチェックしたところ、ありがたいことに「 写真でつづる 静岡鉄道駿遠線(阿形 昭(著)静岡新聞社)」45頁に気動車がハ1とハ2を牽引している写真がありました。この写真から、「どうやら窓から上をざっくり切り取って窓高さと幕板高さを広げ、屋根も作り直したらしい」と考え、図面を引きました。なぜかこの車両の写真は多く、細部の資料には苦労しませんでした。廃車時期も比較的遅かったようなので、稼働率が高かったのでしょうか?

ハ1と連結すると、こんな感じです。実物の写真からは腰板の高さは同じで窓から上を大がかりな改造を施したように思いました。

 

エッチング板は1枚にハ1,3,4の片側と、ハ2の片側をセットし、2枚で2両出来る構造にしました。また、屋根は別の板にまとめたので、側板のエッチング板2枚と屋根1枚で、ハ2とハ1,3,4がいずれか1台の2両が作れます。今回ハ1,3,4を作ったので、ハ2の材料が2両分残ってしまい、もう1台ハ2を作りました。1台は単色時代、もう一台はツートンカラーを再現しようかと考えています。

ハ3

ハ3はおそらく妻板を付けたくらいで原形に近いのでしょう。ネットで資料を探しているときに、黒澤映画でバグナルがこのタイプの客車を引いているシーンがあることを知りました。屋根の形や窓割りもそっくりでしたが、番号は2でした。昔はハ2もこの形態だったのは間違いないようです。

ハ3と4は出入り台手すりの付き方がハ1,2と違っていたり、端バリもやや高さが低いような気がしました。また、ステップも異なりますが、ハ2も末期にはこのようなステップに換えられていたようです

 

ハ4

ハ4もハ3によく似た形態ですが、幕板のウインドヘッダーの形態が違います。また、台車はやや小型のものが使われているようでした。模型はTR-16で代用しました。妻板の窓は、ハ3,4とも側面と同じ高さのようです。

台車の違いで車高差が出てしまったので調整中です。ウインドヘッダーは妻板、側面ともに両者で差があります。

 

先行試作のハ3

最初にテストショット(第1版)のエッチング板で作ったハ3です。ハ1との共通設計ですが、ハ1の妻板窓が低いことや窓柱が太すぎることなどに気づき(この辺はハ1とハ3に形態差がないと思いこんでいた)、エッチング板を作り直しました。

左から第2版ハ1,第1版のハ3,第2版のハ3です。ハ3は窓が高い分、精悍に見えます。試作車の窓柱が太いのはハ1の非ブレーキ側を基本に設計したため。設計後湯口さんの私鉄紀行Rail 72,73が発売され、これらの差に気づきました。

 

先行試作のハ2

 

こちらは第1版のエッチング板によるハ2。あまり不満もなかったのですが、せっかく作り直すので、妻板と側板のつぎ方や、出入り台付近のパターンを実車に近くしました。(第2版では出入り台横が一段へこんでいる)

左が先行試作の1版のエッチング板によるハ2。右が第2版。出入り口上の妻板と側板のつぎ方や、出入り台付近のパターンを修正。

 

 

今回、先行試作車2両を含め、合計7両作りました。連結器を付けていない車両が先行試作車です

 

 

 

               自作する に戻る

 

                                                       HOME に戻る

   

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください