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車両形式 の記号等について |
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多くの鉄道の車両には以下の例のように、ある形式を示す記号および数字がついてます。電車の側面や機関車のナンバープレートに書かれているのをご覧になった方も多いと思います。
このページは、国鉄・JRの鉄道車両(蒸気機関車・貨車・新幹線車両を除く)の形式を示す記号や数字(形式称号)について簡単に説明します。
特急 スーパー雷鳥(サンダーバード)3号 和倉温泉ゆき (平成7年7月26日) 金サワ 4003M〜2003M・4003M〜6123レ まえ3両はスーパー雷鳥宇奈月(サンダーバード) 大阪→
←宇奈月温泉 681系特急形交直流電車(サンダーバード) | 列車名 行 先 記録年月日 所 属 列車番号 ←先頭 編 成 後尾→ 記 事 |
上記の車両のうち、6号車のクモハ681-501を例に挙げます。
- クは制御車すなわち運転台がついていることを示し、Cで表したりもします。入換などのために中間車両に簡易運転台のついた車両の場合はクをつけません。
- モは電動車すなわちモーターがついていることを示し、Mで表したりもします。すなわちクモは電動制御車(MC)です。ちなみに、モーターがついていない車両は付随車すなわちトレーラー(T車)で、サで表します。2・4・5号車はモーターなしであることが分かります。なお、6号車のモーター付き制御車クモハ681を除いて、1・7・9号車の制御車はモーターはなく、特にサはつけません。
- ハは普通車を示します。ロは特別車両すなわちグリーン車もしくはA寝台車(S)、ネは寝台車、シは食堂車・ビュフェ車(B)、ニは荷物車、ユは郵便車などというように車両の用途を示します。なぜ、ハが普通車になったかというと、昔わが国では三等級制をとっており、イが一等(現在でいうと特等)・ロが二等・ハが三等だったからです。イは戦後廃止され、ロが一等に、ハが二等になり、等級制度が廃止されたのちも、ロを特別車両(グリーン車)として、現在に至っています。
- 6のある桁(「1位」)は電気方式を示し、国鉄時代はだいたい、1〜3が直流電車、4〜6が交直流電車、7〜8が交流電車を表すということになっていました。例に挙げた車両は交直流電車です。なお、数字の部分はJRになって以後、車両の種類が大幅に増えた結果、国鉄時代のルールから外れた車両が増えています。
- 8の桁(「2位」)は車両構造のグループを示し、0〜2が通勤形・近郊形車両、5〜7が急行形車両、8が特急形車両、9が試作車両を表しています。急行はほぼ消滅に向かっているため、特急車両でも5を用いているものもあります。例に挙げた車両は特急形車両です。
- 1の桁(「3位」)は設計の順序を示しています。主制御器を有する車両が奇数で、その数字より1を減じた偶数の車両とで編成を構成します。9は信越本線の横川・軽井沢間の碓氷峠をこえるための特別な対策を行った車両につけていました。
- ハイフンよりうしろの数字は製造番号です。なお、車両の用途や仕様の変更によって1000番台といったような割り当てをする場合があります。例えば、上掲の681系サンダーバード(JR西日本)の北越急行バージョンである681系スノーラビットは、2000番台をつけて区別しています。
以上から、1号車のクロはモーターなしの制御車でグリーン車であることがお分かりになると思います。もしグリーン車の半分もしくは一部が普通席なら、クロハとなります。また、モーターがある制御車でグリーン車ならばクモロとなります。制御車でなく編成の中間にあってモーターのないグリーン車はサロです。
東海道・山陽本線を走るEF65-501を例に挙げます。
- 最初のEは電気electricの頭文字です。
- 次のFの桁は動軸数を示し、Bは2軸、Cは3軸、Dは4軸、Eは5軸、Fは6軸、Hは8軸を表します。
- 65の桁は形式番号で、10〜29は最高速度が時速85キロ未満の直流電気機関車、30〜39は時速85キロ未満の交直流電気機関車、40〜49は時速85キロ未満の交流電気機関車、50〜69は時速85キロ以上の直流電気機関車、70〜79は時速85キロ以上の交直流電気機関車、80〜89は時速85キロ以上の交流電気機関車、90〜99は試作車両を示します。
- ハイフンよりうしろの数字は製造番号です。なお、列車の用途によって、500番台は高速旅客用、1000番台は旅客・貨物両用、その他の一般用に分けられます。
キハ58-1を例に挙げます。
- ディーゼルカー(気動車)は、一部の例外を除いて、すべての車両にディーゼルエンジンを搭載しているため、必ずキハ181-1のようにキを頭につけます。登載しない場合はキサハのようにキサとします。また、ほとんどの車両に運転台があるためか、運転台のあるなしにかかわらずクはつけません。ちなみにガスタービン車もキで表します。
- ハは普通車を示します。車両の用途は電車の場合と共通です。例えば、ディーゼルカーのグリーン車はキロ、食堂車はキシとなり、エンジンのない食堂車ならばキサシとなります。
- 5のある桁(「1位」)は動力方式を示し、0が機械式・電気式気動車、1〜4が小馬力ディーゼルエンジン付気動車(液体式ディーゼルエンジン1基)、5が小馬力機関付気動車(液体式ディーゼルエンジン2基)、6〜7が大馬力ディーゼルエンジン付気動車、8が特急形気動車、9が試作車両を表します。例に挙げた車両は液体式機関2基を積んだディーゼルカーです。
- 8の桁(「2位」)は車両構造のグループを示し、0〜4が両運転台付車両、5〜9が片運転台付車両もしくは運転台のない車両を表しています。例に挙げた車両は片運転台付車両です。
- ハイフンよりうしろの数字は製造番号です。
キハ181系・183系・185系気動車の場合、最初の1はディーゼル動車であることを表し(2も同じ)、3であればガスタービン動車となります。8は特急形車両であることを示し、最後の桁は設計の順序を示しています。
次に、ディーゼル機関車を取り上げます。DD51-1を例に挙げます。
- 最初は動力の種類を示し、Dはディーゼルdieselの頭文字です。
- 次のDの桁は動軸数(動輪の軸数)を示し、Dは4軸です。Bは2軸、Cは3軸、Eは5軸、Fは6軸、Hは8軸を表します。
- 51の桁は形式番号で、10〜49は最高速度が時速85キロ未満のもの、50〜89は時速85キロ以上のものを示します。構内入換用のDE10やDE15は前者、DD51やDF50は後者に当たります。
- ハイフンよりうしろの数字は製造番号です。
寝台特急カシオペア号の1号車スロネフE26-1を例に挙げます。
- スの桁は車両の積車重量を示し、コは22.5トン未満、ホは22.5トン以上〜27.5トン未満、ナは27.5トン以上〜32.5トン未満、オは32.5トン以上〜37.5トン未満、スは37.5トン以上〜42.5トン未満、マは42.5トン以上〜47.5トン未満、カは47.5トン以上を表します。
- ロは特別車両すなわちグリーン車もしくはA寝台車を指します。車両の用途は電車と共通で、上述のほか、エは救援車、ルは配給車、ヤは試験車・工事車などの職用車、フは緩急車(車掌弁や手ブレーキのある車両:簡単に言えば車掌室のある車両)などがあります。例の車両は、ロネすなわちA寝台車であり(この車両に関しては今までのA寝台よりグレードが高いので「特A寝台車」という場合もあります)、さらにフで緩急車であることが分かります。
- EはJR東日本jr-eastの車両であることを示しています。これは、各JRに分割されて車両も増えて形式番号の重複を防ぐためで、JR東日本の新しい車両につけられています。圧倒的多数の、他の会社の所属の車両や東日本の古い車両にはついていません。
- 2の桁(1位)は客車の種類を示し、1は軽量客車、2は固定編成客車、3〜5は一般形客車、6は鋼体化客車、7は戦災復旧客車、8は和式客車、9は特殊車両を表します。例の車両は固定編成を組んだ客車です。
- 6の桁(2位)は台車の別を示し、0〜7は2軸ボギー車、8〜9は3軸ボギー車を表します。例の車両は2軸ボギー車です。
- ハイフンよりうしろの数字は製造番号です。
なお、皇室用車両のうち御料車と供奉車(随行員用車両)には記号をつけず、「御料車第1号」や「供奉車330号」のように数字で表しています。ただし、皇族用電車クロ49001や貴賓電車クロ157-1は記号がついています。
上掲のサンダーバードの例をよく見ると、金サワと書いてあります。これはその車両が配置されている車両所等の略号で、金沢総合車両所を表しています。以下に主な配置区を掲げます(以下は最近の例です。最新のものではありません。統廃合等により名称が変更になっている場合があります)。
- JR北海道 札サウ札幌運転所、札ナホ苗穂運転所、旭アサ旭川運転所、函ハコ函館運輸所、釧クシ釧路運輸車両所
- JR東日本 盛アオ青森運転所、秋アキ南秋田運転所、仙カタ山形電車区、仙セン仙台電車区、新カヌ上沼垂運転区、新ニツ新津運輸区、高シマ新前橋電車区、水カツ勝田電車区、千ケヨ京葉電車区、千マリ幕張電車区、宮ヤマ小山電車区、東オク尾久客車区、東チタ田町電車区、横クラ鎌倉総合車両センター、横コツ国府津電車区、八トタ豊田電車区、八ミツ三鷹電車区、八ムコ武蔵小金井電車区、長モト松本電車区、長ナノ長野総合車両所
- JR東海 静シス静岡車両区、名ナコ名古屋車両区、海シン神領車両区、海ミオ美濃太田車両区、海カキ大垣車両区
- JR西日本 金サワ金沢総合車両所、京キト京都総合運転所、大ミハ宮原総合運転所、大ナラ奈良電車区、大ヒネ日根野電車区、神ホシ網干総合車両所、福フチ福知山運転所、福トカ豊岡鉄道部、米イモ出雲鉄道部出雲車両支部、米トウ後藤総合車両所、岡オカ岡山電車区、岡フチ府中鉄道部、広ヒロ広島運転所、広クチ山口鉄道部、広セキ下関地域鉄道部下関車両管理室、幹ハカ博多総合車両所
- JR四国 四カマ高松運転所、四トク徳島運転所、四マツ松山運転所、四コチ高知運転所
- JR九州 本ミフ南福岡電車区、本チク筑豊篠栗鉄道事業部、崎サキ長崎鉄道事業部長崎運輸センター、分オイ大分鉄道事業部大分運輸センター、分ホウ豊肥久大鉄道事業部豊肥久大運輸センター、熊クマ熊本鉄道事業部熊本運輸センター、鹿カコ鹿児島総合車両所
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